高価なスマホはもう要らない、約5万円で基本を押さえた「Galaxy A36 5G」レビュー

 晴れた暑い夏の日にシカゴ川沿いを友人と歩いていたとき、私は足を止めてポケットのスマホに手を伸ばした。 【画像】実機や撮影した写真を見る(11枚)  「ちょっと待って。記事用に、街を背景にして飲み物の写真を撮らないと」と私は言った。  お決まりの(半分冗談まじりの)冷やかしである「それAndroid?」が返ってきた。だが友人は写真を見ると、寛大に「へぇ、かなり良いじゃない」と評価した。  「かなり良い」という言葉は、サムスンの「Galaxy A36 5G」を端的にうまく表している。このスマホは400ドル(日本ではSIMフリー版が税込5万490円)でありながら、終日もつバッテリー、頼れるトリプルカメラ、優れた耐久性まで備える。もちろん画質や全体的な性能では多少の妥協が必要だが、1000ドル(約14万円)近いスマホを買いたくないならA36が最適解になり得る。  川辺でポートレートと通常モードの両方で撮った写真は、明るく、はっきりとピントが合い、満足のいく仕上がりだった。影とハイライトはやや誇張気味だが、総じて満足のいく写真になっている。このスマホをテストした1週間に撮った他の写真も同様に鮮やかだったが、800ドル(日本では税込12万9000円)のサムスン「Galaxy S25」や829ドル(同12万4800円)の「iPhone 16」と比べると、色はやや控えめで細部が少し失われていた。それでも400ドル(同5万490円)としては十分にコストパフォーマンスが高いと言える。  Galaxy A36 5GはフラッグシップモデルであるGalaxy S25シリーズの要素をいくつか取り入れている。「One UI 7」と「Android 15」を搭載し、写真向けの「AI消しゴム」やGoogleの「かこって検索」などのAI機能も備える。「Gemini」と会話すれば、質問に対してより詳細な回答も得られる。AI機能は押しつけがましくなく、必要なときに写真を整えたり画面上の情報を素早く詳しく調べたりできるのが利点だ。 私のGalaxy A36 5G体験  Galaxy A36 5Gの大きな強みの1つは5000mAhのバッテリーで、これは45Wの急速充電にも対応する。1000ドルの「Galaxy S25+」(日本未発売)に近く、同機も45W急速充電に対応、わずかに小さい4900mAhバッテリーを備えている。なおA36にACアダプターは同梱されない。  S25とS25+はより省電力な「Snapdragon 8 Elite」チップを搭載するのに対し、A36はミッドレンジ向けの「Snapdragon 6 Gen 3」を採用している。それでもA36のバッテリー性能は十分だ。米CNETの45分耐久テスト(ストリーミング、SNS閲覧、ビデオ通話、ゲームの組み合わせ)では満充電から89%まで減少した。なおS25は93%、S25+は94%だった。  さらにWi-Fi経由でYouTube動画をフルスクリーンかつ最大輝度で3時間再生するテストでは、A36は100%から84%に減少した。S25は85%、S25+は86%だったため、価格差ほど大きな違いはない。30分の充電テストでは31%に達し、フル充電までは約1時間半だった。  ミッドレンジ機だと実感するときもある。例えばYouTube動画をポートレートからランドスケープに切り替えるときにわずかな遅延があり、カメラの起動にも約1秒かかる。また数時間放置した後に電源ボタンを押すと、画面が点灯するまで少し待たされることもある。しかし重大な問題や警告するレベルの欠点は見当たらない。 Galaxy A36 5Gのルック&フィール  A36で最も気に入ったのはデザインだ。虹色に輝くラベンダーの背面は光を受けて魅力的に変化し、思わず見入ってしまう(ハイエンドのモデルにももっと遊び心のある色があればいいのにと思わされる)。控えめな色が好みならブラックも選べる。  画面に目を移すとベゼルは目立つものの、2024年のA35より細くなり、ディスプレイは6.6インチから6.7インチに拡大した。120HzのリフレッシュレートによりSNSや動画のスクロールは快適で、ミッドレンジ機であることを忘れるほどだ。ピーク輝度は1900ニトなので、米国中西部の厳しい夏の日差しの下でも見やすい。  前面と背面の両方に「Corning Gorilla Glass Victus Plus」を採用しているため見た目が良く、堅牢に感じられる。ケースなしでも安心感がある(価格が低いことも安心材料だ)。IP67の防塵・防水性能を備え、最大1mの水中に30分沈めても耐えられるため、ビーチや水をこぼしがちな場面でも過度に神経質になる必要はない。 Galaxy A36 5Gのカメラ  私の場合、スマホで最重要視するのはカメラである場合が多い。A36は50MPの広角カメラ、8MPの超広角カメラ、5MPのマクロカメラに加え、12MPの前面カメラを搭載する。  ハリー・ポッター ショップ シカゴで友人を通常モードとポートレートモードで撮影したところ、彼女は再び(意外にも)満足し、「へぇ、悪くないね」と言った。私も同感だ。いずれの写真も前景ははっきりとピントが合っており、色はやや鮮やかすぎるが、それによって華やかに見える。  夜の撮影テストとして、午後9時頃に裏庭で姪を撮影させてもらったところ、「かなり良いね」と評価された。ほぼ真っ暗な景色は少し明るく写り、姪の表情やワンピースの細部も見えている。  最後に前面カメラで自撮りを試すと、柔らかなトーンとわずかなスムージングが施されつつ、シャープさとディテールは大きく失われていなかった。  A36は10ビットHDR動画撮影にも対応し、色がより鮮やかに出る。両親の庭を撮影した際も、色とりどりの花や青々とした草木を生き生きと捉えられた。 Galaxy A36 5Gの主な仕様 6.7インチ AMOLEDディスプレイ 120Hz 可変リフレッシュレート 最大輝度1900ニト 5000mAhバッテリー 45W急速充電対応 カメラ:広角50MP、超広角8MP、マクロ5MP、前面12MP USB-Cポート 重量195g 本体サイズ:162.9×78.2×7.4mm 防塵・防水IP67(最大水深1mに30分耐える) ストレージ128GB+RAM 6GB/8GB、ストレージ256GB+RAM 6GB/8GB/12GB OS6世代・セキュリティアップデート6年間保証 価格:税込5万490円(SIMフリー版) 購入のアドバイス  基本的な性能を重視した、余計な機能のないスマートフォンがほしければ、Galaxy A36 5Gは理想的な選択肢になり得る。サムスンのAシリーズのちょうど中位に当たるミッドレンジ機であり、良好なカメラ、長持ちするバッテリー、堅実な性能と耐久性といった主要なポイントを押さえている。さらに6世代のOSアップデートと6年間のセキュリティ更新が保証され、投じたお金を最大限活用できる。400ドルという価格ゆえ、画質や一部機能のわずかな遅延など妥協点はあるものの、本当に重要な部分ではしっかり応えてくれる。  A36には派手な機能は多くないが、Geminiとの会話や写真の編集など、必要十分なAIが利用できる。そしてそれらの写真は、家族や友人からのささやかな称賛を得られるかもしれない。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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