NY市場サマリー(9日)ドル反落、利回り低下 株反発
<為替> 終盤の取引でドルが円やユーロなどの主要通貨に対して下落に転じた。トランプ米大統領が対イラン作戦は「ほぼ完了している」と述べたことを受け、世界的なエネルギー供給懸念や景気下押し観測が和らいだことが背景。 トランプ氏の発言が伝わるまでは、イランを巡る中東での軍事攻撃の応酬を背景に原油価格が急騰する中、有事のドル買いが入り、ドルは主要通貨に対して上昇していた。 トランプ大統領はCBSのインタビューで「戦争はほぼ完全に終わったと思う。イランには海軍も通信部隊も、空軍も存在しない」とし、当初想定していた4─5週間よりもかなり早く進んでいると語った。エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡については、現在は再開していると主張し、「管理下に置くことを考えている」と述べた。 バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「期待感から相場が動いた」とし、「実際に攻撃の応酬が終わるならドルは下落し、株価は上昇する」と予想。ただ、「現時点ではトランプ氏の発言の意味がどこまで確かなのか分からない」とし、「市場では期待感が出ているが、肩透かしを食らえば、相場は今晩にも再び反転する可能性がある」とも述べた。 終盤の取引でドル/円は0.1%下落。この日の取引の大半では円安・ドル高が進み、一時1ドル=159円台に迫っていた。 ユーロ/ドルは0.1%高の1.1630ドル。ユーロは一時3カ月ぶりの安値となる1.1505ドルまで下落していた。 英ポンドも反転し、対ドルで0.1%高。一時は0.3%下落していた。 イランは9日、米国とイスラエルによる攻撃で殺害されたハメネイ師の後継となる新たな最高指導者に次男のモジタバ・ハメネイ師を選出。攻撃開始から1週間が経過したあとも強硬派による体制掌握が続いていることが示される中、中東での軍事攻撃の応酬を背景に原油価格が急騰したほか、株価が下落するなどの動きが出ていた。 マネックスUSAのトレーディング部門責任者、フアン・ペレス氏は「混乱が広がる世界ではドルは常に安全資産として強みを発揮する」とし、「米国がいかなる軍事的優位性を示す場面でもドルが強含む傾向にある」と述べていた。 市場関係者はアジア諸国は中東産の原油と天然ガスの依存度が高いことから、今回のエネルギーショックで最も大きな打撃を受ける可能性があると指摘。INGのアジア太平洋地域リサーチ責任者ディーパリ・バーガバ氏は「価格がどこまで上昇し、どの程度長期にわたり高止まりするかが問題だ」とし、「軍事攻撃の応酬が長期化すれば、アジア全域でインフレ圧力が一段と高まる恐れがある」とした。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが低下した。原油価格の上昇幅が縮小したことや、トランプ米大統領がイランでの軍事作戦が「ほぼ完了した」という考えを示したことが背景。 トランプ大統領はCBSとのインタビューで、「戦争はほぼ完全に終わったと思う。イランには海軍も通信部隊も、空軍も存在しない」とし、当初想定していた4─5週間よりもかなり早く進んでいると語った。nL6N3ZX1FO ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネージング・ディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は「この動きの大半は原油価格がけん引した」と語った。また、ヘッジファンドが損失を抱えたポジションの解消を迫られているとの報道を指摘し、米国債も欧州の利回り急上昇と利回り曲線の平たん化の動きに追随していると述べた。 2年債の利回りは0.4ベーシスポイント(bp)低下の3.552%。一時は11月20日以来の高水準となる3.635%に達した。 指標となる10年債利回り は、一時2月9日以来の高水準となる4.216%を付けたが、終盤は3bp低下し4.102%となった。 2年債と10年債の利回り格差は約2bp縮小して55bpとなった。 フェデラルファンド(FF)金利先物は現在、7月の利下げ確率を77%織り込んでいる。序盤の67%から上昇した。9月の利下げは完全に織り込まれている。ただ年末までに織り込まれている利下げ幅はわずか42bpであり、FRBが年内に2度目の25bp利下げを行うかどうかについて、疑念が高まっていることを示している。 モルガン・スタンレーの金利ストラテジストは「投資家はイランの最近の出来事に反応し、成長の下振れリスクよりもインフレの上振れリスクを重視し、米国債利回りを押し上げた。ただ、この外生的ショックが続く限り、投資家は次第に、成長下振れリスクへと焦点を移していくだろう」と述べた。
米金融・債券市場:
米国株式市場:
<金先物> 中東情勢の緊迫化を背景に「有事のドル買い」が続いたほか、資源価格高に起因するインフレ抑制で利下げが遅れるとの見方が重しとなり、反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比55.00ドル(1.07%)安の1オンス=5103. 70ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化を背景に供給不安が一段と高まる中、大幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物は前週末清算値(終値に相当)比3.87ドル(4.26 %)高の1バレル=94.77ドルと、中心限月清算値ベースでは2022年8月下旬以来約3年半ぶりの高値水準となった。4月限は8日の時間外取引で一時3年9カ月ぶりの高水準となる119ドルまで上昇していた。5月限は3.96ドル高の91.48ドル。
トランプ米大統領は9日の引け後に、CBSテレビのインタビューで対イラン軍事作戦 は「イランとの戦争はほぼ終わった」と語った。これを受け、原油相場は時間外取引で急落し、一時81ドル台まで下落する場面があった。
NYMEXエネルギー:
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