「誰もとがめられず、抑えが利かなくなった」 8年ぶり日本出身横綱「大の里」が問題行動を繰り返すワケ 過去には兄弟子に飲酒強要も

 今夏場所で2場所連続4度目の優勝を果たし、横綱昇進を決めた大の里。 「師匠である元横綱・稀勢の里こと二所ノ関親方(38)以来、実に8年ぶりとなる日本出身の横綱誕生に角界が沸きました。2度のアマ横綱に輝いた日体大時代から将来を嘱望されていましたが、成長のスピードは想像以上です」(相撲記者)  大の里の昇進は、角界にとって横綱が一人誕生したことにとどまらない、大きな意味があるという。 「昨今、大相撲は“若貴ブーム”が巻き起こった1990年代以来の盛況を見せています。インバウンド需要も相まって昨年から全場所でチケットは完売。ただ一方で、古い体質が忌避されるようになったせいか、入門者数は90年代初頭に比べて4分の1ほどに激減している。角界関係者は口をそろえて“運動神経の良い子が集まらなくなった。このままでは魅力ある取組を見せられなくなってしまう”と言い、競技レベルの低下を憂えています」(同)  そんな最中、大の里がデビュー後わずか2年で横綱となった。 「みなが“彼ほどのスターが現れたことで向こう10年、大相撲は安泰だ”と胸をなで下ろしています。入門者のレベル低下という現実をしばらく糊塗できるというわけです」(同)  大相撲の命運を握るともいえるその存在。だが、「週刊新潮」は約1年前、彼にまつわるある不祥事を報じていた。

 それは未成年で番付外だった年下の兄弟子、総勢山(そうせいざん・20)に風呂場で飲酒を強いるなどのイジメを繰り返していた件だ。大の里は酔いつぶれる総勢山の様子を面白がり、笑っていたという。問題行動の全容は、関連記事【「稽古は週に3日で、相撲部屋の体を成していない」「弟子の悪質アルハラも」 二所ノ関部屋で何が起きているのか】に詳しい。  相撲協会は当時、「週刊新潮」の取材には一切答えず、先手を打って大の里が総勢山と飲酒していた事実のみを公表。協会を慌てさせるワルっぷりがあらわになった。  彼の“困りごと”は他にもある。二所ノ関部屋の関係者が嘆くには、 「大の里は総勢山に対してだけでなく、他の兄弟子にも平気で“先輩イジリ”をするんですよ」  先輩に対して?  「はい、先輩にちょっかいを出し、本気で“やめろ”と怒られても、みなの前で何度も繰り返す。相手が迷惑がっているのを見るのが楽しくて仕方がない感じで。そういう時、いつも悪童面して笑っていますよ」(同)  角界は長幼の序に厳しいはずでは?  「部屋の中では大の里だけが特別扱いですから……。番付でナンバー2の十両・白熊(26)だって、負けたら二所ノ関親方からこっぴどく叱られるのに、大の里はほとんど何も言われない。その上、後援会の関係者までが“ウチは泰輝(だいき・大の里の本名)の部屋だから”と手放しで褒めちぎるありさまで、誰も彼をとがめられなかった。結果、抑えが利かなくなったんです。親方がしつけなければいけないのに、何しろ大物新横綱なので」(同)  192センチ、191キロの巨体にして俊敏さは比類ないと絶賛される大の里。 「右差しで前に出る相撲が得意です。近頃は左のおっつけもうまくなり、より推進力が増した。強さは圧倒的ですね」(相撲記者)  大物の評を超えた真の大横綱たるには「心技体」の充実が必須だが……。 「週刊新潮」2025年6月5日号 掲載

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