今週のマーケット:AI株の強気な相場は続騰か調整か。マイクロン・テクノロジー決算に注目
・米国とイランの和平協議の難航で株価乱高下、上がり過ぎたAI株の利益確定売りが進む?
・人工知能(AI)関連株は業績上方修正、増産報道など新材料あれば続騰? 日本時間25日(木)早朝の米国半導体メモリメーカー、マイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表で好材料出尽くし売りも?
・25日(木)発表の米国重要物価指標で物価高の加速が確認されると、長期金利上昇で米国株主導の調整局面入りも?
6月22日(月)の日経平均
前週末の史上最高値更新から今週は182円安の7万1,067円の反落スタート。その後すぐプラスに反発し、初の7万2,000円台に乗り再び最高値を更新しました。後場になり一時は前営業日比1500円高まで上昇、7万2,500円台で推移しています。(6月22日14時現在)
先週(6月15~19日)の主要株価指数
終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 7万1,250円 +5,230円 +7.92% TOPIX 4,044.9pt +163.0pt +4.20% ダウ 5万1,564ドル +362ドル +0.71% S&P500 7,500pt +69pt +0.93% ナスダック 2万6,517pt +629pt +2.43%今週のマーケット:米国イランの和平協議の混乱で乱高下!AI関連はキオクシアHDを中心に周辺株に買いが広がる展開
今週の株式市場は乱高下の展開になりそうです。
週末にイランがホルムズ海峡の再封鎖を発表したものの、21日(日)からスイスで米国・イランの和平協議が開始されました。
しかし、イスラエル軍とレバノンの戦闘継続にいら立ったトランプ米大統領がSNSで「イランを再攻撃する」と宣言するなど事態は混とんとしています。
ただ、実際に戦闘が再開しない限り、株価に大きな影響はないかもしれません。
いまや時価総額日本一企業となった半導体メモリメーカーのキオクシアホールディングス(285A)は先週も前週末比33.7%急騰し、株価はついに10万円台に突入。
市場で100株取引するためには1,000万円以上の資金が必要なため、さすがに個人投資家の新規参入が難しくなっている点は下げ材料になりえます。
しかし、今期2027年3月期の純利益の市場予想は前期比約8.9倍の4.9兆円まで日々引き上げられており、1株当たり利益(EPS)を株価で割った予想株価収益率(PER)は12倍前後。
業績予想に対していまだ割安感があり、今期からの株主配当開始や株式分割の発表など新材料が飛び出せば、株価がさらに急騰してもおかしくないでしょう。
その他、先週、業績予想の大幅上方修正を発表したフジクラ(5803)など光ファイバーメーカー、光通信に使う半導体材料の生産能力を最大10倍に引き上げると報じられたJX金属(5016)といった電子部門向け銅箔メーカーなど、今週も新材料が出た銘柄が相場のけん引役になりそうです。
先々週に株価が調整した村田製作所(6981)が先週37.3%高と反発したコンデンサー株、6月に入って前月末比43.8%高と絶好調の東京エレクトロン(8035)など半導体製造装置株が今週、さらに続伸できるかにも注目です。
AI関連株の強気相場に死角があるとすれば、日本時間25日(木)早朝に発表される米国半導体メモリメーカーの人気株、マイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表です。
同社の2026年3-5月期の市場予想は売上高が前年同期比3.8倍、純利益は同10倍超となっており、同社の株価は好決算を見込んで先週も15.5%高。
3月末から6月18日(木)終値まで3.4倍近く上昇しているため、好材料出尽くしでいったん日米のAI関連株が調整する恐れもあります。
ただ、先週の日本株は16日(火)の日本銀行による利上げやその後の記者会見で内田真一副総裁が今後も利上げを継続していく方針を示したことをものともせずに上昇。
最近は半導体メモリで大きな世界シェアを持つSKハイニックスやサムスン電子の急騰で韓国株も日本株以上に急騰しています。
