【毎日書評】説明がうまい人が話す前に、無意識にやっている「3つの選別」(ライフハッカー・ジャパン)

著者によれば説明の最適な順番は、以下の3つの要素のかけ算でほぼ決まるのだそうです。 要素①相手(誰に話すのか?) 要素②目的(何のために話すのか?) 要素③シチュエーション(どんな状況で話すのか?) (115ページより) つまり「説明の順番が決められない」「話が行き当たりばったりになってしまう」というような悩みは、これらの視点のいずれか、あるいはすべてが頭のなかから抜け落ちていることが原因だということです。 認知心理学には、「認知容易性」(Alter et al., 2009)と呼ばれる考え方があるそう。最適化された順番で構成された話は、脳がスムーズに処理できる(認知的に容易である)ため、聞き手は内容を理解しやすく、その内容を「正しい」「信頼できる」と感じやすくなるということ。そのため、説明の順番は重要であるわけです。 ならば、「説明がうまい人は、どのようにして瞬時に最適な順番を決めているのか」を知りたいところですが、天才的な記憶力や、特殊な才能は必要ないようです。ただ、3つのシンプルな視点を頭に置いているだけだというのです。(114ページより)

相手が「結論を急ぐ上司」の場合 結論→理由→詳細 多忙な上司が求めているのは、まず全体像の把握。詳細な経緯から話し始めると興味を失ってしまうため、「結論→理由」と全体がわかるように話すべき。 相手が「専門知識のない顧客」の場合 相手のメリット→全体像→詳細 まず、「この話を聞くと、こんなにいいことがありますよ」とメリットを示し、興味を引くことから始めるのが鉄則。 相手が「不安を抱える後輩」の場合 共感→解決策→理由 まず「大変だったね」「その気持ち、わかるよ」と相手の感情に寄り添い、安心感という土台をつくってから具体的な話に入ることが大切。(116ページより)

目的が「報告・情報共有」の場合 結論→詳細→補足 目的は、事実を正確に、簡潔に伝えること。余計な感情や解釈は含まず、客観的な情報を優先して組み立てることが大切。 目的が「説得・交渉」の場合 共通の課題→解決策(自分の提案)→根拠 まず、「私たちには、こういう共通の課題がありますよね」と、相手を同じ船に乗せ、仲間意識を醸成してから本題に入るのが効果的。 目的が「教育・指導」の場合 全体像→各論(ステップ・バイ・ステップ)→全体の振り返り 最初に、これから登る山の全体像(地図)を見せてから、一歩ずつ具体的な登り方を教えることが重要。 目的が「物事の解説」の場合 定義もしくは概要→詳細→具体例 ある物事の定義や概要のような抽象的情報から細部に入り、そのうえで具体例を提示。こうしてイメージをわかせるのです。(118ページより)


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シチュエーションが「緊急事態」の場合 もっとも重要な情報(問題点・やるべきこと)→経緯 火事の現場で原因を説明し始めても無意味。「火事だ! 逃げろ!」と、もっとも重要な行動を促すべきなのです。 シチュエーションが「プレゼンテーション」の場合 つかみ(アジェンダ)→本論→まとめ・質疑応答 プレゼンのように形式的な場には、聞き手が期待する「作法」があるもの。その型を無視すると、聞き手は「わかりにくい」と感じてしまうわけです。 シチュエーションが「雑談」の場合 相手が興味を持ちそうな話題→自分の話したいこと 心地よい空気感を共有するためにも、自分が話したいことより、相手が笑顔になる話題を優先することが大切。(120ページより) 「説明のうまい人」になれたら、必然的にビジネスの効率が高まるはず。そればかりか、相手との信頼関係にも好ましい影響が生まれるはずです。本書を参考にしながら、説明のスキルを高めてみてはいかがでしょうか。 >>Kindle Unlimited、500万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 作家、書評家、音楽評論家 印南敦史 1962年東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ライフハッカー・ジャパン」で書評連載を担当するようになって以降、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間700冊以上の読書量を誇る。「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」などのサイトでも書評を執筆するほか、「文春オンライン」「qobuz」などにもエッセイを寄稿。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちにPHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)など多数。最新刊は『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』(光文社新書)。@innamix/X Source: サンマーク出版

印南敦史

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