松屋の新作は「麺」!? ご当地コラボ「西条てっぱんナポリタンハンバーグ」限定発売、開発の裏側を聞いた
牛めしカレー、定食でおなじみの松屋から、愛媛県西条市のご当地グルメとコラボした「西条てっぱんナポリタンハンバーグ」が2025年9月30日より全国70店舗限定にて期間限定で販売開始されます。価格はライス・みそ汁がついて1080円、ライス・生野菜・みそ汁がついた定食セットで1180円~です。
松屋で麺って、かなりレアな新メニューでは!? ということで、今回はねとらぼ編集部が発売前に独占試食取材しつつ、ご当地コラボの仕掛け人に開発の裏側を取材しました。
松屋の新メニュー「西条てっぱんナポリタンハンバーグ定食」 ご当地コラボメニューの火付け役、文田西日本地域統括部長(右)と熊谷雄樹チーフマネージャー(左)卵を具材とし、熱々の鉄板皿で提供される「西条てっぱんナポリタン」は、愛媛県西条市のご当地グルメ。そんなアツアツグルメと松屋が誇るエースメニュー「ハンバーグ」が夢のコラボを果たしたと聞きつけ、松屋フーズホールディングスの本社(東京都武蔵野市)にやってきました。
ここが三鷹駅北口を出てすぐの松屋本社 ここが松屋の中枢か……今回は発売前の商品を試食させてもらえるということでホイホイやってきました。
これが新メニュー「西条てっぱんナポリタンハンバーグ定食」だ!さっそく「西条てっぱんナポリタンハンバーグ定食」が運ばれてきました。おいしそうな香りとともにジュージューという音が食欲をそそります。
ジュージューという音と香りがたまらない! まずは麺に卵を合わせていただきますまず、松屋のメニューとしては激レアな「麺」、ナポリタンの部分からいただきます。
モッチモチの麺とクセになる味わいのトマトソースが絡んで、どんどん箸が進みます。また、最大の特徴ともいえる卵はふわっふわで少しトロッとした半熟食感。それだけでもソースとの相性抜群ですが、ナポリタンの麺と合わせるとものすごくマッチしておいしいです!
ハンバーグとソースの相性は続いてはハンバーグ。「これぞ松屋!」という味わいの安定感に、ナポリタンソースの黒胡椒がマッチしてご飯が進みます。正直、これはかなりおいしい!
松屋カンパニー西日本松屋統括地域・地域統括部長の文田大輔さん愛媛県西条市とのコラボメニュー「西条てっぱんナポリタンハンバーグ」の発売を仕掛けたのは、松屋カンパニー 西日本松屋統括地域・地域統括部長の文田大輔さん。2025年4月には、同県今治市とのコラボ「今治焼豚玉子飯」の開発にもかかわりました。
「今治焼豚玉子飯」は、一部店舗限定販売でのスタートから大ヒット。反響を受けて店舗限定販売から全国販売に切り替わった文田さんは愛媛県今治市出身で、大学時代は松屋で3年間アルバイトをし、卒業後はいったん実家の会社に就職。しかし「父が脱サラ後に遊び呆けてしまい、このまま一緒に働くのは無理だと思った」と振り返ります。
実家を飛び出して大学時代に住んでいた大阪に戻ると、アルバイト時代の松屋店長から「うちに入社すれば?」と声をかけられたことがきっかけで松屋に社員として入社。店舗勤務から始まり、店長、エリアマネジャー、本部勤務を経て、現在は全国1375店舗のうち約3分の1にあたる店舗数を統括しつつ、新メニューの開発にもかかわるビッグな立場にまでなったそうです。
今治には長らく松屋がありませんでしたが、2025年に初出店が決定。地元に貢献したい気持ちもあって、「せっかくだからご当地メニューを作りたい!」と考えたのが最初の一歩だったと文田さんは語ります。
「中学生や高校生のころは、地元の定食屋で玉子飯をよく食べていました。松屋のオペレーションでもきっと再現できると思い、今治市に『松屋・松のや今治片山店』がオープンするタイミングで『今治焼豚玉子飯』を提案しました」。この“ご当地コラボメニュー”は、当初一部店舗で限定販売でしたが大好評。市役所も協力し、今治市全体で盛り上げた成果もあり、全国発売へこぎつけました。
そしてその盛り上がりを見た隣町・西条市役所に勤める文田さんの同級生から「うちでもぜひ!」と声がかかります。2025年10月、西条市に「東予丹原店 松屋・松のや複合店」がオープンすることをきっかけにコラボが決定しました。
市役所担当者からの「西条といえば西条てっぱんナポリタン」というアイデアから構想をスタートし、「西条てっぱんナポリタン実行委員会」という地元団体との協力も実現しました。完成までには実に10回以上の試食会を重ね、社長の試食でもGOサインが出たことから、今回の商品化が決定したそうです。
松屋の商品開発を手がける熊谷さん「松屋で大切なのは『米に合うか』」──そう語るのは、商品企画グループのチーフマネージャー・熊谷雄樹さんです。
熊谷シェフによると「ナポリタンをそのまま食べてももちろんおいしいのですが、松屋では『米に合うか』という基準が絶対なので、“ご飯に合うソース”を意識しました」とのこと。
米に合う、を追求したソース本場・西条市の「西条てっぱんナポリタン」は、ナポリタンソースに柑橘系の酸味を合わせて風味を加えているお店もあるそうです。一方、「西条てっぱんナポリタン」を米と合わせて食べるケースは、本場ではあまり見られなかったといいます。
そこで「米に合う」を信条とする松屋は、本場の味わいを参考にしつつ松屋流にアレンジ。「米との親和性が高い酢を隠し味に加えることによって、“麺料理なのに米と合う”絶妙な味わいを作り出すことができました」と開発秘話を明かしてくれました。
確かに、ナポリタンといえば甘いソースのイメージがありますが、松屋の「西条てっぱんナポリタンハンバーグ」のソースは甘すぎず、適度な塩味と黒胡椒がきいています。
こだわりの卵は2個使用さらに松屋の王道「ハンバーグ」も合わせたことにより、ボリューム満点&もっとご飯が進む味わいに。卵は1皿に2個使って焼き上げることにより、焦げ付かせずにふわふわ食感を生み出すことに成功するなど、緻密(ちみつ)な味の計算がされた一品となっています。
常に全力、をモットーにしている熊谷シェフ。今回も手応え十分だという愛媛県出身の文田さんは、「今治の焼豚玉子飯も好評だったので、西条も絶対に成功させたいです。正直、うまくいかないと地元に帰りづらいですしね(笑)。でも今回は自信があります」と熱く語りました。
ナポリタンでご飯を食べることになるこの商品。麺でご飯を食べるって珍しいですよね? という質問には「意外な組み合わせに見えるかもしれませんが、実は『お好み焼きとご飯』や『家系ラーメンとライス』とも近い発想ですよね」と答えていました。な、なるほど……!
自信作を改めて試食する文田さん「本当にうますぎます」松屋流アレンジで“ご飯に合うナポリタン”を体験できるこのメニュー。愛媛県内全店舗(10店舗)を含む全国70店舗限定での期間限定販売で、売り切れ次第の販売終了となります(店舗リストはこちら)。
タバスコでの味変も最高。試す価値ありの味わいです!