「ミスターイーグルス」嶋田直人の現役ラストマッチ。プレーと言葉で表現したチーム愛。
国内 2025.05.10
[ 木村大輔 ]
今季限りでの現役引退を表明していた横浜キヤノンイーグルスのFL嶋田直人が5月10日のNTTリーグワン ディビジョン1 第18節・東芝ブレイブルーパス東京戦に出場し、ラストマッチを終えた。
伏見工高、立命館大出身の嶋田は2014年に当時トップリーグのキヤノンイーグルスに加入。2018-19シーズンから2季は共同主将という形でチームのキャプテンを務めた。生え抜きの「ミスターイーグルス」は献身的なプレーを続け、今季の第2節・コベルコ神戸スティーラーズ戦でトップリーグ・リーグワン通算100試合出場を達成。そして第10節終了後の3月7日に現役引退を発表した。11季プレーしたイーグルスで、今日までに積み重ねたキャップの数は112に上る。
先週の第17節(コベルコ神戸スティーラーズ戦)終了後の記者会見、イーグルスの沢木敬介監督はその場で次節に嶋田を先発起用することを堂々宣言。迎えたラストマッチ、オープンサイドFLとして背番号7を背負った嶋田は、この試合のゲームキャプテンとしてチームの先頭を走りピッチに登場した。
ブレイブルーパスが攻勢をかけた前半ラスト、モールから抜け出したプレーヤーに激しく当たるトライセービングタックルを決めて失点を防ぐなど、最後まで輝く勇姿をファンに見せた嶋田。右脚の肉離れによる負傷交代で退く後半21分までプレーを続け、スタジアム中から起こる拍手を受けながらフィールドを去った。
「体を張ってディフェンスもできたし、自分の役割は出せたかなと思います」と語る表情は晴れやかだった。
「タックルもやったし、ジャッカルもしたし、ゴール前もしっかり止められたので、やり切りました」
自身が深く愛情を注いだイーグルスへの思いは、プレーや言葉で表現してきた。試合前、選手として最後のジャージープレゼンテーションでは気持ちが昂り、目に熱いものが込み上げたという。
長年に渡り苦しい時も支えてくれたファンに向けても、抱く気持ちを表した。
「いっぱいタオル掲げてもらえたり、名前呼んでもらえたり、たくさんの方に自作ボードを掲げてもらえたり。交代の時もすごい大きな拍手をしてもらえたので、すごくうれしかったですし、幸せでした」
引退後は指導の道に進むという。ファン感謝祭では、自分の言葉で感謝を表現するつもりだ。