外為市場の「米国売り」、いったん収まる見通し-オプション市場示唆
George Lei
- ドル、数週間に激しい売り落ち着くとの見方-現在3カ月ぶり安値
- 1週間および1カ月物リスクリバーサル、2カ月強で最も弱気度低く
ドルは3年ぶりの安値で推移しているが、オプション市場では激しいドル売りが今後数週間に落ち着くとの見方が広がっている。
ドルは5カ月連続で下落しており、5月には弱気心理を測る一部指標が極端な水準に達した。だが17、18両日に米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控え、オプション市場は比較的穏やかな状況を示唆している。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数についてコールオプション(買う権利)とプットオプション(売る権利)の価格を比較する1週間および1カ月物のリスクリバーサルは11日、過去2カ月強で最も弱気度の低い水準で取引を終えた。
もっとも翌12日にはそうした落ち着きはすぐには表れず、ドルのスポット価格は2022年4月以来の安値に沈んだ。 米生産者物価の伸び鈍化や労働市場の穏やかな減速を裏付ける統計発表が背景にある。ただこうした内容が、少なくとも次回の統計が出るまで、市場に一時的な安堵(あんど)をもたらすと、ベテラントレーダーのブレント・ドネリー氏はみている。
スペクトラFXソリューションズの社長を務めるドネリー氏は「弱気派にとって待望の悲観論が実世界で台頭するにはあと1カ月かかるだろう」と指摘。6月のデータは「問題ない内容になる可能性がある」とも述べた。
ドルは関税への不安が引き起こした「米国売り」取引の直撃を受け、年初来で8%超下げている。1週間および1カ月物のリスクリバーサルは、今後も波乱がある可能性を示唆しているが、4月や5月に織り込まれていた極端な水準には至っていない。
原題:Options Traders Bet on Pause in Dollar’s ‘Sell America’ Rout(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE