公明党はジェットコースター? 中道で大敗、「打倒高市」の先に描く政界再編
連立離脱、中道改革連合(中道)の結成、衆院選での大敗を経て、岡本三成新代表の下で再出発した公明党。高市政権への対決姿勢を崩さない一方、自民党との関係にはなお含みを残す。“政界再編の軸”を掲げる新体制は、どこへ向かうのか。
* * *■自民とは「絶縁したわけではない」 中道を離脱した公明党が10月3日に開いた党大会で、新代表に選出された岡本三成氏は、「単にかつての公明党に戻るのではなく、国民の衆望を担う党へと成長する。より開かれた党として与野党の垣根なく連携し、政界再編の軸となる」などと力説した。公明党幹部の一人は、高市政権の基盤の脆弱さを念頭に「さまざまな政治情勢に備える必要がある」と語った。 こうした公明側の動きを、自民党は固唾を飲んで見守っている。自民幹部の一人は最近、オフレコの会合で講演した際、衆院比例代表の定数を45減らす与党案について、こう話した。「与党が3分の2を占める衆院で再可決すれば成立は可能になるが、それではあまりに乱暴。公明党の意見も聞くべきだ」 定数削減は連立相手の日本維新の会が強く推すテーマだ。幹部の言葉は、将来の自公連立の復活をにらんで公明党への配慮を示したものだ。実際に先の衆院選でも「都市部の小選挙区では公明票の2~3割が自民候補に残った」(自民選対関係者)とされる。 公明党の元幹部も「われわれは自民と絶縁したわけではない」としつつ、こう付け加えることを忘れなかった。「ただ、高市政権が続いている限りは『打倒高市』で進む。中途半端が一番良くない。政界再編はその後だ」
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■党再建と“ポスト高市” 岡本氏は創価大出身、当選6回の61歳。米金融大手ゴールドマン・サックス証券に勤務していた時代に、不動産事業でトランプ氏の仕事にかかわったこともある。公明党幹部の中では異色の経歴を持つ。 当面の課題ははっきりしている。まずは党の立て直しだ。 公明党の参院比例代表での獲得票数は、2004年の862万票をピークに、長期的な減少傾向にある。25年7月の参院選では521万票に落ち込み、埼玉、神奈川、愛知の各選挙区で議席を失った。新代表が口にした“政界再編の軸”は、低迷する党勢の回復に向けた道筋を描けていないことの裏返しとも言える。 特に、公明党の集票力の源泉となる創価学会の会員の高齢化は深刻な課題だ。集票力低下の最大要因となっている。創価学会の元幹部は「今後は若い世代へのアプローチに力を入れる必要がある」と語った。 一方、与野党それぞれとの距離をどう取るかも、党の行方を大きく左右する。衆院で公明党は、中道を離党した立憲出身者を中心とする民主改革の会との統一会派「中道」を結成した。 問題は、与党が少数派となっている参院での対応だ。公明党は立憲民主党との統一会派を組んでおらず、高市政権が肝いりの消費税減税関連法案に賛成する余地を残しているとの見方もある。 公明党は当面、来年春の統一地方選に向けて全力を挙げる方針だ。ただ、高市政権が今回の簗和生農水相辞任劇によって大きな痛手を被ったことは間違いない。自民党内では来年夏の総裁選に向け、“高市一強”態勢が流動化する可能性もある。「政界再編はその後だ」。その“後”はいつ、どのような形で訪れるのか。高市政権の行方をにらみながら、公明党は次のカーブへ差しかかっている。
(ジャーナリスト・山田惠資)