日経平均は続落、5万円割れ AI関連株の下げが重し
[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落し、前営業日比784円82銭安の4万9383円29銭で取引を終えた。米国の11月雇用統計、10月小売売上高の発表を今晩に控え、持ち高調整の売りが出た。特にAI(人工知能)関連と目される銘柄が安く、相場の重しとなった。日経平均は節目の5万円を割りこみ、一時800円以上値下がりする場面もあった。
日経平均は前営業日比116円安で寄り付いた後、下げ幅を拡大し、すぐに節目の5万円を下回った。ここのところ上昇が目立っていたフィジカルAI関連株が大きく下落したほか、指数寄与度の大きい半導体関連銘柄の一角にも売りが出た。後場前半には一時812円安の4万9355円87銭まで下落した。プライム市場では次第に値下がり銘柄が増え、8割超が下落するなど弱い地合いとなった。一方、後場後半は様子見姿勢が強まり、4万9500円を軸に一進一退が続いた。
足元の日本株は、10月末頃までみられたような一部の指数寄与度の大きい銘柄による上昇は一服し、「物色の裾野が広がってきてはいるが、きょうの取引ではAI関連の調整が重しとなった」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との声が聞かれた。
目先については、海外勢が休暇に入るタイミングとなり「商いを伴って指数が上方向を試すのは難しく、5万円を挟んでの推移が続くのではないか」(及川氏)という。
TOPIXは1.78%安の3370.50ポイントで取引を終了。プライム市場指数は1.78%安の1735.76ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆3138億8400万円だった。東証33業種では、空運、パルプ・紙、水産・農林が値上がり。非鉄金属、証券、商品先物取引、鉱業など30業種は値下がりした。
新興株式市場では、東証グロース市場250指数が2.79%安の650.38ポイントと、反落した。
プライム市場の騰落数は、値上がり216銘柄(13%)に対し、値下がりが1345銘柄(83%)、変わらずが47銘柄(2%)だった。
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