2日間で4件のサメ襲撃、オーストラリアのビーチが今年これほど危険な理由は

シドニーのディーワイ・ビーチ。サメによる襲撃が相次いだことを受け、オーストラリア東岸で閉鎖された約40のビーチのうちの1つだ/JEeremy Piper/Reuters

ブリスベン(CNN) オーストラリアの夏休みといえば、例年は大勢の人がビーチに詰めかける。しかしこの夏は人口が最も多いニューサウスウェールズ(NSW)州でサーファーらが相次いでサメに襲われ、専門家が警戒を呼びかけている。

NSW州では48時間で4件のサメ襲撃が相次いだことを受け、約40のビーチが閉鎖された。いずれも大雨の後に河口付近の濁った水に集まるオオメジロザメだったと思われる。

沿岸部の水の温かい場所に生息しているオオメジロザメは、夏になると同州シドニーの海岸近くに移動する。専門家によると、先の週末、シドニーは記録的な豪雨の影響で、サメと人が遭遇しやすい条件が整っていた。

オーストラリアのシドニーにあるディーワイ・ビーチで、ライフガードたちがサーファーを襲ったサメの捜索を試みている様子=1月19日/Jeremy Piper/Reuters

「サメの目撃情報や、人がサメにぶつかられたという報告はたくさんある。しかし人がサメに襲われる事案が4件も起きるのは極めて異例だ」。同州ライフセービング団体のスティーブ・ピアス代表はそう語る。

オオメジロザメは淡水でも海水でも生息できる。大雨によって河口から海に餌が流れ込むとその餌を追い、水が濁ってほとんど何も見えない状態の中でかみついて捕食する。

18日に12歳少年がシドニー湾に飛び込んだ場所にも、そうしたオオメジロザメが潜んでいた。

18日にサメに襲われた際。12歳の少年と友人たちが海に飛び込んでいた岩棚/Angus Watson/CNN

この少年をはじめ、今回サメに襲われた人は4人に上る。水の濁りが消えてオオメジロザメがいなくなるまでは、犠牲者がさらに増える可能性もあると専門家は予想する。

公園やビーチが大勢の人でにぎわう1月26日の「オーストラリア・デー」の祝日にかけては、気温の上昇が予想される。

「閉鎖されていようがいまいが、みんなが海に入ることは分かっている」とピアスさんは言い、「ビーチの閉鎖には理由がある。遊泳もサーフィンも慎んでほしい」と呼びかけた。

サメに襲われた12歳の少年は現場で両脚の止血措置を受けて病院に搬送されたが、今も重体となっている。翌19日にシドニー北郊マンリーのビーチでサメに襲われた25歳のサーファーも重体となった。このビーチも観光客に人気がある。

19日には11歳のサーファーも、オオメジロザメと思われるサメにサーフボードを食いちぎられる被害に遭っていた。11歳児にけがはなかった。

11歳の年のサーフボード。少年は無傷だった/Manly Observer

その翌日は、NSW州ミッドノースコーストでサーフィンに出かけた男性のボードにサメが襲いかかった。警察によると、男性は軽傷を負って病院で手当てを受けた。

それでもサーフィンへ

そうした襲撃が続く中でも、ビーチに出かける人は絶えない。

閉鎖されていなかったシドニーのボンダイビーチで20日にサーフィンをしていたロブ・ウェストさんは「13歳の時からサーフィンをしているけれど、サメは見たことがない。相手はいつも私を見ていて、私が何なのかちゃんと分かっているのだろう。私はアザラシには見えないから襲わない」とCNNに語った。

北部のビーチは閉鎖されてライフセーバーが配備され、ドローンやヘリコプターも出動して沿岸部の監視を続けている。

グリフィス大学のビンセント・ラウル講師によると、大雨の後、水が澄んでオオメジロザメの危険が少なくなるまでには最大で1週間かかることもある。

海水と淡水が混じって水が濁った場所では、オオメジロザメは視覚に頼らず、物をかむことで周囲の状況を感じ取る。「大型のサメが人をかんだ場合、命取りになりかねない」ラウル講師。そうした危険を認識してもらうため、啓発に力を入れる必要があると指摘している。

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