米中首脳会談を前に駆け引き激化 中国外相が停戦交渉でイランを後押し強調
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来週の米中首脳会談を前に、アメリカは中国にホルムズ海峡の開放に協力するよう求めている。一方で、中国の最優先課題は「台湾問題」とみられている。両国の落としどころはどこにあるのか。
米も求める中国の中東情勢関与
まずは、イラン情勢を巡るアメリカと中国の動きを見ていく。
中国はイラン情勢に関与するのか。AFP通信によると、トランプ大統領は先月、中国がイランを交渉の席に着かせて、2週間の停戦合意に導いたとの考えを示し、中国の対応が重要であることを認めた。
そのうえでトランプ大統領は、習主席は石油を必要としていると主張していた。
ブルームバーグによると、イラン産原油輸出の約9割を中国が買い入れていて、厳しい制裁下にあるイランにとって資金面の生命線になってきた。
ロイター通信によると、現在はアメリカがホルムズ海峡を封鎖したことで、イランの原油輸出量は80%以上減少している。この状況にルビオ国務長官は5日「海峡の封鎖によって中国経済も損害を被っている」と主張した。
そんな中、アメリカは中国にイランへの関与を呼びかけている。
先月30日、ルビオ国務長官と王毅外相が電話会談を行った。さらに、米ベッセント財務長官と中国の何立峰副首相もオンライン会談を行った。会談の内容について、ベッセント財務長官はFOXニュースの取材に、「中国は最大のテロ支援国家に資金提供していることになる」とし、ホルムズ海峡を開放するための国際的な取り組みに中国も参加するよう促したと明らかにした。
一方の中国は6日、イランのアラグチ外相と会談を行った王毅外相は、ホルムズ海峡に関して「関係当事国に国際社会の呼びかけに応じることを期待する」と話したうえで「中東の平和と平穏の回復において大きな役割を果たす用意がある」と前向きな姿勢を示した。
中国にとっては中東情勢が“漁夫の利”になるかもしれない。CNNによると、中国は世界最大規模の石油備蓄と、世界最大の風力・太陽光発電量を誇っている。そのため、他のアジア諸国よりもエネルギー危機の影響を受けにくいとされている。
来週に米中首脳会談が行われるが、中国の最優先課題は「台湾」だろうか。
中国外務省によると、中国の王毅外相は先月30日、ルビオ国務長官と電話会談を行い、両国間の「安定」を維持するよう促したという。ただ、その中で王毅外相は「台湾問題は中国の核心的利益に関わる、中米関係における最大のリスク要因だ」と強調し、アメリカ側は約束を守り正しい選択をすべきと要求したという。
さらにブルームバーグによると、来週予定されている米中首脳会談で、習近平国家主席がトランプ大統領に対して、台湾政策に関する表現を、台湾の独立に反対する形に変更するよう迫る可能性が高いという。一方で、トランプ政権の高官は先月、「台湾政策に変更はない」と発言している。
では、これまでトランプ政権は台湾に対して、どんな政策を取ってきたのか。
これまでアメリカは台湾の独立を「支持しない」と表明する一方で、去年2月に国務省は、ホームページから「支持しない」と表明する文言を削除した。
さらに、トランプ政権においては去年12月、2026年度の国防予算の大枠を定める「国防権限法」が成立した。ここには「台湾の防衛力強化」などが盛り込まれ、支援総額は過去最大の約140兆円に上る。
さらにトランプ大統領は去年12月、台湾に対して武器売却を承認。その中には、高機動ロケット砲システムの「ハイマース」など8品目が含まれ、過去最大規模となる約1兆7000億円もの予算が組まれた。
(2026年5月7日放送分より)