2025年6月22日の火星の風景:静かな丘陵を眺める【今日の宇宙画像】

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

淡い空の下に広がるジェゼロ・クレーターの尾根

アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第228週にあたる2025年6月22日に、マストにある右のナビゲーションカメラで撮影された1枚です。

※…2025年6月22日はPerseveranceのミッション1542ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。

  • Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
  • NASA - Mars Perseverance Sol 1542: Right Navigation Camera (Navcam)

今回の画像は、Perseveranceが探査を進める「ジェゼロ・クレーター」内の、緩やかに起伏する丘陵地帯を撮影したものです。画像左下にはPerseveranceの機器の一部が映り、その向こうにはなだらかな尾根が伸びています。また、うっすら緑がかった淡い空(※)は、細かな鉱物ダストが太陽光を散乱させる火星特有の大気条件を示しています。

なお、ナビゲーションカメラは本来、安全な走行ルートを確認するための装置ですが、このような一見単調に見える風景からも、空の色調・砂塵量・岩石の分布など多くの環境データを読み取ることができます。

※…ホワイトバランスの影響で、緑がかった淡い色に見えています。肉眼(可視光)で見た場合の火星の空は、赤みがかった黄土色に見えるようです。

火星探査車Perseveranceとは

Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

【▲ 火星探査車Perseveranceに搭載されている観測装置の位置を示した図。Mastcam-ZとSuperCamはどちらもPerseveranceのマスト、通称“ヘッド(頭)”と呼ばれる部分に搭載されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ナビゲーションカメラについて

ナビゲーションカメラ(Navcam)は、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラ「Mastcam-Z」の両隣に配置された、走行を補助するためのカメラです。Perseveranceが火星の表面を安全に走行できるよう、進行方向を決めたり周囲の地形を把握したりする際などに利用されます。

編集/sorae編集部

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