トランプ信者「MAGA」バブルの終焉─そのカルトからの脱出者が急増(クーリエ・ジャポン)

ステファニア・メッシーナは次々と男の子を産み続けた。ミシガン州デトロイト郊外にある、彼女が所属していた保守的なキリスト教思想「クイヴァーフル」の教会では、そのことが彼女をコミュニティの有名人にした。 教会の教えによれば、「クイヴァー(矢筒)」とは子宮のことであり、主に向かってできる限り多くの「矢(子供の比喩)」を放ち、満たすべきものとされる。メッシーナは5本の矢を放った。 「みんな私を聖母マリアかのように扱ってくれました」と彼女は振り返る。 しかし、彼女は女性と子供向けの礼拝や聖書研究グループのリーダーへと急速に押し上げられた一方で、政治について話すことは許されなかった。 「投票することや、誰に投票すべきかを知ることは、私の仕事ではありませんでした。私はただ夫に服従し、夫が必要だと思うことをやるだけでよかったのです。私はキリスト教ナショナリズムに洗脳されていました」 メッシーナは仕事を辞め、農家での自給自足やホームスクーリングの生活に取り組んだ。ドナルド・トランプが2016年の大統領選に出馬したとき、彼は教会内で突如「神に選ばれし者」になったという。

メッシーナは「赤い帽子をかぶる」ほどのMAGA信者ではなかったものの、コロナ禍の初期になるまでその運動に疑問を抱くことはなかった。彼女は、トランプが「コロナワクチンは素晴らしい」と主張したかと思えば、すぐに有効性に疑問を呈するなど、毎日方針を翻す様子を目の当たりにした。 他にもいくつかの出来事で疑念を抱くようになった彼女は、教会が公認するメディア以外にも情報源を広げた。すると、「ダムが決壊しました」。 彼女はメンタルヘルスのケアを求め、MAGAのなかで過ごした年月を、恐怖、孤立、支配のうえに築かれた「一種の宗教的精神病」と呼ぶものだったと理解しはじめた。 2021年にようやく教会から離れたとき、彼女は異端者扱いされたが、ソーシャルメディアでMAGAからの脱退を宣言する必要性を感じた。 「啓発のために声を上げはじめました。私自身がそれほど深くはまり込んでいたからです」 孤独を感じていた彼女は数年後、「Leaving Maga(MAGA離脱)」という団体とつながった。 「Leaving Magaは、脱退を当たり前のことにするための活動です。それに、いまはMAGAのバブルが弾けつつあると思うので、特に重要なんです」とメッシーナは語る。

Fabiola Cineas

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