半導体も攻守逆転か 米エヌビディア製品を輸入しない中国の戦略

激動期の安保

毎日新聞 2026/6/2 17:00(最終更新 6/2 17:00) 有料記事 1506文字
トランプ米大統領の訪中に同行したエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が滞在時に店のメニューを食べたことをPRする店舗=北京市で2026年5月26日、松倉佑輔撮影

 5月14、15日に行われた米中首脳会談では、中国が米ボーイング機を200機購入することで合意するなど、米中の経済・貿易面の再接近ぶりが注目を集めた。

 ただ、軍事技術や人工知能(AI)の性能を左右する先端半導体分野では、米中が激しい開発競争を進めている。

 米国が対中輸出規制を進めて優位に立ち、中国が防戦に追われてきたが、その構図に変化が生じつつある。

 <関連記事> ボーイング施設再稼働か 米中経済再接近で揺らぐ「脱中国」 中国は航空機で脱米欧依存?ボーイングとエアバス「天秤」の思惑 日本もボーイングに接近 中国に遅れた「日の丸ジェット」の行方 レアアース輸出は「止めず」? 中国の対日規制強化の真の狙い

 5月15日、北京市中心部の観光地「南鑼鼓巷」で黒い革ジャン姿で名物のジャージャー麺を立ち食いする男性の姿が中国のSNSで拡散した。

 トランプ米大統領の訪中に同行した米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)だ。

 フアン氏は、前日に行われたトランプ氏との中国の習近平国家主席との会談にも同席した。

 ロイター通信は、トランプ政権がアリババ集団や騰訊控股(テンセント)など中国のIT大手約10社にエヌビディアの高性能半導体「H200」の販売許可を出したと報道。

 中国が米ボーイング機200機を購入することが決まったように、エヌビディア製品の「ディール(取引)」が成立するか注目されたが、その後米中双方が発表した合意文書には半導体関連は何も盛り込まれなかった。

中国が見せ始めた「脱米国」姿勢

 米国は近年、安全保障上の懸念を理由に先端半導体の対中…

関連記事: