米EU、関税15%で共同声明 自動車も近く引き下げ

米国と欧州連合(EU)は21日、7月に合意した新たな貿易協定の枠組みに関する共同声明を発表した。仏パリのワインショップで3月撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)

[ワシントン/ブリュッセル  21 日 ロイター] - 米国と欧州連合(EU)は21日、7月に合意した新たな貿易協定の枠組みに関する共同声明を発表した。米国はEUから輸入する大半の製品に対し15%の関税を課し、EUは米国の工業製品に対する関税を撤廃し、農産物や水産物の市場アクセスを与える内容が明記された。 米国が輸入車に課す27.5%の自動車関税は、EUが合意した対米関税の引き下げや撤廃に必要な法案を導入すれば、15%に引き下げられる。適用は、法案が提出された月の初日にさかのぼる。 セフチョビッチ欧州委員(通商担当)は21日、欧州委が月末までに法案を提出する「確固たる意図」があるとし、15%の関税が今月1日から適用されることを目指すと述べた。

米政府高官によると、自動車関税は「うまくいけば数週間以内に」引き下げられる可能性があるという。 EUから輸入する航空機・部品、半導体、ジェネリック医薬品・原料、化学原料、木材、コルクなどの入手困難な天然資源などに対する関税率は、15%が上限となる。 一方、EUの主要輸出品であるワイン・蒸留酒は免税の対象には含まれず、15%の関税が課されることになる。 セフチョビッチ委員は「扉が永久に閉ざされたわけではない」とし、同分野や協定に盛り込まれていない他の品目を含めることについて検討する方向で双方が合意したと明らかにした。 また、声明によると、EUは7500億ドル相当の米国産液化天然ガス(LNG)や石油、原子力エネルギー製品に加え、400億ドル相当の米製の人工知能(AI)半導体を購入する。さらに、EU企業は2028年までに米国の戦略的分野で6000億ドルを追加投資する。

双方が「不当なデジタル貿易障壁」に対処するコミットメントも盛り込まれた。 新たな貿易協定の枠組みは、トランプ米大統領とフォンデアライエン欧州委員長が7月末に合意した。

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