【解説】どうなるの?田久保・伊東市長巡る4件の刑事告発…議会解散し市議選控える中で捜査の行方について若狭勝弁護士が詳しく(静岡)(2025年9月18日掲載)|Daiichi
自らの学歴詐称疑惑を発端とした騒動で議会を解散した、静岡・伊東市の田久保真紀市長ですが、これまでに4つ刑事告発されています。この捜査の行方について若狭弁護士に詳しく解説していただきます。18日、午前10時ごろ。(記者)Q.「SNSに、またメガソーラーの件がでていますが」(伊東市 田久保 真紀 市長)「…」問いかけには“無言”で市長室に向かった田久保市長。不信任決議を受け、議会を解散したことで10月19日市議選まで、約1か月に迫る中、自身を支持する、いわゆる“田久保派”の候補者擁立に向け着々と準備を進めているものとみられます。学籍詐称疑惑を発端とした田久保市長の騒動を巡っては…。(記者)「今、議長と副議長が到着しました。これから警察に告発状を提出するものと思われます」これまでに4つ刑事告発されています。9月9日には、“卒業証書”とされる文書を、前の議長・副議長に“チラ見せ”したことについて偽造私文書等行使の疑いで刑事告発。さらに…。(伊東市 田久保 真紀 市長)「報道であるような“チラ見せ”といった事実はなく、私はこうやって提示して約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しています」百条委員会への「出頭拒否」や“卒業証書”をチラ見せではなく19.2秒見せたという「虚偽の証言」などについて、地方自治法違反の疑いで刑事告発。また、7月には。(刑事告発した男性)「今後の伊東市が良くなるためという意味でいうと、やはり伊東市長の職を辞して新しい市長を1日でも早く選択した方がいいなという思いで出させていただきました」市長選の当選目的で「東洋大学卒業」と報道機関に虚偽の経歴を公にした「公職選挙法違反」の疑いで刑事告発。そして…。(刑事告発をした千葉県の公務員の男性)「強制捜査などによって市長の椅子から落としてあげないといけないと、なじみのない市町村ではあるが、 告発しようと考えた」市の広報誌の学歴欄にうその情報を記載させて配布した「虚偽公文書作成およびそれを行使した」などの疑いで、それぞれ刑事告発されています。計4つの刑事告発を受けている田久保市長。警察の捜査はどのように進んでいくのでしょうか。(スタジオ解説)(徳増 ないる キャスター)計4つの刑事告発を受けている卓保市長。警察の捜査はどのように進んでいくのでしょうか。この4つの刑事告発それぞれについて、まずはこの2つです。・報道に「卒業」と伝えた公職選挙法違反の疑い・百条委員会への出頭拒否や卒業証書の提出拒否などの地方自治法違反の疑いこの捜査については、若狭さん、どのように見ていますでしょうか。(コメンテーター 若狭 勝 弁護士)今後ですね、市議会議員選挙、あるいは場合によっては市長選挙が行われる可能性があるんですが、少なくとも市長選挙が行われる可能性があるんですが…少なくとも警察はですね、選挙の前、直前とか選挙期間中というのは目立つような形で捜査するということはまずないと思うんです。それは選挙妨害とかいろいろ言われかねないので、ただ粛々と、いわゆる目に見えないような水面下では、かなりの捜査を進めていくということは間違いないと思います。(徳増 ないる キャスター)そうですか。続いてこちらなんですが…。・市の広報誌に虚偽の内容が記載されたこと・前議長と前副議長に卒業証書とされる文書をチラ見せした行為…でも刑事告発されています。(津川 祥吾 アンカー)若狭さん…4つ告発されていますけども、この4つの違いというんでしょうかね。その中で、特に重点的に捜査されるんじゃないかと…若狭さんが思われるのは、どの辺でしょうかね?(コメンテーター 若狭 勝 弁護士)私の経験からするとですね、やはり質的に相当問題があると…そういうふうに捜査側が思うのは、やはり偽の卒業証書とされるものを、議長とか副議長に見せたと、あるいは職員に見せたとか…その辺のところというのは、かなり捜査機関側としても着目する悪質だと、議長だとか副議長というのは要するに少なくとも議会のトップ2ですから、その人にうその卒業証書を見せるということは、これは市長としてはあるまじき行為かもしれないですね。しかも証拠的にはですね、偽の卒業証書が存在して、それを見せたということは、議長・副議長の供述から証拠として得られるので、証拠の質的なものも、結構、整っているということなので、捜査機関側とすると、最終的には、この辺に重点を置いて捜査を進めていくというふうに思います。(津川 祥吾 アンカー)百条委員会の中で、チラ見せだったか、何秒だったかというのがありましたが、そこではなくて、そもそもこういう偽物を見せた、説明をした、そのことが罪として重いんじゃないかということですね。(コメンテーター 若狭 勝 弁護士)実際に罪としても…重い刑がありますし、百条委員会で証言を拒否したとかいうのは、どうしても自分の刑事責任を追及される恐れがあるという場合は、その証言を拒否したり出頭しないということも、一応は憲法上も認められる余地があるということなので、ちょっと捜査機関側とするとインパクトが弱いのです。ただ、少なくとも卒業証書を…偽のものを見せたとかいうのは申し開きができないでしょう…ということなので、この辺がやはり一番悪質だという形になるのではないかと思います。(津川 祥吾 アンカー)そこで一つ気になるのが、卒業証書なるものというものが、なかなか私たちは目にすることができなくて…弁護士さんが金庫の中に入れていらっしゃって、なかなか出してくださらないという話なんですが、これは捜査することができるんですか?(コメンテーター 若狭 勝 弁護士)
それは金庫にあろうと、弁護士の事務所の金庫にあろうとなかろうと、これは大事な証拠ですから、先々は、あるいは、もうすでにしているかも分かりませんけれど、ちゃんと押収するということは間違いないです。