財務省が私大250校削減案 大都市圏でも…最初に消える大学はどこだ?

 財務省は4月23日、財政制度等審議会の分科会で、2040年までに少なくとも私立大学を250校削減する必要があるとし、縮減案を公表した。

 背景に18歳人口の減少がある。1992年のピーク時には約205万人いたが、24年は約109万人で、半減。一方で大学数は増加し続けてきた。

「文科省の認可がある大学は、24年時点で全国に813校。うち、私大は624校。私大の半数を超える大学が入学定員を下回っていて、政府は私学助成金による支援を行っています。問題は、18歳人口が減り続けているにもかかわらず、大学数は増えている。それは、91年に政府による大学設置基準の大綱化で、大学の認可や設置が規制緩和されたからです。1989年には大学総数が499校でしたから、300校ほど増えました」(教育業界関係者)

 財務省の資料では、定員割れの私大の授業の内容として、「四則演算から始める」「(英語の)文型の基本とbe動詞の基本的な機能を整理」などと指摘。小中学生レベルから教える大学の存在意義にも疑問を呈しているかたちだ。

 特に地方の小規模大学や短期大学などは学生確保が難しい。近年、不人気学部の募集停止や共学化、統廃合などの対策を打っているが、赤字経営の大学の割合が高まっている。

■小規模大学は改革しようにも手を打てず

 専門家は縮減案をどうみるか。最も早く消える大学は? 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏がこう言う。

「現在、入学定員充足率が80%未満の大学は141校。今後、新設大などを相殺しても、100〜140校は現実的に削減となるとみています。地方や女子大、単科大に多い、いわゆる小規模大学(数百人から2000人未満)は、中規模・大規模校と比べて、資産がありませんから、改革しようにも手も打てない。光熱費なども値上げしていますし、経営を維持できない学校は増えるでしょう」

 もっとも、危ないのは地方大に限らないという。

「近年は関東や関西の都市部にあっても、交通アクセスが不便な立地の大学、文学系や家政系などの学部人気が落ちている大学はそれなりに認知度があっても厳しい局面にあります」(石渡嶺司氏)

 国の責任も大きいだろう。

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