2026年版「海外移住で選ぶべき国」ランキング モナコ首位で米国は54位に

Nomad Capitalistが新たに発表した「2026年版 世界で最も住みやすい場所63選」によると、2026年、世界で最も住みやすい場所はモナコである。同インデックスは、世界各地の63の国・地域を評価した。 stock.adobe.com(フォーブス ジャパン編集部)

2026年に最も住みやすい国はどこか。新たな世界ランキングから驚くべき結果が明らかになった。起業家や投資家の海外移住、居住権・市民権の取得、節税戦略を支援するNomad Capitalistが、初の「2026年版 世界で最も住みやすい場所63選(2026 Nomad Lifestyle Index)」を発表した。同社でプロダクト部門を率いるカティア・ゲルバキアニによると、幸福度や物価の安さ、生活の質(QOL)に重きを置く従来の「住みやすい街・国」ランキングとは異なり、このインデックスは海外移住を検討している人にとって何が魅力的かを、より広範な視点から評価しているという。「大半のランキングは、すでにその地に住んでいる人々の生活を評価しています。それに対して当社のインデックスは、国境を越えて移動する人が実際に何を得られるかを数値化しています。そのため、自然環境、安全性、生活の質と並んで、税制や法的な居住権獲得プロセスがスコアの40%を占めます」とゲルバキアニは取材に語った。「これにより、単一の総合スコアでは見えてこない事実が浮かび上がってきます。五つの評価基準において、それぞれ異なる国が首位に立っているのです」■Nomad Capitalistによるランキングの算出方法Nomad Capitalistはランキング作成にあたり、63の国・地域を対象に「自然・気候」「税制」「居住権・アクセス」「安全性・自由度」「生活の質・インフラ」という均等に配分された五つのカテゴリーで評価を行った。各カテゴリーが総合スコアの20%を占める。

調査には、世界保健機関(WHO)のデータ、世界平和度指数、空気質の改善を手掛けるIQAirのレポート、イェール大学の環境パフォーマンス指数、ライフスタイル・データベースサイト「Numbeo」、通信速度測定ツール「Ookla Speedtest」といった組織やデータベースのデータに加え、Nomad Capitalist独自の税務調査、移動の自由度をランク付けした「パスポート・インデックス」「フリーダム・インデックス」が用いられた。研究者は基礎データを100点満点のスコアに変換し、五つのカテゴリーの平均値を算出することで総合順位を決定した。


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対象となった63の国・地域は、Nomad Capitalistの顧客層が関心を寄せる場所に基づいて選出された。今回のインデックスは初公表となるが、これは2019年、2021年、2024年に35の沿岸地域を対象に作成された同社の「ビーチ・インデックス」を発展させたものだ。「モナコ、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポールなど、顧客から最も問合せの多い場所がビーチ中心のリストには含まれていなかったため、対象を63カ国・地域に拡大しました」とゲルバキアニは述べる。また、新しいインデックスは優先順位の変化も反映している。従来のビーチ・インデックスが自然の美しさを重視していたのに対し、今回のインデックスでは、税制や居住権といった実用的な要素にも同等の比重を置いている。■2026年に最も住みやすい国・地域、上位3カ国は接戦では、どの国・地域が首位に立ったのだろうか。1位はモナコで、僅差でアンドラとUAEが続いた。マルタ、ポルトガル、キプロスも上位6カ国に入り、ヨーロッパ勢が上位を独占した。一方で、米国は63カ国中54位という驚くべき結果となった。総合1位はモナコだが、トップ争いはきわめて接戦だった。モナコ、アンドラ、UAEの差はわずか0.74ポイントであり、事実上の同率と言える。「モナコは生活の質(100.0)、アンドラは安全性と自由度(96.0)、UAEは税制(96.0)で首位に立ち、3カ国の差はわずか0.74ポイントです。そのため、最高のインフラを求めるか、死角のない環境を求めるか、あるいは税負担を最小限に抑えたいかによって選択肢が変わってくるでしょう」とゲルバキアニは話す。フレンチ・リヴィエラに位置する小さな公国モナコは、総合スコアで73.89を獲得した。これは、63カ国で唯一「生活の質・インフラ」カテゴリーで満点を獲得したことが大きい。安全性や税制でも極めて高い評価を得ているが、自然環境や居住権の取得やすさでは大幅に順位を落とした。フランスとスペインの間に位置するピレネー山脈の小国アンドラは、73.68ポイントで僅差の2位となった。最大の強みは安全性と自由度で、スイスやリヒテンシュタインといった評価の高い他の欧州諸国を上回る96ポイントを獲得した。生活の質の突出したスコアに大きく依存するモナコとは異なり、アンドラは複数のカテゴリーでバランスよく高スコアを獲得している。

