川村被告、社会に出られる確率「ほぼないと思う」解剖医は「救急車を呼んでいたら助かった」 | ニュース | STV札幌テレビ
北海道江別市で、男子大学生が集団暴行をうけ死亡した事件の裁判員裁判で6月1日、大学生を司法解剖した医師が出廷し、金品を要求した後の暴行が「死に関わっていると考えられる」と証言しました。
強盗致死などの罪に問われているのは、川村葉音被告(21)と滝沢海裕被告(当時18)、少年(当時16)のあわせて3人です。
起訴状などによりますと3人は2024年10月、江別市の公園で長谷知哉さん(当時20)と交際していた八木原亜麻被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させた上、現金やカードを奪うなどしたとされています。
3人はいずれも起訴内容を認めていて、量刑が最大の争点となっています。
6月1日の裁判員裁判では、被害者の長谷さんを解剖した医師が検察側の証人として出廷し、けがの状態などについて証言しました。
【検察から解剖医への質問】
Q.死因の外傷性ショックとは?
A.外傷によって全身に血液が送れなくなることで死に至る
Q.どのくらいの血液を失うとそうなる?
A.全身の20~30%程度
Q.最も出血が激しかったのはどこか
A.頭部と顔面。皮膚の下には出血して血が厚みのある状態になっていた。血腫も見られた。
Q.くも膜下出血なども見られたというが、どのような状況で発生したのか
A.頭部や顔面に強い打撃が加えられ、頭部が揺さぶられて血管が損傷したことで発生した。
Q.くも膜下出血は死因ではないのか?なぜか
A.くも膜下出血自体は死に至らない。出血はあるものの、脳ヘルニアではなく、死因になるほどの出血ではなかった。
Q.何回くらい衝撃があったのか
A.頭部と顔面の全体に出血があった。数十回以上は打撃が加えられたと考えられる
Q.頭部や顔面の次に出血しているのはどこか
A.背中。ほぼ全体が出血している。見えない部分では右腎臓の損傷と腰椎の骨折が認められた。腎臓は損傷して裂けていた。
Q.どんな暴行によってできた?
A.腰の右を蹴られる、踏まれるなどでできたとみられる。
Q.胃の粘膜にも出血があった?
A.暴行を受けたストレスの結果、胃の粘膜からも出血したとみられる。
Q.心臓はどうだったか
A.心臓は健康そのものだったが、左心室に出血が見られた。血液が体からなくなっても心臓は動き続けるので、心臓の内側が擦れて出血が生じる。
(検察官が第一暴行時、第二暴行時、第三暴行時、検視時の被害者の画像・動画を証人に示す)
※第一暴行は金品要求前の暴行、第二・第三暴行は金品要求後の暴行
Q.第三暴行時の被害者が土下座をする動画をどう見ますか?
A.座っている姿勢を維持できなくなってきていることや、やっと話している感じなので、脳に障害が生じていてもおかしくない。
Q.髪などを燃やされた際に、被害者が動いていない理由は?
A.頭部や顔面の打撲で弱り、反応が鈍くなっていた可能性がある。
Q.第一暴行(金品を要求する前の暴行)で死亡する可能性はあるか
A.ないと思います。第一暴行で死亡するような暴行を受けたら、第二・第三暴行は意識が無かったりする。(第二・第三暴行で撮影された動画での長谷さんの様子から)第一暴行の際に死ぬような外傷を受けていないと思う。
【裁判員・裁判官からの質問】
Q.頭部や顔面からの出血量は全体のどのくらい?
A.出血量全体の6~7割ほどとみられる。
Q.暴行終了後に救急車を呼んでいたら助かる可能性はあった?
A.あると思います。速やかに救急車を呼び、輸血されると生命は十中八九助かったと思う。脳に障害が残る可能性はあるが。
Q.ストレスによる胃粘膜の出血は日常的なものではない?
A.急性の浅い出血のように見受けられた。日常のストレスならば、胃潰瘍のようになるが、そうではなく、点状の浅い出血だった。
Q.改めて暴行と死亡の関連は?
A.被害者の顔などの状況や、犯行時の動画などから、第一・第二暴行の時は死亡するようなことは考えられない。第三暴行時の動画では、急速な顔の出血が認められるなど、第三暴行が死に関わっていると考えられる。
Q.第一・第二暴行も関係はある?
A.もちろん積み重ねになるので関与はしている。
札幌地裁は6月3日、3人に対し「強盗致死罪が成立する」との判断を示し、分離して審理が進められています。
検察は6月5日、「自らの意思で暴行を加え、金品も要求したと評価するほかない」として、川村被告に無期懲役を求刑。
一方、弁護側は「川村被告の暴行は死への寄与度が低い」「6人の中で発言力が低く、川村被告の発言を誰も気にしていなかった」として、懲役13年の有期刑を求めました。
川村被告は被告人質問で、「カードを奪って自分や被告たちのためにタバコを買ったこと、キャッシュカードを奪って許可なくお金を奪ったこと。大切な命を奪ってしまい申し訳ありません」と声を震わせながら遺族に謝罪。
また、「社会に出られる確率は、ほぼないと思っています」と述べました。
判決は6月25日に言い渡されます。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。