「私的訪問は一度もない」明仁天皇が放った“棘(とげ)”。令和の天皇が直面した公と私の葛藤(All About)

私的な何事よりも「公」を重視する、少なくともそのように見られる努力をすべきであるという平成の天皇夫妻の姿勢が分かりやすく表れているのは、自分たちが行った外国訪問の性質を巡る当時の天皇の発言だろう。 2007(平成19)年5月の欧州訪問の際に明仁天皇が記者会見で述べた言葉は、自らの行動はすべて「公」の姿勢に基づくものだと強調し、「宣言」した端的な例だ。 長い皇太子の時代に「昭和天皇の名代」という立場で、美智子皇太子妃と共に多くの外国訪問をしてきたことに触れた上で、外国訪問全般についてこう話した。 === 「名代という立場が各国から受け入れられるように、自分自身を厳しく律してきたつもりで、このような理由から、私どもが私的に外国を訪問したことは一度もありません」 === 言葉に棘(とげ)のようなものが感じられ、その前年の皇太子一家によるオランダ静養を揶揄(やゆ)したものととらえる者が多かった。家族の静養という私ごとで外国訪問をする皇太子一家が責められた、という構図である。 「自分自身を厳しく律してきた」と強調するのも、裏を返せば「皇太子夫妻は自分に甘い」と責めているように聞こえる。 もっとも、この発言は「皇太子夫妻の外国訪問を含めた国際交流への期待」を尋ねられて答えたものであり、自分の皇太子時代は、海外渡航に制約があった天皇に代わっての外国訪問だったため、現在とは性質が違う、現在は様々な外国訪問や国際交流が可能である、との趣旨の中での言及だった。 明仁天皇は約半年後の会見で「決してオランダ静養に苦言を呈したのではありません」と話し、世間の受け取り方に不満を漏らした。

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