謎の健康被害「ハバナ症候群」に関連か、米当局が秘密作戦で装置を入手
国防総省の建物に翻る米国旗=2025年9月19日/ Daniel Becerril/Reuters/File
(CNN) 米国の情報機関員や外交官、兵士が「ハバナ症候群」と呼ばれる原因不明の体調不良に襲われた問題で、米当局が一部の捜査関係者の間で原因とみられている装置をひそかに購入し、米国防総省が1年以上にわたって試験を続けていることが分かった。事情に詳しい情報筋4人が明らかにした。
情報筋2人によると、国土安全保障省(DHS)傘下の国土安全保障捜査局(HSI)がバイデン政権の終盤、国防総省から提供された資金を使ってこの装置を購入した。
当局者が支払った金額は「8桁」に上るというが、それ以上に具体的な金額は明らかにしなかった。
この装置については依然として調査中。原因不明の異常な健康被害数十件との関連についても議論が続いており、一部の政府関係者の間では懐疑的な見方もある。
CNNは国防総省やHSI、DHSにコメントを求めている。CIA(中央情報局)はコメントを控えた。
情報筋の1人によると、HSIが入手した装置はパルス状の電波を発生させるものだという。一部の当局者や研究者の間ではかねて、これが体調不良の原因ではないかと推測する声が出ている。
情報筋はまた、装置は完全にロシア製ではないが、ロシア製の部品が含まれていると付け加えた。
装置に関する説明を受けた情報筋によると、当局者は長年、一部で報告されている健康被害を引き起こすほど強力な装置がどうすれば携帯可能になるのかという点に頭を悩ませてきた。この点は今も核心的な疑問点となっている。
今回の装置はバックパックに収まる大きさだという。
装置の入手を受け、米政府内ではハバナ症候群を巡り、痛みを伴う激しい議論が再燃している。ハバナ症候群は正式には「異常健康事象」と呼ばれる。
この不可解な疾患が初めて明るみに出たのは2016年後半。キューバの首都ハバナに駐在していた米外交官の一団が、めまいや激しい頭痛など、頭部の外傷と一致する症状を訴えた時のことだ。
その後、世界各地で症例が報告されている。
米国の情報機関と国防総省は以後10年にわたり、外国政府による何らかの指向性エネルギー攻撃の被害を受けた可能性がないか解明を試みてきた。情報機関の高官は、そうした結論を裏付ける十分な証拠はないと指摘。一方、被害者らは、米政府は自分たちを欺いており、ロシアが米政府職員を攻撃していたことを示す重要な証拠を無視していると訴えている。
CNNはHSIがどこで、誰からこの装置を購入したのか確認できなかったが、HSIは世界各地の作戦で国防総省と協力してきた実績がある。HSIは税関関連の犯罪を捜査する幅広い権限を有し、その中には米国の管理下にある技術や専門知識の海外拡散を巡る捜査も含まれる。