死刑を生き延びた米死刑囚、執行失敗から10日後に退院
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アメリカ・テネシー州での死刑執行で、致死量の薬物を2回にわたり注射されながら生き延び、病院に搬送された死刑囚について、弁護団は11日、死刑囚が退院し、刑務所に戻ったと明らかにした。
クリスタ・パイク死刑囚(50)の弁護団によると、死刑囚は過去30年間を過ごした刑務所に戻り、引き続き治療を受けているという。
死刑囚は9月30日に致死量のペントバルビタールを2回注射されたが、命を取りとめ、意識不明の重体となった。
その後、今週初めに意識を取り戻し、話をし始めたため、専門家も医療スタッフも弁護団も驚いたという。
パイク死刑囚の事態に前例はなく、毒物の注射による刑執行を生き延びた死刑囚はほかにいないと考えられている。
弁護団は声明で、「異例の状況下で手厚いケアをしてくれた救急隊員と医療チームに、(死刑囚は)感謝している」と述べた。
死刑囚が刑務所に戻った今、どのような手当てを受けているかは不明。弁護士はかつて、「回復には長い道のりが待っている」と述べていた。
テネシー州矯正局は、死刑執行が計画通りに進まなかった理由についてはまだ明らかにしていないが、執行方法については弁明している。
テネシー州のウィル・エアーズ司法次官補は7日の法廷で、州がパイク死刑囚を再び処刑しようとするつもりかどうか、分からないと裁判官に述べた。
裁判官は州に対し、失敗した注射に関連するすべての証拠を保存するよう命じた。その証拠は将来的に、州を相手取った訴訟提起の根拠となる可能性がある。
パイク死刑囚は1996年、コリーン・スレマーさんを殺害した罪で死刑判決を受けた。裁判では、当時恋人だったタダリル・シップ受刑者と共に、素行に問題のある10代向けの職業訓練キャンプで知り合ったスレマーさんを殴打、拷問、殺害したと認定された。事件当時、スレマーさんは19歳、パイク死刑囚は18歳だった。
シップ受刑者は犯行当時、法律上成人ではなかったため、死刑を免れた。現在も服役中。
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テネシー州が女性に対して死刑を執行するのは、パイク死刑囚で200年以上ぶりだった。
弁護団は何十年にもわたり、再審を請求し続けていた。死刑執行予定日が迫ると、連邦最高裁判所とテキサス州のビル・リー知事はどちらも、執行差し止めを拒否した。
刑の執行が失敗したことから弁護団は、量刑を仮釈放なしの終身刑に減刑するよう改めて求めている。
パイク死刑囚の死刑執行は、先月30日午後8時ごろ、ナッシュヴィルのリヴァーベンド最高警備刑務所で始まった。しかし、死刑囚は2度の薬物注射でも死に至らず、病院に搬送された。医療スタッフが、投与された薬物を体内から排出する処置を行う間、数日間にわたり意識不明の状態が続いていた。
弁護団は数日間、彼女が脳死状態にあると信じ、いつ生命維持装置が外されてもおかしくないと考えていた。
死刑囚は6日に意識を回復。ランディ・スパイヴィー弁護士は記者会見で、死刑囚が意識を取り戻して最初に発した言葉は「ここはどこ?」、「あなたは誰?」だったと述べた。
7日の記者会見で弁護士は、死刑囚がベッドに手錠でつながれ、肺炎と腕のひどい腫れに苦しんでおり、さらに飲み込むこともできない状態だと説明。一連の出来事がパイク死刑囚の精神状態に「どのような影響を及ぼすのかは分からない」としたうえで、パイク死刑囚はこのつらい体験で「怒り、混乱した状態」に陥ったと述べた。