新型フォレスターの1.8Lターボに注目!! トヨタHV搭載で話題だけど純ガソリンエンジンもイイ! ハイブリッドとの違いはどこに?
/ コラム
スバルのラインナップのなかでも屈指の人気を誇るミドルサイズSUV「フォレスター」が、いよいよ待望のフルモデルチェンジ。新プラットフォームや新デザインだけでなく、待望のストロングハイブリッドを装備して登場だ!!※本稿は2025年4月のものです文:松田秀士/写真:大西靖、スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年5月10日号
【画像ギャラリー】ついに日本正式発表!! 念願のストロングハイブリッドを搭載した新型 スバルフォレスター(30枚)2025年4月、とうとう日本でも正式発表された新型スバル フォレスター。アメリカでの発表は2023年11月。長かった……
新型フォレスターでは、これまでの2Lマイルドハイブリッドが廃止、クロストレックでも採用されている2.5Lストロングハイブリッドに置き換えられ、プレミアムとX-BREAKの2グレード、そして1.8Lターボを搭載するスポーツの3グレード展開になっている。
試乗は袖ヶ浦フォレストレースウェイ。といっても、トリッキーな内周路と、ストレートと高速コーナーがある外周路をそれぞれ分けて走る。あいにくの雨天だが、新型フォレスターのスタビリティを確認するには持ってこいだった。
ドライバーズシートに納まると前方の視界がいい。ボンネットがフラットなのと、ワイパーを見え難く納めたことでノイズのないクリアな視界だ。クロストレックに準じた大きなセンターディスプレイなど、スバル最新のインテリアに包まれ居心地がいい。
まずストロングハイブリッドで、雨天の内周路を走り出す。
アクセルを踏み込めばモーター主導の蹴飛ばし感でスタートダッシュする。これまでのマイルドハイブリッドのe-BOXERにはなかったリッチなトルクフィールを感じながら、いつの間にかエンジンが主導して加速する。この一連の流れが結構力強く、トヨタ系THSとはまた異なる加速感が新鮮。
ただ中速域の加速なら、1.8L直噴ターボのスポーツの加速力が、車体の軽さを味方につけて力強い。
こちらは1.8L直噴ターボを搭載した「SPORT」。ストロングハイブリッドのモデルよりも約100kg軽く、ターボパワーを活かした力強い走りを見せる
比較試乗用として旧モデル(2L e-BOXER)にも試乗したのだが、これはこれでサスペンションの動きにストローク感があり、ステアリング&アクセル操作でアンダー&オーバーステアを自在に作り出せる。ハンドリングの幅の広さがあった。
では新型はどうなのか? 実は、1.8Lターボと2.5Lストロングハイブリッドでは若干の差がある。
中低速のチェックに重点を置いた内周路では、ストロングハイブリッドは重量がありながらも旧型に近いサスペンションフィールで、曲がり込んだコーナーやパイロンスラロームをこなす。
この時プロペラシャフトで駆動するシンメトリカルAWDのリアタイヤは、ストロングハイブリッドを得たことでダイレクト感が増している。
逆に1.8Lターボは内周路のタイトコーナーよりも、外周路の中高速コーナーを得意とする。100kg前後の重量差がフットワークに如実に現われるのだ。
両新型で感じるのは、サスが硬いというよりは強くなったということ。特にダンパーの減衰コントロールが巧みで、ロールの大きさを感じさせないのだ。
ロール角自体は旧型と同じくらいとのことだが、実際に比較ドライブすると旧型に比べてロールを感じさせない。つまり全体にスタビリティ重視のセットアップだ。
最後に全車種に標準装備されるサイクリストエアバッグ。最近増加している自転車事故による死傷者対策だ。自転車事故での重篤な傷害はAピラーでの頭部損傷とのことで、フロントガラス下部から覆うように両Aピラーにエアバッグを展開させる。
もちろん歩行者もカバーする装備で25~60km/h時に展開する。動物や車両などはセンサーで識別し、展開しない。スバルの安全思想への思いが伝わってくる装備だ。