「結婚や妊娠を知っていたらここまでやっていなかった」ネイリスト女性を殺害した大内拓実被告(29)、遺族への被害弁償金は「これから考えるという気持ち」【水戸ストーカー殺人公判】
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された事件で1月21日、元交際相手の大内拓実被告(28)が逮捕された
2025年12月31日に茨城県水戸市で起きたストーカー殺人事件。大内拓実被告(29)の裁判員裁判では、小松本遥さん(当時31歳)をハンマーと包丁で惨殺した直後、証拠隠滅を図り「初詣や風俗に行く」といった、事件後の生活ぶりが被告自身の口から淡々と語られた。
9月17日の第2回公判では、被告人質問が行われた。硬い表情で出廷した大内被告は、残忍な犯行について淡々と語った。一方、検察側や被害者参加弁護士は、大内被告の「事件後の反省のなさ」についても厳しく追及した——裁判を傍聴したライターの学生傍聴人氏がレポートする。【全5回の第5回。第1回から読む】
9月14日の第1回公判では事件の経緯が明かされていた。大内被告は小松本さんとの交際関係が解消された後、彼女の居場所を執拗に突き止め、配達業者を装って自宅を訪れ殺害。小松本さんは念願だった自身のネイルサロンを開業し、お腹には第1子を授かったばかりだった。
17日に開かれた第2回公判の検察側の被告人質問では、本人から犯行の詳細が語られた。
事件後、凶器に使ったハンマーと包丁、着衣を県内の川に投棄して証拠隠滅を図り、初詣や買い物に行くなどいつも通りの生活をしていた大内被告。その後1月中旬に茨城県警の任意捜査を受け、同21日に通常逮捕された。弁護人によると、大内被告は「任意捜査では否認していた。逮捕後は黙秘した」というが、今回の裁判員裁判に先立って争点などを絞り込む「公判前整理手続」で、一転して罪を認めた。
起訴後、検察側が裁判で提出しようとする証拠が開示される。「開示証拠を見て、これで否認するのは無理だと思って(罪を)認めたのではないか?」と、検察側は核心ともとれる問いを立てた。
「それはないです」
大内被告はこのように、きっぱりと否定した。だが、のちの遺族に代わって質問した被害者参加弁護士に、本音とも捉えられる供述をする。
この裁判では、遺族が被害者参加制度を利用して特別傍聴席などが用意されている。被告人質問でも、被害者参加弁護士が遺族を代理して直接、大内被告を追及した。冒頭で大内被告は、これまで弁護側や検察側から求められた「今の心境」について、同旨を述べた。
「深く反省しているとともにご遺族には大変申し訳なく思っています」
冒頭でも伝えたように、小松本さんは2025年5月に念願だった自身のネイルサロンを開業。10月頃には、第1子を授かっていることがわかった。まさしく幸せの絶頂だった時期に、小松本さん、そして子どもの命が絶たれた。
「結婚や妊娠は事件から数日後に報道で知った」
そう振り返る大内被告は、はっきりとこう述べた。
大内被告 「結婚していたり、妊娠をしていたことを知っていたらここまで(殺害)行動していなかったと思います」