利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 37社選出 <成長株特集>
「第1弾」(6月8日)、「第2弾」(6月12日)に続き、今回は第1弾を配信した8日時点の時価総額が250億円以上550億円未満の銘柄を対象に、25年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、25年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している37社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。上振れ率トップとなったのは、FFRIセキュリティ <3692> [東証G]。25年1-3月期(第4四半期)の経常利益は6.5億円と過去最高だった前年同期実績を2.2倍も上回って着地。サイバー脅威の増大傾向が続く中、セキュリティ製品「FFRI yarai」シリーズのOEM販売が好調だったうえ、経済安全保障重要技術育成プログラムの開始などによって安全保障関連のセキュリティ・サービスも拡大した。続く26年3月期の同利益は前期比9.5%増の9.6億円と3期連続で過去最高益を更新する見通しだ。株価は9日に5760円と約9年3ヵ月ぶりの高値まで上値を伸ばしている。
2位にリスト入りした会計パッケージシステムの開発・販売を手掛けるプロシップ <3763> [東証P]の1-3月期(第4四半期)は、パッケージソリューション事業で仕掛け案件の検収やインフラ業界向け大型案件が進捗したことに加え、昨年12月にリリースした新リース会計基準対応のSaaS(サービス型ソフトウエア)ソリューション「ProPlus+」の開発が効率的に進捗したことで販管費が抑制され、経常利益は前年同期比79.4%増の12.2億円に拡大して着地。26年3月期の同利益は前期比1.2%増の24.6億円と2期連続の最高益更新を見込み、配当も前期比1円増の64円に増配する計画だ。株価は上場来高値を連日更新している。
3位に入ったのは葬儀専門最大手の公益社を傘下に持つ燦ホールディングス <9628> [東証P]。1-3月期(第4四半期)は公益社の新規出店効果で一般葬儀の施工件数が増加したほか、昨年9月に子会社化したきずなグループの業績上積みも寄与し、経常利益は過去最高だった前年同期を52.7%上回る18.7億円で着地。続く26年3月期の同利益は前期比8.9%増の47.5億円と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。併せて株主還元方針を変更し、累進配当を採用すると発表。この方針に沿い、前期の配当を24円→37円に増額し、今期も前期比3円増の40円に増配する計画を示したことも好感され、株価は1995年1月以来、約30年5ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
続く4位はMarketing領域とAI・Technology領域の事業を展開し、企業のデジタル改革を支援するエフ・コード <9211> [東証G]がランクイン。1-3月期(第1四半期)はテクノロジーSaaSやプロフェッショナルサービスの受注が順調に推移したうえ、前期に買収した子会社の業績も加わり、売上高24.1億円(前年同期比2.3倍)、税引き前利益5.4億円(同83.1%増)といずれも業績高変化を遂げた。25年12月期の同利益は前期比53.8%増の20.3億円と3期連続の最高益更新を見込む。
6位のIBJ <6071> [東証P]は1-3月期(第1四半期)の経常利益が前年同期比50.9%増の9.9億円と6四半期ぶりに過去最高益を達成した。婚活パーティーとの連携強化によって直営結婚相談所の入会者数が増加したほか、ライフデザイン事業ではウェディング成約件数やプロフィール写真撮影件数、保険の成約件数が伸びた。マーケティングの適正化を進めたことも大幅増益につながった。25年12月期の同利益は前期比20.5%増の30.8億円と2期連続の最高益更新を計画する。株価は約2年3ヵ月ぶりの高値圏を快走する展開となっている。
8位の日本ドライケミカル <1909> [東証S]はデータセンターやクリーンルーム向けの防災設備が好調だったほか、ガス系消火設備などの利益率の高い工事案件の受注獲得に注力したことが奏功し、1-3月期(第4四半期)は売上高、経常利益ともに4四半期ぶりに過去最高を更新した。26年3月期の同利益は前期比3.1%増の60億円と4期連続の最高益見通しで、配当は前期比20円増の90円に増配する方針を示したことも好感され、株価は上場来高値圏で頑強な動きを続けている。
10位にリストアップされたセルシス <3663> [東証P]の株価も青空圏を舞う展開となっている。1-3月期(第1四半期)は主力のイラスト作成ソフト「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約数が増加したほか、3月にリリースした新バージョンの販売好調や買い切り版の値上げ効果も寄与し、経常利益は7.5億円(前年同期連結比24.2%増)に伸びて着地。25年12月期の同利益は25.1億円(前期連結比10.3%増)と2期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想 コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER<3692> FFRI 119 656 300 9.5 964 880 57.1
<3763> プロシップ 53.1 1225 800 1.2 2460 2431 18.4 <9628> 燦HD 52.7 1871 1225 8.9 4750 4363 10.7 <9211> エフ・コード 41.0 540 383 53.8 2033 1322 20.2 * <3153> 八洲電機 29.5 3670 2833 6.1 5700 5373 9.0 <6071> IBJ 24.1 999 805 20.5 3085 2561 16.0 <4461> 一工薬 23.3 1880 1525 4.6 6000 5737 10.8 <1909> 日本ドライ 22.5 2025 1653 3.1 6000 5817 8.2 <5038> eWeLL 20.8 378 313 31.7 1499 1138 36.0 <3663> セルシス 20.2 750 624 10.3 2514 2279 27.0<4449> ギフティ 16.0 969 835 38.8 2192 1579 -
<6357> 三精テクノロ 14.6 3419 2984 0.1 5300 5293 8.3 <3496> アズーム 13.9 654 574 36.3 2490 1827 31.6 <2359> コア 13.9 1075 944 10.2 3600 3267 10.7 <3660> アイスタイル 12.8 946 839 35.1 2900 2147 21.8 <3741> セック 12.5 574 510 6.2 2010 1893 20.3 <6231> 木村工機 12.4 1203 1070 2.5 3750 3660 12.7 <6099> エラン 10.8 1180 1065 28.8 4740 3681 16.0 <3393> スタティアH 10.5 828 749 7.8 3000 2784 12.3 <8157> 都築電 9.8 4076 3713 2.3 6750 6596 10.7<4022> ラサ工 9.2 1645 1507 4.5 4900 4690 8.5
<4743> ITFOR 9.0 1172 1075 9.2 4200 3846 13.5 <7949> 小松ウオール 8.4 1740 1605 4.6 4130 3950 13.4 <9467> アルファP 7.5 899 836 14.6 3710 3236 18.3 <3771> システムリサ 7.0 945 883 14.3 3504 3066 12.0 <8081> カナデン 6.3 2347 2207 14.1 5700 4994 10.6 <4658> 日本空調 6.2 1496 1409 0.6 4400 4373 12.0 <8275> フォーバル 5.9 1498 1414 5.7 4200 3975 15.4 <3655> ブレインP 5.6 549 520 32.6 1800 1357 24.7 <4058> トヨクモ 3.8 332 320 20.5 1400 1162 30.5<4685> 菱友システム 3.3 1528 1479 0.6 4900 4869 13.0
<7500> 西川計測 3.3 1733 1678 5.9 3800 3588 14.6 <4417> Gセキュリ 3.1 459 445 39.6 2181 1562 34.0 <3984> ユーザーロカ 3.0 519 504 12.6 1936 1720 22.5 <7033> MSOL 1.7 838 824 6.7 3000 2811 14.5 <3284> フージャース 0.2 6111 6098 16.2 10000 8604 6.7 <4826> CIJ 0.1 720 719 3.4 2060 1993 21.3 ※2024年6月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。 ※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準、米国会計基準を採用する銘柄。 株探ニュース