何千匹ものナマズが岩を登る様子が撮影される
ブラジルで、小型のナマズが集団で約1~4メートルの高さの岩を登る様子が動画撮影されました。これらのナマズは、これまで岩登りをするという記録がなかった種でした。
Bumblebee on the rocks: Massive aggregation, migratory and climbing behaviour of a small Neotropical catfish - Marinho - Journal of Fish Biology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jfb.70158Thousands of climbing catfish filmed scaling waterfalls | Science | AAAS
https://www.science.org/content/article/thousands-climbing-catfish-filmed-scaling-waterfalls 2024年11月、ブラジルのロチェドでオレンジと黒の模様をしたナマズが水流に逆らって岩を登る様子が撮影されました。1週間後、ブラジルの研究者チームが現地に到着してこの現象を記録し、研究論文としてまとめました。ブラジルで「岩を登るナマズ」が確認される - YouTube
これらのナマズの多くはPseudopimelodidaeという科に属するRhyacoglanis paranensisという種類でした。体長は最大でも89.2mmしかない小型のナマズで、現地では1000匹以上の個体が観察されたとのことです。
現地に到着して間もなく、研究者はナマズの登り方が時間帯によって異なることを突き止めました。暑い午後には岩陰に数匹のナマズがうろついているだけでしたが、日が沈むと大量のナマズが近くの水たまりに現れ、一斉に岩を登り始めたとのこと。 登るナマズの動きとヒレの位置から、ナマズが腹の下に小さな空洞を作って負圧を生み出し、湿った岩に付着しているのではないかと研究者らは推測しています。このような仕組みは他の種類のナマズにもあることが分かっているそうです。
平らで水平な岩では非常に大きな群れが形成され、個体が互いの上に重なって登っていく様子が確認されました。
垂直な区間では群れをなすナマズの数は少なく、ほとんどの個体が単独で上っていました。
また、プラスチックのバケツのような人工物に上る姿も観察されています。
なぜ登るのかについてはよく分かっていませんが、研究者らは「上流で産卵するために登ったのではないか」と推測しています。研究者らが439点の個体を採取して観察したところ、ほとんどが成熟した成魚であることが判明したほか、岩登りが観察された時期は同じ水系に生息する他の魚が産卵のために移動する時期と重なっていたためです。 加えて、Rhyacoglanis paranensisと共に岩を登っていた他の3種類の魚も確認されていました。これら4種は、これまで岩登りが記録されたことのない種でした。研究者らは「これは、Pseudopimelodidae科の種における最初の岩登り行動と大規模な群集の観察報告です」と伝えています。
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