FRB「労働市場は均衡状態」、移民の減速に言及-金融政策報告
Jonnelle Marte
- 「労働力供給は過去数年と比べると力強さ欠く」、参加率もやや低下
- 雇用は「緩やかな」ペースで増加、失業率は低水準にとどまっている
米連邦準備制度理事会(FRB)は、移民の急激な減少で労働力の供給が減速しており、雇用の伸び鈍化に伴い労働市場の均衡が保たれているとの見解を示した。
FRBは20日に公表した半期に一度の議会向け金融政策報告で、「労働力供給は過去数年と比べると力強さを欠いている。移民が昨年半ば以降に急減したように見受けられるほか、労働参加率もやや低下した」と指摘した。
同報告では労働市場について「堅調な状態」にあるとし、雇用は「緩やかな」ペースで増加しており、失業率は低水準にとどまっていると記述。「労働需要は過去数年にわたって徐々に緩んできており、さまざまな指標で労働市場が均衡状態に入り、新型コロナウイルス禍前ほど逼迫(ひっぱく)していないことが示唆されている」と続けた。
こうした恩恵は広範に及んでいるようで、失業率は過去1年間にわたり安定推移が続き、年齢や学歴、性別、人種・民族に基づくさまざまな労働者層で比較的低水準にとどまっているとFRBは分析した。
その上で、金融政策は好位置にあり、景気見通しが一段と明確になるのを待つことができるとするパウエルFRB議長ら米金融当局者の見解を改めて表明した。
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原題:Fed Says Labor Market Balanced, Points to Immigration Slowdown(抜粋)
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