二宮和也 ジャニー喜多川氏を「あいつ」と表現 「謝ってほしい」 あす著書発売、心境語る
嵐の二宮和也(41)にとって、初めての新書「独断と偏見」(集英社新書、1100円)が17日に発売される。このほど二宮がスポーツ報知などの取材に応じ、同書内に記した「アイドル論」「嵐」「引退」「ジャニー喜多川氏」などについて語った。
約50人の報道陣と正対した二宮は、深々と頭を下げた。「少しでも分かりやすくお伝えできれば」。自身の意向で催した取材会。左手にマイクを持ち、一問一問、質問者の方に体の向きを変え、言葉を発し続けた。
同書では10の四字熟語をテーマにし、派生した100の設問に「独断と偏見」を記した。写真集やエッセーを発売したことはあるが、新書という形で文字だけの表現に挑戦したのは初めて。「引退」から「人生観」まで話題は多岐に渡った。
「自身を四字熟語で表現するなら?」という問いには「我田引水」と即答し、「人のふんどしで、相撲取るタイプなので」。文字のみの表現を選んだ理由には「自分が紙をめくらないと言葉が入ってこなくて。デジタル版が出たらごめんなさい」。冗談も交え、和やかな雰囲気が場を包んだ。
話題は「嵐」にも。「(発売日となる17日の)誕生日に向けて動いたら、たまたまタイミングが重なって。こちらからしたら、勝手に嵐が(5月6日に)再開した」と笑わせ、「今はライブをどのような形で、どこで、いつかと話し合っている」とも明かした。
そして「一番会いたい人」を「ジャニー喜多川」と記した理由も。これまで性加害を起こした喜多川氏に自ら言及するタレントは少なかった。誤解を生む可能性もある。それでも、触れた。「この本を作るきっかけとは言いませんけど、大本にいる方。彼が人様に迷惑をかけなかったら、僕もこういう道(独立)をたどることもなかった」。言葉に怒気が含まれた。「でも、あいつは何も言わないんだよな」。二宮から怒りを込めた「あいつ」という表現を聞いたのは、初めてだった。「もし会えたら」と聞かれると「謝ってほしい」と言った。
どんな問いにも、間髪入れずに反応し、聞き取りやすい速度で言葉を発した。書籍同様に、本心と本音を込めたからだろう。まもなく42歳を迎えるニノの喜怒哀楽が詰まった一冊。「一人でも多くの方に届いていただければ」。照れくさそうに笑い、猫背で深々とお辞儀した。(田中 雄己)
◆ニノに聞く
―「著者」と呼ばれることをどう思うか。
「著者としてより、一人の人間として、らしい言葉をちゃんと出せるように、しか考えていなかったです」
―タイトルについて。
「頂いたタイトル(百問一途)で読んでいると、あまりにも、タイトルと合致していない感じがして。じゃあ、独断と偏見かと」
―自身の考えを文字だけでここまで見せた。
「僕もここまで載るとは(笑)。これに1ページずつ撮り下ろしの二宮がいたら、逆に邪魔だったんじゃないかな。言葉だけで立体化させていくことができた」
―アイドルとは。
「相手方の欲求をかなえるというか、かゆいところに手が届く存在でありたい。嵐に関して言うと、応援してくださる方のお母様、お父様が『嵐のコンサートだったら行っていいよ』と。挑戦も、冒険もしつつ、安心・安全も必要かな
―独立後、よりマルチな活躍をしている。
「より責任を持つようになったといいますか、依頼された仕事を全て自分が見るので。今までは現場に行って『よろしくお願いします』といった感じでしたが、例に出すのは大変申し訳ないんですけど、(スポーツ報知の)田中さんとはメールを何度も重ねて。『取材したいです』『お願いします』『いつがいいですか』などとやり取りして、現場で『あ、田中さん』とスタートするのは、とてもやりやすかったですね」