UAEは極めて有利な税務環境に支えられ、73.15ポイントで3位となった。個人所得税が存在せず、条件や控除が適用される法人税率も9%にとどまり、広範な国際租税条約ネットワークを有するため、要件を満たす居住者には多大な財務上のメリットをもたらす。


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しかし、これらの上位国が移住しやすい場所とは限らない。ゲルバキアニによると、UAEは約54万5000ドル(約8610万円)からの不動産投資など、要件を満たす投資ルートを通じて10年間の「ゴールデンビザ」を提供している。アンドラには最低100万ユーロ(約1億7800万円)のアンドラ資産を要する居住枠があり、モナコでは通常、居住申請前に現地の銀行へ多額の資金を預金することが求められる。こうした違いは、インデックスの主要な発見を浮き彫りにしている。すなわち、万人に当てはまる理想的な移住先は存在しないということだ。最良の選択肢は、個人の優先順位、財務状況、そして海外で生活基盤を築くための現実的な要件によって決まる。■税制、安全性、気候、生活の質で優れた国2026年版インデックスにおける最も興味深い発見の一つは、五つのカテゴリーすべてで圧倒的な強さを示す国・地域が存在しない点だ。実際、カテゴリーごとに首位を獲得した国が異なる。パナマは「自然・気候」で73.6のスコアを獲得し首位に立った。この中米の国は、インデックスの指標によると、きれいな空気と異常気象への長期的なリスクの低さが評価された。しかし、自然環境の優位性と83という高い税制スコアにもかかわらず、パナマの総合順位はトップ10をわずかに逃す11位となった。「パナマは対極的な例です。自然と気候で首位に立ちながら総合11位にとどまったのは、生活の質のスコアが40.6だからです」とゲルバキアニは解説する。UAEは「税制」で96ポイントを獲得し首位となった。優遇された税制、個人所得税の不存在、二重課税防止条約のネットワークは、起業家や投資家にとって特に魅力的だ。マルタは「居住権・アクセス」のカテゴリーで95ポイントを獲得し首位を獲得した。この地中海の島国は、強力なパスポートランキング、複数の居住ルート、そして長期の居住要件を課す国々に比べて比較的取得しやすい市民権へのルートを有している。個別要件は異なるものの、報告書では五つの居住ルートと5年の帰化期間が提示されている。

アンドラは「安全性・自由度」で最高となる96を獲得し、スイス(92.7)やリヒテンシュタイン(92.1)を上回った。この実績は、居住権アクセスのスコアが比較的低めであるにもかかわらず、この欧州の小国が総合2位にランクインした理由を説明している。


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一方、モナコは「生活の質・インフラ」で100点満点を獲得して圧勝した。このカテゴリーでは、平均寿命やインターネットの接続性、生活費、その他の広範な生活の質に関する指標が評価される。モナコの自然・気候スコアがインデックス平均を下回るわずか44.6であることを考えると、この実績は特に目立っている。また、調査結果からは顕著なトレードオフも明らかになっている。総合3位のUAEは、評価対象国の中で最も大気汚染が深刻だった。「大気質がインデックス中最悪(PM2.5の濃度が36.4マイクログラムであり、同小項目でゼロ点評価)であるにもかかわらずUAEが3位に入ったことは、税制と居住権が国・地域の評価をどれほど引き上げ得るかを示しています」とゲルバキアニは指摘する。一方、海外移住を考える米国人の間で人気のあるメキシコは、安全性・自由度のスコアが低かったため、総合61位にとどまった。■起業家・事業主にとって最も住みやすい国起業家や投資家にとって、税制と法的居住権を確立できるかどうかは特に重要視される事項だ。ゲルバキアニは、有利な税制政策と現実的な居住選択肢を兼ね備えた国・地域をまず検討することを勧めている。「まずは、事業や生活の拠点を築くことができる最も強力な税制優遇国から始めるとよいでしょう。UAE、シンガポール、香港が該当し、欧州に拠点を置きたい場合はマルタやキプロスが選択肢となります」と彼女は言う。シンガポールと香港は総合順位こそそれぞれ7位と16位だが、税制スコアの高さで特に注目されている。マルタとキプロスは、欧州で拠点を探している人々にとっての代替案となる。

