国立大病院 “400億”巨額赤字に「もう手立てはない」と悲鳴も “過去最大の危機” 医療機器など更新できず
地域医療を担う国立大学病院の今年度の損益が、過去最大の400億円の赤字になる見通しであることが分かりました。病院側からは「もう手立てはない」と悲鳴が上がっています。
日本テレビ・岩﨑陽アナウンサー「こちらでは、国立大学病院の院長たちが“収支状況”などに関する記者会見を行う予定です」明かされたのは“赤字経営”の実情でした。国立大学病院長会議・大鳥精司会長(千葉大学医学部附属病院長)
「令和7年度の損益額が400億円を超える可能性がある。過去最大の危機を迎えると言っても過言ではありません」
42の国立大学病院のうち、33の病院で赤字に。要因となっているのが、“支出の増加”です。医薬品の価格高騰や人件費の増加など、今年度の費用は軒並み億単位で上昇。その分を補うため、施設や設備に使う費用を、前年度から76億円減らしたといいます。国立大学病院長会議・大鳥精司会長「もう新たな医療機器が買えないんですよ。98%の医療機器等が更新できない状況でいますので、そういう点では、医療は破綻しているという形だと」──医療機器の更新が難しいということですが、懸念される患者への影響は?東京科学大学病院 藤井靖久病院長
「(Q.患者に影響は?)例えば人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)は更新している。ただ画像診断装置CTなどは直接患者さんに影響はないので、そういうものは非常に長く使う状況。壊れると、来院した患者さんが検査できないとか、いつ起こってもおかしくない」
「news zero」は、“赤字経営”となっている。東京科学大学病院へ。院内を歩いていて、気づいたのが、少し暑いこと。東京科学大学病院 歯科衛生保健部部長「診療がもう終わっていますので、節電等のためエアコンを切らせていただいている」入院患者がいる場所以外は、スタッフが残っていても、エアコンを停止。東京科学大学病院 歯科衛生保健部部長
「夏は保冷剤をポケットに入れて働いた」