新型パジェロ徹底解剖で見えた日産との「共闘」。かつての宿敵「テラノ」と兄弟車になる現実味(BUSINESS INSIDER JAPAN)

2026年9月2日、三菱自動車が新型「パジェロ」を世界初公開した。日本では2019年の販売終了から7年ぶり、海外向けまで含めれば2021年以来の復活となる。 【全画像をみる】新型パジェロ徹底解剖で見えた日産との「共闘」。かつての宿敵「テラノ」と兄弟車になる現実味 初代パジェロは1982年に登場し、4世代で世界170以上の国と地域に累計325万台以上を販売した。日本では1990年代のRVブームを代表する存在となり、世界ではダカールラリーでの活躍によって「三菱=四輪駆動」というブランドイメージを築いた。三菱自動車は新型パジェロを「新世代のフラッグシップ」と位置づけ、タイで生産した車両を2026年度中に日本とオーストラリアへ投入し、2027年度以降はASEAN、中南米、中東を含む約100カ国へ展開する計画を示している。 昨日出した前編では、三菱自動車をめぐるグローバルな市場環境、中でも三菱自動車の3台に1台を担うASEANにおける中国メーカーとの競争について分析した。 後編では、新型パジェロ自体が持つ商品性の高さ、そして日産とのアライアンスがもたらしたものや、テラノPHEVコンセプトとの関係についても紹介しよう。

新型の特徴を一言でまとめるなら、本格的な悪路走破性を残しながら、7人で長距離を移動できる大型高級SUVへ商品領域を広げたパジェロである。 ボディサイズは全長4920mm、全幅1925mm、全高1910mm、ホイールベースは2870mm。日本で一般的な全長4600〜4700mm、全幅1850mm程度のミドルサイズSUVより一回り大きく、ランドクルーザー250などと同様に世界市場を前提とする大型クロスカントリーSUVの寸法に収まる。 搭載するのは2.4リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンで、最高出力204馬力(150kW)、最大トルクは仕様によって最大480Nm。新開発の8速ATを組み合わせ、四輪駆動には歴代パジェロから続くSuper Select 4WD-IIを採用した。さらに前後左右の駆動力やブレーキを統合制御するS-AWCを加え、舗装路から悪路まで車両挙動を一体的に制御する。 車体の基本骨格には、現行トライトンで新開発したラダーフレームを使う。ラダーフレームは頑丈な骨格の上にボディを載せる構造で、大きな入力を受ける悪路や重量物の積載、牽引に向く。ランドクルーザーや世界各地のピックアップが現在もこの方式を採用するのは、過酷な使用条件で強度を確保しやすいためだ。 新型パジェロは、そのトライトンの骨格をSUVへ転用したうえで、乗用車として必要な部分を作り直した。三菱は2026年5月の段階で、キャビンと前後サスペンションをパジェロ専用に開発すると説明している。 荷物を積むトライトンが後輪にリーフスプリング(一般的なコイルスプリングではない、板ばね)を使うのに対し、パジェロは新開発の5リンク式リジッドサスペンションとコイルスプリングを組み合わせ、乗り心地と路面追従性を高めた。 開発で重視されたのが「off-road comfort」、悪路での快適性である。岩場や泥濘を突破できる性能だけでなく、舗装状態の悪い道路を長時間走っても乗員が疲れにくいことまで商品性能に含めた。遮音対策も強化され、フロントガラスに加えて前後ドアにも遮音ガラスを採用。三菱は高速走行中でも3列の乗員が自然に会話できる静粛性を狙ったとしている。 歴代パジェロが掲げてきた「Confidence=信頼」「Comfort=快適性」に、新型では「Prestige=上質さ」が加わった。高い走破性を持つ実用四駆から、悪路性能と長距離快適性、所有する満足感まで求める大型SUVへ、パジェロの商品レンジを一段上へ広げた形だ。

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