町田啓太が目指す“理想の現場づくり”とは? 先輩たちとの出会いが変化のきっかけに

 毎週金曜21時よりテレ東系で放送中のドラマ『失踪人捜索班 消えた真実』(以下、『失踪人捜索班』)。失踪人の行方を追う執念の捜索とその裏に隠れた真実を描くノンストップドラマのなかで、主演の町田啓太は最愛の妻・恵子(泉里香)の失踪事件を追うために失踪案件専門の探偵社を立ち上げた元刑事・城崎を演じている。

 そんな町田に、作品への想いや現場の雰囲気、そして『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレ東系/以下、『チェリまほ』)で感じたブレイクの兆しなどについて語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「一番大事なのは現場の雰囲気づくり」

ーー現場の雰囲気はいかがですか?

町田啓太(以下、町田):個性的で魅力たっぷりの共演者のみなさんに囲まれているので、とにかく現場に行くのが楽しいです。淡々と演じるのではなく、それぞれがアイデアを出しながら進めていくので、台本を読んだときに抱いた感情とはまったく別のものになっていたりして。化学反応が起きている感じで面白いですね。スタッフさんも含めて、すごくいい雰囲気でものづくりができていると思います。

ーー主演であり、役柄的にもリーダーポジション。城崎とリンクしている部分もありますよね。

町田:確かに! 言われてみれば。

ーーあまり意識はしていないですか?

町田:うーん……「みんなで面白いものを作っていきたい」という感じなので。とはいえ、責任があるポジションにいさせてもらっているという感覚はあります。なので、言うべきことはちゃんと言わなきゃとか、率先して行動を起こしていかなきゃとか、そういう部分では意識しているのかもしれません。ただ、やっぱり一番大事なのは現場の雰囲気づくりだと思います。

ーー町田さんが理想としているのはどんな現場ですか?

町田:ただ楽しく馴れ合うのではなく、ちゃんとディスカッションができることですかね。僕、役者を始めたばかりの頃は、なかなか意見を言うことができなかったんです。「自分なんかが言っていいのかな?」とか気を遣ってしまって。

ーー意見を言えるようになったのは経験を重ねたから?

町田:僕の意見に耳を傾けてくれる先輩たちとの出会いがあったからだと思います。だからこそ、自分もまわりの意見に耳を傾けられる人間でいたいです。やっぱり、コミュニケーションをちゃんと取れる現場のほうが、いいものづくりができると思うので。そのあたりは今回の現場でも意識をしています。

ーーセリフの量はかなり多めですよね。

町田:本当に文字数が多いんですよ! ただ、そのおかげで必然的にみんなでコミュニケーションが取れるからありがたいです。台本を読んだとき、「片桐(仁)さんの役は当て書きだろうな~」と思っていたんですが、想像以上のキャラクターになっていて(笑)。小泉(孝太郎)さんが演じる笹塚さんも、カッコよくて頼れるキャラクターで、まさにハマり役ですよね。ちょっとチャーミングさが見えるところも、小泉さんっぽいなと思います。

ーー小泉さんとは、『連続ドラマW フィクサー』以来、2度目の共演ですよね。現場ではお話しされることも多いんですか?

町田:そうですね。前に共演したときよりも距離が縮まった気がします。いろいろなことを相談させてもらったり。本当にいてくれるだけで安心感があります。お人柄もとても素敵な方ですし。

ーーレギュラー陣には、大御所から若手までさまざまなキャストが集結しています。

町田:本当に大先輩たちがたくさんいらっしゃって……。だって、芸歴40年超えとかですよ! 「僕、生まれてないし!」みたいな(笑)。でも、ありがたいことに、「みんなで楽しみながらいいものを作ろうよ」というスタンスでいてくださるので、年齢の差を感じる瞬間があまりないんですよね。若いキャストさんたちも、菅生(新樹)くんは知識が豊富だから話していて楽しいし、武田(玲奈)さんは、本当にすんなり、最初から現場にいたかのような感じで馴染んでいます。


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ーー町田さんが城崎を演じる上で意識していることがあれば教えてください。

町田:本当にシンプルなんですが、妻という存在が彼にとってどれだけ大きいものだったのか、というのは常に意識するようにしていました。なので、失踪前のシーンを撮影したときに「そりゃ、この日常を取り戻したいよなぁ」と自然に思えている自分がいました。そこは、やっぱり泉(里香)さんのおかげですね。そして、恵子を探し出すために協力してくれる仲間がたくさんいるので、彼らとの関係性も大事にしていこうと思っています。

ーーもしも、自分が城崎と同じ立場になったらどのような行動をすると思いますか?

