BATのプロトタイプが数週間以内に完成、米陸軍のMQ

Shield AI(シールドAI)のアーマー・ハリス氏は「X-BATのプロトタイプを2機製作しており、最初の1機が数週間以内に完成する予定だ」「このプラットフォームは陸軍のMQ-1C後継機になり得る」「X-BATはAH-64とほぼ同じ重量で『後方支援の規模もAH-64と非常に似ている』と示して陸軍からも関心が寄せられた」と明かした。

参考:Shield AI expects to fly its unmanned fighter jet within months 参考:Shield AI Pitches X-Bat To Replace U.S. Army Gray Eagle Fleet

米防衛スタートアップのShield AI(シールドAI)は複雑なシステムなしで垂直離着陸が可能、エンジンのアフターバーナーだけで垂直離着陸に必要な推力対重量比を達成可能、搭載武器を放棄することなく垂直着陸が可能、フェリー飛行状態ではなく武器を搭載した状態で最大3,700kmを飛行可能という野心的な無人戦闘機=X-BATを開発中だが、このX-BATはAI制御による自律能力以外は既存の成熟した技術で構成されており、垂直離着陸を実現する軸対称ベクトル排気ノズル(AVEN)も1990年代のF-16MATV計画で使用されたもので、GEエアロスペースの倉庫に眠っていたものを引っ張りだして使用している。

No runway, no problem.

Shield AI and @GE_Aerospace just cleared a critical path to vertical flight, completing engine light-off testing of the Axisymmetric Vectoring Exhaust Nozzle (AVEN) for X-BAT.

Engineers from both companies integrated the AVEN into GE Aerospace’s F110-GE-129E engine, then completed functional checkouts and engine light-off to verify system performance.

Full release in thread

Autonomy for the world. The greatest victory requires no war.

— Shield AI (@shieldaitech) July 20, 2026

シールドAIのシヴァ・ヴァラバネニ氏は「これが2026年末までにプロトタイプの飛行実験を実現する最大の鍵となった」「ある意味では推力偏向ノズルを製作し、その技術を検証し、我々が必要とするスピードでそれらを成し遂げることのほうがエンジンを調達するよりも困難だ」と述べたが、あくまで30年前のAVENノズルは開発期間を圧縮するためのもので、最終的にはより軽量で、より高速で、より高性能なAVENノズルが作られるらしい。

このX-BAT計画はシールドAI独自の取り組みで潜在的な顧客を確保しないまま開発がスタートしたものの、国防総省の国防イノベーションユニット(DIU)と米海軍から計2億ドルの資金援助を引き出すことに、ポーランドとX-BATの設計、製造、納入、維持管理に関するパートナーシップの基本合意書に署名することで潜在的な顧客獲得に向けたマーケティングを成功させ、特に後者はX-BATをビジネスとして成立させるための手助け=潜在的な顧客に対するアピール材料を作ることに協力することで「本当にX-BATが実現したときはポーランドを優遇してもらう」という一種の取引に近い。

Yesterday at #MSPO2026, we signed a letter of intent with @PGZ_pl and @WZL2_SA for the delivery of X-BAT to Poland, alongside X-BAT production and sustainment capabilities in country.

The partnership could build Polish capability across production, final assembly, F110 engine support, and sovereign autonomy powered by Hivemind, while strengthening Europe’s ability to field and sustain distributed combat air power.

Autonomy for the world. The greatest victory requires no war.

— Shield AI (@shieldaitech) September 9, 2026

戦闘機購入を検討している国が「戦闘機購入への関心」を示すことは影響力と友情を買う最も簡単な方法で、戦闘機を提案してくる売り手にも「我々には他の選択肢がある」とアピールすることで交渉立場を強化することができ、基本合意書への署名は将来有望な可能性=X-BATを開発しているシールドAIに「具体的な関心」を差し出すことで影響力と友情を買い叩いた格好だ。

Defense Oneの取材に応じたシールドAIのアーマー・ハリス氏は「実物大のプロトタイプを2機製作しており、最初の1機が数週間以内に完成する予定だ」「年末にはプロトタイプを使用した飛行試験を開始し、技術的リスクの低減を図るため垂直離着陸の試験を行う」「X-BATは多用途性、滑走路に依存しない運用能力、コストパフォーマンスの高さから国際的に大きな注目を集めている」「特に関心を示している国はF-35とF-16の戦闘能力を拡張したい国々、そしてF-35のような戦闘機を運用するインフラや大規模な空軍を備えていない国々だ」と明かした。

ハリス氏はAviation Weekの取材に応じた中でも「今のところX-BAT計画は海軍から資金提供を受けているが、米陸軍からも関心を寄せられている。このプラットフォームは陸軍のMQ-1C後継機、もしくは他のプログラムにとって非常に有力な候補になり得ると考えている」「X-BATはAH-64とほぼ同じ重量で、だからこそ我々は陸軍と多くの取り組みを進め『X-BAT運用に必要な後方支援規模がAH-64と非常に似ている』と示し、陸軍からもかなりの関心が寄せられた」と述べている。

X-BATの特性は空軍の対地攻撃任務に合致するものの、ハリス氏は「X-Batの垂直離着陸能力が陸軍航空隊の運用形態と一致し、この提案が空軍と陸軍の間で役割と任務を巡る論争に火をつけるような兆候も今のところ見られない」「この点がもっと大きな障害になるかと思っていたが誰も気にしていない」と述べ、米陸軍がMQ-1C後継機や「回転翼機を運用する陸軍航空隊の新しい戦力」としてX-Batに関心を寄せているという話が大変興味深い。

X-BAT: Built for the Future Fight https://t.co/t426SjQFU5

— Shield AI (@shieldaitech) June 24, 2026

X-BatをAH-64に協調させて能力を拡張するのか、AH-64の一部任務をX-Batで置き換えるのか、空からの火力支援という任務自体をX-Batで拡張してしまうのかは不明だが、垂直離着陸が可能なX-Batは対地攻撃の領域において「空軍と陸軍の役割と任務の境界を曖昧にする」という視点は非常に斬新だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Shield AI

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