ただし、ゲルバキアニはこのランキングが海外での事業運営のあらゆる側面を評価しているわけではないと強調する。「事業の内容によって状況は変わります。このインデックスは個人の税金と居住権獲得ルートを評価するものであり、事業環境そのものを評価するものではありません。そのため最終的な選択は、専門のアドバイザーと相談の上、顧客がどこにいるか、どのように報酬を受け取るかを基準に行うべきです」


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■米国の順位がこれほど低い理由本報告書における最大の驚きの一つは、米国の順位が総合スコア46.33で54位にとどまったことだ。報告書によると、米国のスコアを押し下げている最大の要因は、税制と安全性である。評価対象国の平均税制スコアが58.6であるのに対し、米国の税制スコアはわずか23だった。また、安全性・自由度のスコアも平均の61.9に対して49.5となっている。米国は生活の質・インフラの項目では比較的良好で、インデックス平均の50.8を上回る57.4ポイントを獲得した。しかし、その優位性は他のカテゴリーでの弱さを補うには不十分だった。本報告書で振るわなかった主要欧米経済国は米国だけではない。英国は47位、カナダは48位となっている。■2026年に米国人が注目する移住先このインデックスは、米国人の海外生活に対する考え方の変化もうかがわせる。モナコ、アンドラ、UAEが総合インデックスで首位を走る一方で、Nomad Capitalistは他の地域、特に東南アジアや中南米に対する関心の高まりも捉えている。「優れたビジネス環境、魅力的なライフスタイル、柔軟な居住ルートを提供する目的地を求めて、米国人クライアントの間で東南アジア、特にマレーシアやタイ、さらには中南米のパナマへの関心が高まっています」とゲルバキアニは述べる。もう一つの変化は、米国人が必ずしも永久移住を目指しているわけではない点だ。財務面やライフスタイル上の柔軟性を確保する手段として、海外拠点や第二の居住権を確保する可能性を模索する人が増えている。「前年と比較して、単なる移住ではなく、戦略的な『プランB(代替案)』の構築に重点が置かれるようになってきました。クライアントは、二重課税を可能な限り回避するため、外国税額控除や適用可能な二重課税防止条約、現地の税制が米国の納税義務とどのように相互作用するかに細心の注意を払っています」とゲルバキアニは語る。

Nomad Capitalistによる「最も住みやすい国」総合ランキングの詳細は以下の通り。全63カ国の詳細レポートは同社のウェブサイトで閲覧可能だ。


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■ランキング:2026年に最も住みやすい国・地域1.モナコ2.アンドラ3.アラブ首長国連邦(UAE)4.マルタ5.ポルトガル6.キプロス7.シンガポール8.ケイマン諸島9.ニュージーランド10.スイス11.パナマ12.セーシェル13.アイルランド14.リヒテンシュタイン15.チェコ16.香港17.モーリシャス18.エストニア19.ルクセンブルク20.ラトビア21.マレーシア22.ウルグアイ23.コスタリカ24.ギリシャ25.アイスランド26.オーストラリア27.セントクリストファー・ネービス28.フィンランド29.スウェーデン30.プエルトリコ31.デンマーク32.アンティグア・バーブーダ33.ノルウェー34.バハマ35.ジョージア36.カーボベルデ37.オーストリア38.台湾39.日本40.リトアニア41.クロアチア42.スペイン43.セントルシア44.ボツワナ45.ベリーズ46.モンテネグロ47.英国48.カナダ49.ニカラグア50.オランダ51.タイ52.ポーランド53.ホンジュラス54.米国55.グレナダ56.アルバニア57.バヌアツ58.ドミニカ共和国59.フィリピン60.ドミニカ国61.メキシコ62.インドネシア

63.セントビンセントおよびグレナディーン諸島

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