楽天銀行、基幹システムの観測に「New Relic」導入--無停止運用に貢献

 楽天銀行は、銀行業務を支える基幹システムの観測にオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入した。New Relicが7月24日に発表した。New Relicは、楽天銀行における24時間の無停止運用に大きく貢献しているという。  楽天銀行は、前身であるイーバンク銀行が2001年に開業して以来成長と発展を続けてきた楽天グループのデジタルバンクで、預金、決済、ローン、資産運用など幅広い金融サービスをオンラインで提供している。特に近年では、ライフスタイルのデジタルシフトや巨大な「楽天経済圏」との連携を背景に、口座数、預金残高ともに急速に拡大。口座数は2025年5月末時点で1700万口座を超え、5年間で約2倍に増加し、預金残高は11兆円を突破している。このような急速な成長により、基幹システムは急激に大規模化し、万一システムに問題が発生した際の速やかな原因究明や安定稼働の維持に対する難度がかなり高くなっていた。  そこで楽天銀行では、基幹システムの可用性をさらに高めるため、オブザーバビリティプラットフォームの導入を決定。製品選定においては、複数製品を検討した結果、非常に分かりやすいユーザーインタフェースを備えていたことが最大の決め手となり、New Relicを導入した。New Relicのユーザーインタフェースであれば、システム本部の開発・基盤・運用の各部門が知りたい情報を簡単に得られるようになり、問題が発生した際の原因究明が部署横断で迅速化されると判断。また、New Relicは厳格なセキュリティ要件を満たし、システムの観測範囲も選択可能な柔軟性も楽天銀行のセキュリティ要件を満たす大きなポイントとなった。  同行は2022年にNew Relicを導入し、基幹システムの観測を開始。その後、基幹システムの基盤を「Red Hat OpenShift」上に構成されるコンテナプラットフォームへと移行させ、システム機能のコンテナ化を段階的に進めているが、その観測にもNew Relicを活用している。システムの定期メンテナンスは月一回の頻度で行われているが、メンテナンスがシステム全体にどのような影響を及ぼしているかもNew Relicのダッシュボードを活用して確認。システムレスポンスの低下など何らかの問題が認められた場合には、システムをメンテナンス前の状態に戻し、障害を未然に回避するといった措置をとるようにしている。  また、楽天銀行の基幹システムでは毎月、特定の日に膨大なトランザクションが発生するが、従来は複数の技術者がシステムに張り付いて監視を行うのが通常だった。New Relicの導入以降は、同製品の扱いに慣れた少数の技術者による監視で済むようになっている。  楽天銀行常務執行役員システム本部長の早川一氏は「New Relicの働きによって、システム全体のみならず『口座の開設』や『振込』『ログイン』など、サービスやシステムの機能1つ1つについて、その稼働状況がつぶさにとらえられるようになった。そのため、何らかの問題が発生しても即座に原因を究明し、関係各部に対処を依頼できるようになっている。原因究明のスピードは劇的に向上している」とコメントしている。

ZDNET Japan
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