世界的なAIデータセンター向け巨額投資という「実需」で半導体関連の部材、素材で高い世界シェアを持つ東アジアの関連企業の業績は飛躍的に伸びています。
そのため、「少しでも下がったら買い」という押し目買い志向が非常に根強く、AI株上昇の勢いがすぐに止まることは考えにくいでしょう。
米国では25日(木)夜に5月の個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)が発表予定。市場予想は前年同月比4.1%という高い伸びです。
イランとの戦争や好景気による物価高騰で、米国の長期金利が再び上昇するようなら株価にとってネガティブです。
注目イベント:日銀・植田総裁発言とFRB新議長ウォーシュ氏の動向
今週24日(水)には全国信用金庫大会で病気療養中の植田和男日銀総裁のあいさつが代読されます。
市場では10月の追加利上げも警戒される中、植田総裁のあいさつが金融引き締めに積極的なタカ派色の強いものになると、株価が割高なAI関連株にも悪影響が及ぶかもしれません。
また米国の連邦準備制度理事会(FRB)新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏のもとで先週17日(水)に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、参加理事たちの今後の政策金利予想の中央値が2026年中に1回の利上げになりました。
利下げ路線から利上げ路線へ転換したことを受け、17日(水)はS&P500種指数が前日比1.21%安となるなど、米国株には一時的に動揺が広がりました。
ウォーシュFRB新議長はFOMCの声明文から今後の金融政策の見通し(フォワード・ガイダンス)を示した一文を削除するなど、市場がFRBの金融政策の先行きを「深読み」して動くことをけん制しています。
株式市場から見ると、FRBが次にどう動くか見通せなくなった分、リスクが高くなったといえ、今後もウォーシュ新議長のFRB改革が巻き起こす「ウォーシュリスク」が意識されそうです。
市場別マーケット動向
日本市場
日本市場は先週同様、AI関連株の業績上方修正や生産能力増強、株主還元や株式分割の発表など、新材料待ちの展開になりそうです。
需給面では、3月期決算企業の株主配当支払いが本格化するため、その再投資に期待が持てるでしょう。
その半面、7月に決算期を迎える東証株価指数(TOPIX)に連動する上場投資信託(ETF)の分配金支払いに向けた売り圧力もあります。
6月第2週(8~12日)の投資部門別売買動向によると、外国人投資家は日本の現物株を5,074億円売り越し。
外国人投資家の売り越しは3週連続となっており、今週もAI関連株の利益確定売りによる全体相場の乱高下に注意が必要でしょう。
米国市場
米国では、日本時間25日(木)早朝のマイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表が注目されます。
6月3日にはAI半導体メーカー、ブロードコム(AVGO)の2026年2-4月期の売上高が市場予想を下回り、競争激化懸念でAI株が一時的に売られました。
しかし、マイクロン・テクノロジーが手掛ける最先端の半導体メモリを製造できるメーカーは、世界的にも同社と韓国のSKハイニックス、サムスン電子の3社だけといわれています。
メモリ価格高騰を受けてアップル(AAPL)がiPhoneなど自社製品の値上げを計画中という報道も流れています。
メモリ価格の高騰で好業績を謳歌(おうか)するマイクロン・テクノロジー(MU)の場合、前期比10倍超の利益成長で株価上昇にもかかわらず、逆に割安度が高まっている状況です。
そのため、好決算を素直に好感して買いが続く可能性も高いでしょう。
業種・銘柄の動き
銘柄 先週の騰落率 ポイント フジクラ(5803) +21.3% 業績上方修正で19日(金)ストップ高、続伸か JX金属(5016) +33.5% 先週、半導体材料増産報道で大幅反発。 今週も勢い続くか? マイクロン・テクノロジー(MU) +15.5% 25日(木)早朝に決算発表 エヌビディア(NVDA) +2.7% 6月に入って横ばい推移。人気に陰り?アプリで投資を学ぼう
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