町田:もちろん、僕も城崎と同じように必死で探すと思います。決定的な違いを言うとするならば、僕だったらありとあらゆる探偵を総動員させるかな。できる限りのものをすべて使います。ただ、やっぱり城崎が羨ましいなと思うのは、それに協力してくれる仲間がいることなんですよね。

ーー夫婦愛ももちろんですが、仲間愛も物語の鍵を握っていますもんね。

町田:そうなんですよ。リスクを負ってでも、協力してくれる仲間ってすごいじゃないですか。自分にもいると信じたいけど、本当にいるのかなぁ……とか。あとは、彼らに委ねることができるのも、城崎のすごいところなんですよね。人を信じて任せられる城崎は、やっぱりリーダー気質だなと思います。「もしかしたら、上司に疎ましがられて出世コースから外されてたんじゃ?」と思うくらい頭がいいし。僕は、城崎みたいに人に頼ることができないタイプなので、尊敬しています。

ーーテレビ東京と町田さんといえば、『チェリまほ』を思い出すファンの方も多いと思います。

町田:『チェリまほ』は、僕を変えてくれた作品のひとつです。実際に、取材をしてくれる媒体さんも増えましたし、たくさんの声が届きました。そういった変化って、普段はあまり感じ取ることができないんですが、めまぐるしく変わっていった感覚があります。本当にありがたい作品でした。

ーー連ドラの放送からは、もうすぐ5年が経ちますね。

町田:あの頃、ちょうど30歳だったんですよ。なので、「ちょうど、30歳じゃん!」と思っていたのに、「もうすぐ5年も経つのか~」と驚いています。この約5年で任される役割も大きくなり、責任も増えてきたので、「さらに気を引き締めていかなければ……!」という思いです。

ーーこれからもご活躍が続きそうですね。

町田:この前、笹野(高史)さんと写真を撮ったんですが、僕の隣で「町田くんは背が高いからぁ」と言いながら背伸びをしていて(笑)。笹野さんは76歳なんですが、「僕よりも精神年齢が若いんじゃないかな?」と思ったんですよね。役者の世界には、笹野さんのように心がとてつもなく若い方が多いんです。それはきっと、楽しみながらものづくりをしているからだと思います。そう考えると、30代の僕は疲れている場合じゃないな……と。先輩たちみたいに、これからも楽しみながらいろいろな役柄に挑戦していきたいと思います。

■放送情報 ドラマ9『失踪人捜索班 消えた真実』 テレ東系にて、毎週金曜21:00~放送 TVerにてリアルタイム配信 ネットもテレ東(テレ東公式サイト、TVer、Lemino)にて見逃し配信 出演:町田啓太、小泉孝太郎、菅生新樹、泉里香、武田玲奈、片桐仁、高橋克実、光石研 脚本:小峯裕之、本村拓哉、木江恭 監督:池澤辰也、守下敏行、島添亮 音楽:信澤宣明 主題歌:THE JET BOY BANGERZ「まさか泣くとは思わなかった」(ソニー・ミュージックレーベルズ) チーフプロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京) プロデューサー:木下真梨子、中島叶(テレビ東京)、青木泰憲、元信克則、河添太 制作:テレビ東京、ユニオン映画 制作協力:オランジュ ©「失踪人捜索班 消えた真実」製作委員会 公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/shissounin_sousakuhan/ 公式X(旧Twitter):@tx_drama9

公式Instagram:@tx_drama9

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