コンビニ3社の戦略比較(前編)/セブンイレブン・ファミマ・ローソン、客数で明暗
2026年04月20日 17:06 / 経営
大手コンビニ3社の前期(2026年2月期)業績が出そろった。チェーン全店売上高や既存店売上高は3社とも増収となった一方、客数や出店状況、加盟店利益では結果が分かれた。各項目の数値の比較から、3社の状況を探る。
チェーン全店売上高は3社とも増収、全店平均日版でローソンが猛追
チェーン全店売上は、セブン-イレブンが5兆4693億円(前期比1.9%増)、ファミリーマートが3兆3002億円(1.7%増)、ローソンが3兆223億円(4.5%増)だった。3社とも増収を確保したが、増収率ではローソンが4.5%と高くなっている。
全店平均日販では、セブンが69万9000円(7000円増)、ファミマが58万5000円(1万2000円増)、ローソンが59万8000円(2万4000円増)となった。中でもローソンは2.4万円増と大きく伸ばして、ファミマを抜いた。
既存店の「客数」でセブンとファミマが苦戦、ローソンが唯一プラスに
次に既存店の伸び率では、セブンが売上高1.2%増・客数0.9%減・客単価2.1%増、ファミマが売上高3.0%増・客数1.2%減・客単価4.3%増、ローソンが売上高4.5%増・客数0.8%増・客単価3.7%増だった。
売上高は3社とも増収だが、「客数」ではセブンとファミマが苦戦するなか、唯一ローソンだけが前期比でプラスとなった。各社のトップはこれについてどう捉えているのか。
<阿久津知洋社長>
セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の阿久津知洋社長は「客数の課題は、非常に大きい問題だと認識している」と述べる。
その上で「『高くても価値を認めていただける商品』と『日常的に買いやすい価格帯の商品』の両面をそろえ、客数の増加と単価上昇の両面で売上の向上を図っていく」との方針だ。
<小谷建夫社長>
ファミマの小谷建夫社長は、客数伸び悩みの理由について「いろいろな要因が絡んでいる。もちろん商品もそうだし、価格もそう。あるいはポイント施策であったり、販促との連動であったり、相当数の要因がある」と分析。
その上で「一つひとつに対して対策を打ちながら、検証を繰り返していく。一朝一夕にはいかないので、各分野で地道な努力を積み重ねて客数回復に努めたい」とした。
<竹増貞信社長>
一方、ローソンの竹増貞信社長は「加盟店と一緒になって基本であるQSC(品質・サービス・清潔さ)を春先からしっかりと推し進めたのが非常に大きかった」と客数増の理由を分析。
さらにAIを活用した次世代発注システム「AI.CO(アイコ=AI Customized Order)」により「品ぞろえと在庫量の面でお客様に安心していただける店づくりができた」とコメント。
店舗数はセブンとファミマが大幅に純増、ローソンは既存店重視の戦略
国内店舗数では、セブンが2万1927店舗(184店増)、ファミマが1万6415店舗(164店増)、ローソン1万4697店舗(3店増)となった。
今期の計画では、セブンは引き続き出店攻勢を仕掛け、217店舗純増(SEJ200+沖縄17)の計画だ。阿久津社長は出店エリアについて「東京を中心とした都市部は、売上や客数で他のエリアに比べて非常にポジティブな結果が出ており、強化すべきエリア」と明かす。
一方、ファミマは目標値を開示していないが、ここ数年は不採算店の閉鎖で減少トレンドにあったものの(前々期の2025年2月期は20店舗のマイナス)、前期になって大幅な純増に転じている。
また、ローソンの竹増社長は今期については「大きく純増させるよりも、入れ替えながら、ニーズのあるところに確実に出していく」との方針で、既存店の収益向上を「ファーストプライオリティ(最優先)」と断言する。
加盟店利益はセブンが2期連続の減少、ファミマ・ローソンは増加
加盟店利益でも明暗が分かれた。SEJは2期連続で減少。2024年度が前期比4.3%減、2025年度は上期が4.2%減、下期が0.7%減だった。阿久津社長は「2年間落ち続けたのは非常に大きい課題で、責任を感じている」とコメント。
セブンとは対照的に、ファミマは5年連続増加し、3年連続最高益を更新。小谷社長は加盟店利益を「当社が最も重視している経営指標」と宣言しており、好調な数値に自信を見せる。
ローソンも7年連続で増加。竹増社長は「コロナの初年度から加盟店オーナー1人あたりの利益が100%を下回ったことはない」と強調した。
取材・執筆 比木暁
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