世界に広がる「男性差別」論 高市一強を生む時代の空気 田中東子氏

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毎日新聞 2026/3/6 06:00(最終更新 3/6 06:00) 有料記事 3815文字
米原子力空母ジョージ・ワシントンの艦内でトランプ米大統領(右)に紹介され、兵士たちの歓声に応える高市早苗首相=神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地で2025年10月28日午後4時19分、後藤由耶撮影

 2017年に米国で始まった「#MeToo」運動からおよそ10年。SNSで性被害を告発し連帯する女性たちの運動は日本にも広がり、刑法性犯罪の厳罰化やハラスメントの規制強化にもつながった。

 しかし今、女性に対するデジタル性暴力が深刻な世界的課題として浮上している。

 「表には出せない憎悪や差別感情がオンライン上で噴出し、女性に沈黙を強いかねない空気が広がっています」

 東京大の田中東子教授(メディア文化論)は、こうした時代の空気は、高市早苗氏が日本初の女性首相として高い支持率を誇る政治状況ともつながっていると示唆する。【山本萌】

 3月8日は国際女性デー。ジェンダー平等への取り組みが進む一方で、女性への暴力はやまず、フェミニズムへの反発も顕在化しています。背景を考える記事を随時掲載します。 この記事には関連記事があります。

 「女性活躍はやり過ぎ」が本音? Z世代の男性「保守化」の深層心理

#MeToo運動への「反動」?

 17年に始まった「#MeToo」運動では、SNSで女性の性被害の告発が爆発的に拡散され、加害者に責任を問う動きが強まった。

 日本では女性活躍施策と相まって、女性の人権や社会的地位の改善が必要という認識が社会で広く共有されるきっかけにもなった。

 「リアルの世界では、表だって『なぜ重要な役職を女性に任せるんだ』と口にしたり、あからさまなセクハラをしたりする人は少なくなりました」

 一方で、SNS上では、性被害や不当な扱いを訴える女性に対する誹謗(ひぼう)中傷や攻撃の声が近年激しさを増している。

 「表には出せないような憎悪や差別感情が、オンライン上では吹き荒れるようになっています」

デジタル性暴力 世界的課題に

 SNSでの嫌がらせやジェンダー差別的なヘイトスピーチ、リベンジポルノ、人工知能(AI)による性的ディープフェイクなどデジタル性暴力の深刻化は、世界的な課題でもある。

 国連が24年10月に発表した「女性・女児への暴力に関する事務総長報告」などによると、欧米では18~55歳の女性の23%、東欧と中央アジアでは18歳以上の女性の50%以上がデジタル性暴力を経験。また、女性ジャーナリストの73%、アジア太平洋地域の女性議員の60%が被害を受けているとの調査結果もあるという。

 事務総長報告は、オンライン空間の新たな課題として、女性の権利に対するバックラッシュ(反動)の高まり▽生成AIの急速な普及▽「マノスフィア」の拡大――の3点を指摘する。

  <後半で読める内容> ・マノスフィアという新たな潮流 ・若年層に浸透する「男性差別」論 ・高市首相ににじむ「男尊女卑」

 ・不当な攻撃なき言論空間を

「ジェンダー平等は男性差別」

 この「マノスフィア」…

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