トランプ氏に「降伏しない」 アメリカがイラン攻撃検討 イスラエル優勢で強気転換

 住宅地の奥に見える爆発の煙。ドローン攻撃機が破壊されています。今も激しい攻撃の応酬を続けているイスラエルとイラン。  イスラエルがイランの空を圧倒しつつあるなか、アメリカがイランに残る重要な核関連施設への攻撃に参加するかどうかが焦点となっています。  イラン側からホワイトハウスでの交渉を提案されたと明かしたトランプ大統領ですが…。 「話をするにはもう遅いです。次の1週間が非常に重要になります。1週間より短いかもしれません」  イスラエルはアメリカの介入を強く望んでいます。 放送大学名誉教授 高橋和夫氏 「フォルドゥという場所にある核施設は、地下何百メートルのところにあり、イスラエルが持っている爆弾では、そこまで届かないんですよね。イスラエルは自分ではできないから、アメリカに頼み込んでいる」  イラン中部・フォルドゥにある核関連施設。地中深くに作った核施設は、アメリカ軍が持つ「バンカーバスター」と呼ばれる特殊な地下貫通弾を使わなければ破壊できません。重量も重く、アメリカの大型爆撃機B2しか搭載できないといいます。 高橋氏 「イスラエルは最初からアメリカを巻き込むつもりで、戦争を始めたのかな」  トランプ大統領は、イランへ向け「無条件降伏」を要求していますが、イランの最高指導者ハメネイ師はこう述べました。 「侵略に降伏はしない。アメリカが軍事介入すれば、取り返しのつかないことになります」

 しかし、イランを取り巻く情勢は厳しさを増しています。 高橋氏 「イランの同盟者がハマス、ヒズボラ、アサド政権と次々に倒れた。イランはすごく弱まっているから、イスラエルとしては今がチャンスで、待てばイランの防空体制がどんどん再建されるから今やりたい」  トランプ大統領は当初、イランと核の放棄を巡る協議を進めていたため、イスラエルに攻撃を自制するよう求めていました。しかし、イスラエルが戦闘を優勢に進めている状況から、イランへの圧力を強めているとみています。  イスラエルの軍事作戦にアメリカは介入するのでしょうか。 高橋氏 「半々だと思う。トランプ大統領を支持した人がいろんなグループはいるが、一つのグループは熱心にキリスト教を信じていて、イスラエルは神の国だからイスラエルを守るためには何でもしてあげたいと思っている人たち。もう一つ、トランプさんに投票した多くの人たちは、アメリカファーストというトランプ氏のスローガンに投票した。その人たちはイランと戦争をするなんてとんでもない」  日本時間の18日、トランプ大統領はNSC国家安全保障会議を開き、およそ1時間20分議論したといいます。 アメリカ ヘグセス国防長官 「もし決断が下されたら、国防総省は実行に移す用意があります」  アメリカによるイランへの攻撃が行われれば、最悪のシナリオも考えられるといいます。 高橋氏 「アメリカ軍の基地だけじゃなく、中東の国々の石油やガス関連施設をイランが報復で爆撃したら、石油供給が止まる」 (「グッド!モーニング」2025年6月19日放送分より)

テレビ朝日

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