米軍が「宇宙兵器」の配備を初公表、核の均衡を揺るがす恐れ 正体は通信妨害装置か


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 では、ほかに何があり得るだろう? 専門家の多くは、衛星通信を遮断したり妨害したりする装置ではないかと考えている。米国には宇宙ごみの発生を避けるという方針があることから、「破壊的なものではないと推測されます」とサムソン氏は言う。「おそらく宇宙ベースの妨害器でしょう」 マクダウェル氏はその位置まで推測している。最も有力なのは、地球の赤道上空約3万6000キロ地点にある静止軌道(GEO)だ。「私の推測では、宇宙軍がここ数年GEOドリフト軌道に展開してきた小型衛星の群れではないでしょうか」。静止軌道にある衛星の多くは、軍事や国家安全保障の用途を持つものだ。この高度では最近、ロシアと中国の存在感が増している。 軌道上の妨害システムは、ほかの衛星を壊滅できる兵器ほど好戦的に感じられないかもしれない。しかし、それでもなお、「冷戦終結以来、核による平和を維持してきた勢力均衡を根本から損なう」可能性があるとソーントン氏は述べている。 仮に、妨害器が標的としている衛星が、大量破壊兵器を搭載したものを含む中国やロシアのミサイルの誘導を担っているとしよう。「もし米国がこれらの誘導衛星の一部またはすべてを妨害できれば、中国もロシアも自国の核兵器を正確に誘導できる保証がなくなります」とソーントン氏は説明する。 これらはすべて推測や合理的な推論にすぎない。新たな驚きの発表がない限り、米国の軌道上兵器システムの正体や能力は当面、不明なままだろう。現段階で一つだけ確かなのは、宇宙は今や、紛れもなく戦闘の領域になっているということだ。 そもそも米国がなぜ宇宙兵器の存在を明らかにしたかもわからない。「今回の発表は、抑止のためのメッセージと見なすことができます」とソーントン氏は言う。つまり、「私たちに手を出せば、そちらの衛星はただでは済まない」ということだ。

「これが、宇宙への兵器配備を当たり前のことにしてしまうのではないかと懸念しています」とサムソン氏は言う。報告書によれば、中国とロシアにためらう様子はない。しかし、「米国が自国を守るため宇宙に兵器を配備する必要があるのなら、自分たちもそうすべきだと米国の同盟国やパートナー国が判断する可能性は十分にあります」


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 米宇宙軍の広報担当者は、配備された兵器に関する詳細を明らかにしなかった。「宇宙統制」という言葉は、資産を「攻撃的および防御的な目的」に使用することを意味し得ると述べるにとどめた。 米国の兵器をめぐる謎はあるものの、それが地上の何かを攻撃できると示唆するものは何もない。「宇宙統制兵器」という言葉は、それが何であれ、宇宙環境そのものに影響を与えるよう設計されていることを強く示唆している。 この兵器は、ほかの衛星を物理的に機能停止させたり、損傷を与えたり、破壊したりするように設計されている可能性がある。このような「運動エネルギー兵器」としては、敵の衛星などを追跡し、体当たりするように設計された小型衛星、軌道上の別の標的に向けて弾丸を発射できる衛星などが考えられる。「運動エネルギー兵器は、制御不能で危険な破片を発生させるため、極めて厄介です」とカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学教授で、宇宙研究の専門家ネットワークの共同所長を務めるアーロン・ボリー氏は述べている。 その破片は、ほとんどの衛星が位置する高度2000キロ以下の空間で、すでに深刻な問題となっている宇宙ごみをさらに増大させることになる。この「ごみ」には、使用済みロケットブースター、機能停止した宇宙機、過去の衝突や衛星破壊ミサイル実験による破片が含まれる。「2021年11月にロシアが破壊的な直接上昇型対衛星ミサイル試験を行った際、追跡可能な破片が1800個以上も発生しました」とサムソン氏は言う。標的を物理的に損傷させる軌道上の対衛星兵器も、同様の影響をもたらす可能性がある。 宇宙ごみの大きさは、大岩ほどのものから、米粒よりも小さく、事実上見えないものまでさまざまだ。これらの破片は、地球の周りをライフル弾の何倍もの速さで移動し続ける。低軌道では、大気圏に再突入するまで数カ月、数年、さらには数世紀かかることもある。 これまで危機一髪の事態が何度か起きている。多くの衛星、さらには国際宇宙ステーション(ISS)でさえ、制御不能な衛星の破片との衝突を避けるため、スラスターを噴射せざるを得なかった。 今のところ大惨事は免れている。しかし、もし宇宙に運動エネルギー兵器が存在し、それらが軌道上の衛星などを攻撃し始めた場合、連鎖反応を引き起こす恐れがある。その結果、宇宙ごみの雲が拡大し、多くの衛星がランダムに破壊されることになるだろう。

「衛星を物理的に破壊するのは得策とは言えません」とソーントン氏は述べている。その点を踏まえると、「米国の兵器は運動エネルギー型の破壊兵器ではないと思います」

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