米ハイテク主導の株安局面、押し目買いの好機に-JPモルガン
- 同社は製造業PMI上振れを予想、市場はパウエル氏講演を注視
- 19日はS&P500種が8月初旬以来の大幅安、マグ7も軒並み下落
JPモルガン・チェースは、バリュエーションの高さを巡る懸念などを背景とする足元の株安局面について、「押し目買い」の好機となり得るとの見方を示している。
S&P500種株価指数は19日の取引で8月上旬以来の大幅な下落率を記録。エヌビディアが4月以来の大幅な下げなるなど、ハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」銘柄も軒並み売られた。20日午前時点でS&P500種は4日続落の勢いだ。
JPモルガンのグローバル市場インテリジェンス責任者、アンドリュー・タイラー氏は20日付の顧客向けノートで、21日発表の購買担当者指数(PMI)と、22日に予定されているジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)の講演が、今後の市場の方向性や投資家心理を左右する可能性があると指摘。こうした中で「本日は押し目買いを入れる投資家にとって試金石となる」と述べた。
パウエル議長の講演について、同氏は市場の大きな反応を引き起こすような重要な手掛かりを提供する可能性は低いだろうと指摘。その上で、製造業PMIは市場予想を上回ると同社の米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏らが予想している点に触れ、株価の支援材料になると述べた。
「これらを総合的に見て、前日の株下落は押し目買いの好機を生んだと判断している」とした。
また特筆すべき点として、19日の取引では出来高が低調だった。JPモルガンでは「個人投資家の買いが見られなかったようだ」と指摘している。
シタデル・セキュリティーズが集計した2017年以降のデータによると、個人投資家の買いは6月と7月に活発化した後、8月に鈍化し始め、9月は1年のうちで個人投資家の参加が最も低調となる傾向が強い。
原題:JPMorgan Trading Desk Says Selloff Offers Dip-Buying Opportunity(抜粋)