大阪都構想、維新の戦略と誤算 識者が指摘する「マイナス要因」とは
インタビュー
大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)がめざす大阪都構想の具体案をつくる「法定協議会」が12日、始まった。他会派不在の中、住民からの理解を得られるのか。今後の課題などについて、選挙調査や世論分析を手掛けるJX通信社代表取締役の米重克洋さんに聞いた。
――法定協が始まりましたが、参加は維新のみ。どんな影響があると思いますか。
都構想は超党派の賛成がなければ実現が難しい政策です。
法定協議会の初回会合。空席もあった=2026年6月12日午後1時15分、大阪市北区、木子慎太郎撮影維新だけで法定協を運営するのは、住民投票の時にマイナス要因になりえるのではないでしょうか。
――どんなマイナス要因が考えられますか。
維新は大阪府議会と大阪市議会で第1党の議席を確保してきましたが、過去の住民投票では勝てませんでした。
地方選挙と住民投票は違います。例えば地方選では定数1の選挙区で(3人以上が立候補した場合)得票率が40%近ければ当選しますが、住民投票では50%超の賛成が必要です。維新支持層を固めるだけでは足りず、残り十数%を無党派層や他の政党の支持層からもってこないといけません。これは維新にとって大きな壁と言えるでしょう。
法定協議会の初回会合=2026年6月12日午後1時27分、大阪市北区、木子慎太郎撮影もともと、都構想と維新の結びつきが強く認識される中、法定協が維新単独で進めば、より結びつきが強まり、維新以外の支持者をある意味疎外していく形になりかねません。
ただでさえ、維新は府内の衆院小選挙区での擁立をめぐって公明党と決別し、公明支持層からの支持も前回より見込めません。今回はマイナスからのスタートだと思います。
――維新はその壁やマイナスをどう乗り越えようとしているのでしょうか。
「副首都構想」の関連法案について議論する自民党の会合=2026年5月29日午後2時2分、自民党本部、小林圭撮影国政では、連立を組む自民党とともに、大規模な災害に備えて首都機能を代替する「副首都構想」の関連法案について議論を続けています。これは維新が自民支持層などを巻き込み都構想を実現すべくレールを敷く意図もあったのかもしれません。ただ、現時点では他の会派を巻き込む状況にはなっていません。
――前回(2020年)、前々回(15年)の過去2回と比べ、維新は投票範囲を市民から府民に拡大することも選択肢だとしています。「土俵」を変える動きをどう見ていますか。
副首都法案では「都」への名称変更を希望すれば、住民投票の対象を府民に拡大できるとする付則が盛り込まれています。
過去のデータでは府域の方が市域に比べて都構想の賛成が多く、維新の支持率も高くなっています。維新は府域で住民投票したほうが、賛成多数になりやすいと考えているのでしょう。ただ、必ずしもそうはいかないと思います。
住民投票の府域拡大で賛成割合が増えるとする見方に、米重さんは首をかしげます。統一選との同日実施で生じかねない思わぬ影響、住民投票の賛否を分けるポイントについても語っています。
――それはなぜですか…
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この記事を書いた人
- 川辺真改
- 政治部|自民党担当
- 専門・関心分野
- 国内政治、社会福祉、スポーツ
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