過去の人類が目撃した世紀の天体ショー4選(宇宙ヤバイchキャベチ)
どうも、宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。今回は「人類が経験した明るすぎる天体現象4選」というテーマで動画をお送りしていきます。
宇宙では恒星の爆発などによって、一時的に桁違いの明るさになる現象が起きます。
多くは遠方で起きるため目立ちませんが、人類史には肉眼で誰でも確認できるほど明るく見えた記録がいくつも残っています。
今回はその代表例を4つ紹介します。
●イータカリーナの大増光(19世紀の「大爆発」)
Credit:ESO/L. Calçadaりゅうこつ座イータ星(イータカリーナ)は、少なくとも二つの恒星からなる大質量連星系で、地球からおよそ7,500光年の距離にあります。
1843年ごろに主星が大爆発を起こし、南天でシリウスに次ぐ明るさまで増光したと記録され、見かけの等級はおよそ−0.8前後に達したと推定されています。
現在は南半球では肉眼でも見える明るさですが、日本(北半球中緯度)からは見えません。
Credit:ESA/Hubbleこの爆発で放出された物質は双極形状の「人形星雲」を形成し、今日も秒速数百km規模で膨張を続けています。
●SN 1054(かに星雲の起源)
Credit:ESA/Hubble1054年におうし座の方向で起きた超新星爆発で、中国の宋史などに「昼間23日間見え、夜は約653日見えた」との記録が残っています。
推定の極大等級は約−6で、昼間でも肉眼で見えたことと整合的です。
現在観測される残骸が有名な「かに星雲(M1)」で、地球からの距離は約6,500光年、星雲全体の見かけ等級は約8.4です。
中心には直径約20km、質量が太陽の約1.4倍(地球の約46万倍)の中性子星「かにパルサー」が存在します。
●SN 1006(記録上もっとも明るい超新星)
Credit:ESO/L. Calçada1006年におおかみ座で起きた超新星で、極大等級は推定−7.5です。
各地の記録には「夜でも地上に影を落とした」「読書できた」などの表現があり、史上最も明るく見えた超新星として知られます。
距離は約7,000〜7,200光年。
残骸は現在直径およそ60光年規模にまで広がり、衝撃波は数千km/sで進んでいることがX線観測などから示されています。
タイプはIa型(白色矮星が臨界を超えて爆発)と考えられますが、単独伴星からの降着か、白色矮星同士の合体かについては議論が続いています。
●1965年の大彗星(池谷・関彗星 C/1965 S1)
Credit:ESA & NASA1965年に日本の池谷薫さんと関勉さんが発見した彗星で、近日点は太陽中心から約116万km、太陽の可視表面(光球)からの高さはわずか約46万6千kmと推定されます。
最大時の明るさはおよそ等級−10〜−11に達し、日中でも肉眼で確認できるほどでした。
満月の明るさ=約−12.7に対して、およそ1/10程度の明るさです。
https://chandra.harvard.edu/photo/1999/0099/0099_context.html チャンドラ天文台https://science.nasa.gov/mission/hubble/science/explore-the-night-sky/hubble-messier-catalog/messier-1/ NASA Sciencehttps://www.nasa.gov/universe/supernova-remnant-sn-1006/ NASAhttps://www.britannica.com/topic/Comet-Ikeya-Seki
YouTubeで登録者数29万人「宇宙ヤバイch」で最新ニュースなどを解説しています。/23歳で北海道大学経済学部に入学→29歳で卒業/書籍「宇宙ヤバイ スケール桁違いの天文学」好評発売中/北海道札幌市でキャベチによる生解説が聞けるバー「宇宙ヤbar」営業中/好きな天体は海王星とブラックホール!