米国がゼロ金利に戻る確率、7年で9%-NY・SF連銀が試算

Maria Eloisa Capurro

  • ウィリアムズ総裁らNY連銀とSF連銀の研究者が参加

米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利が将来的にゼロに戻る可能性を排除できないーー。ニューヨーク連銀とサンフランシスコ連銀の研究者がこのような見解を示した。研究には、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も参加した。

  7日に公開されたブログで、著者はフェデラルファンド(FF)金利が今後7年間に「ゼロ金利制約(ZLB)」に達する確率が9%あると指摘し、その背景には金利を巡る現在の高い不確実性があると分析した。

  ウィリアムズ氏と共著者は「過去10年間と比べ、現在のデータは将来の予想金利が相対的に高い水準にあることを示している」と記した。「しかし、最近の不確実性の高まりにより、中長期的にはゼロ金利制約に直面するリスクは依然として顕著で、2018年と同程度だ」と指摘した。

  「経験的に見て、金利の予想水準の変動がゼロ金利制約リスクの主な決定要因であるようだ」と付け加えた。

  FF金利と密接に連動する担保付翌日物調達金利(SOFR)など、主要な短期金利の見通しを反映した金利デリバティブの分析が、この研究の基礎となっている。

  研究では、今後2年間に政策金利がゼロに達する確率は1%となった。

  連邦公開市場委員会(FOMC)は2008年の世界金融危機の際、景気刺激策の一環として政策金利を0-0.25%のレンジに引き下げた。この超低金利政策は7年間にわたり維持された。その後、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、金利は再びゼロ近辺に急低下し、その後2年間、その水準を維持した。

  コロナ禍後のインフレ高進と高成長により、金融政策がゼロ金利制約の下で機能不全に陥っていた時代が終わったとの見方も一部にあるが、政策当局者とエコノミストの間では、こうした見解に慎重な見方が根強い。

原題:Fed Study Finds 9% Chance of Rates Hitting Zero in Medium Term(抜粋)

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