iPhoneはいつ、いくら値上げ? WSJ予想は「+3〜5万円」、買うなら今か

忙しい人のための3行まとめ

Tim Cook氏が、ついに「値上げするよ」と口にした。これまでAppleは、製品の中身が高くなっても価格を据え置き、なんとか踏ん張ってきた。けれど、その我慢もここまでらしい。

問題は「いつ」と「どれくらい」だ。Bloombergのマーク・ガーマン記者は、この値上げを「かなり間近に迫っている」と読む。さらにWall Street Journalは、次のiPhone 18 Proが最大1,399ドルになるかもしれない、という具体的な数字まで出してきた。

1,399ドルというと、いまのレート(1ドル約160円)で換算すれば、現行モデルより3〜5万円ほど高くなる計算だ。決して小さい額ではない。買い替えを考えているなら、今が分かれ道かもしれない。順を追って整理していこう。

ことの発端は、Appleのティム・クックCEO(最高経営責任者)の発言だ。彼はメモリやストレージの価格高騰を認め、値上げはもう避けられないという考えを示した。

これがどれだけ異例なことか。Appleはふだん、新製品の値段や中身について、発表のその瞬間までめったに語らない。とにかく口が堅い会社だ。そのトップが、自分の口から「値上げする」と前もって漏らしたのだから、これはかなり重い。

つまり、ただの世間話ではない。「これから上がるぞ、覚悟しておいてくれよ」という、僕らへの予告(警告?)だと受け取るのが自然だと思う。

そもそも、なぜそんなに上がるのか

理由はシンプルで、iPhoneの中に入っているメモリやストレージ(データを保存しておく部品)の値段が、とんでもないことになっているからだ。

背景にあるのは、いま世界中で進んでいるAIブームだ。AIを動かす巨大なコンピューター(データセンター)が、メモリ部品を奪い合うように買い占めている。Samsungやマイクロンといった部品を作る会社は、もうけの大きいAI向けの生産を優先する。その結果、iPhoneのような身近な製品に回る分が足りなくなり、値段がぐんぐん上がっているというわけだ。

この異常さは、僕の体験を見てもらうのが一番早い。昔買ったSSD(高速なデータ保存装置)の「今の値段」を見て、正直ぞっとした。

  • Samsung 990 PRO 2TB:購入時18,680円 → 現在97,960円(約5.2倍、79,280円アップ)
  • SanDisk ポータブルSSD 4TB:購入時59,898円 → 現在156,000円(約2.6倍、96,102円アップ)

たった数年で2.6倍から5.2倍だ。同じことがiPhoneの中身でも起きていると考えれば、Appleが「もう無理」と音を上げるのも無理はない。

前回の値上げ(2022年)は何が違ったか

「Appleの値上げ」と聞くと、2022年7月のあの一斉値上げを思い出す人も多いはずだ。当時くわしくまとめたけれど、あのときの主な値上げ幅はこんな感じだった。

  • iPhone 13:98,800円 → 117,800円(19,000円アップ)
  • iPhone 13 Pro:122,800円 → 144,800円(22,000円アップ)
  • iPhone 13 Pro Max:134,800円 → 159,800円(25,000円アップ)
  • iPad Air:74,800円 → 84,800円(10,000円アップ)
  • AirPods Pro:30,580円 → 38,800円(8,220円アップ)

主力のiPhone Proで2割近く、AirPods Proにいたっては3割近い。けっこうな衝撃だった。

ただ、ここが大事なポイントだ。あのときの値上げは、あくまで円安が原因の「日本だけ」の話だった。当時のドル円は1ドル134円あたりまで急に進み、年初の115円前後から半年で20円近くも円が安くなった。海外でのドル価格そのものは据え置きで、円安のぶんだけ日本の値札が書き換えられた、というのが実態だ。

今回は「世界共通」の値上げになる

ところが今回は事情がまったく違う。原因が円安ではなく、部品そのものの高騰だからだ。

つまり、ドルで売られている本体価格そのものが上がる。これは日本だけでなく、世界中で起きる値上げになる。しかも日本は、いまも1ドル160円台という強い円安のまっただ中だ。「本体の値上げ」と「円安」のダブルパンチを食らう可能性がある、ということになる。

兆しはすでに出ている。AppleはMac miniで一番安かった256GBモデルをひっそり廃止し、最低価格を599ドルから799ドル(日本では94,800円から124,800円)へ引き上げた。「気づいたら底値が上がっていた」が、もう現実に起きているのだ。

WSJの予想「iPhone 18 Proは1,399ドル」

では、肝心のiPhoneはどれくらい上がるのか。The Wall Street Journalが、調査会社TechInsightsの分析をもとに、かなり踏み込んだ予想を出している。あくまでWSJによる見立てとして紹介したい。

WSJによると、メモリやストレージの値段は、この秋までに昨年比でおよそ4倍にふくらむという。たとえばiPhone 17 Proのメモリ(12GB)にAppleが払っていたコストは約39ドルだったが、iPhone 18 Proでは145ドルまで跳ね上がる見立てだ。256GBのストレージも、約13ドルから51ドルへと一気に上がる。

こうした部品の値上がりを積み上げると、iPhone 18 Proを作るためのコストは前モデルから約25%増える計算になる。今の利益の取り分を保つなら、本来は1,371ドルにしたいところ。ただAppleはキリのいい値付けを好むため、WSJは1,299ドルあたりが現実的だと見ている。

さらにここに、新しいカメラのコストが乗る。アナリストのミンチー・クオ氏は、新カメラが前の世代より約50%高くつくと指摘している。それも踏まえると、WSJはiPhone 18 Proの開始価格を1,399ドル以上と予想した。

つまり、最大3万円以上の値上げか

1,399ドルというのは、今のiPhone 17 Proの1,099ドルから200〜300ドルの上乗せにあたる。上位のiPhone 18 Pro Maxは、そこからさらに100ドル高くなる見込みだ。同じ時期に出るとの折りたたみ「iPhone Ultra」は、約2,000ドルとも言われている。

ただし、クック氏自身は「どの機種を、いつ上げるかは、まだ検討中だ」と話している。はっきりするのは9月の新型iPhone発表のタイミングになりそうだ。一方でガーマン記者は、こう投稿している。

Regarding Apple price hikes, have to imagine these are fairly imminent. No other reason to flag them now. I’d also note that Apple back to school sale is very imminent, and it could make sense to tie these together as a buffer. Either way this is happening soon. Not a fall thing.

Mark Gurman (@markgurman) June 18, 2026

要するに、新型を待つ秋ではなく、もっと早い段階で動きがあるかもしれない、という読みだ。新学期向けセールに合わせて、既存モデルから先に動く展開も考えられる。

買うなら、早いほうがいい

ここまでの話を、ぎゅっとまとめたい。

今回の値上げは、これまでの「円安だけが原因」とはわけが違う。ドル価格そのものが上がる、世界共通の値上げになりそうだ。そして日本は、強い円安も重なっている。つまり「本体の値上げ」と「円安」の二重苦になりかねない。

Mac miniのように、予告なく底値が上がる例はもう出ている。クック社長がわざわざ口にした以上、「言ったからには、それなりに上げてくる」と身構えておくほうが安全だと思う。

今のうちなら、まだ値上げ前の価格で手に入る。買い替えを考えているなら、動くのは早いに越したことはない。

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