トイトレを科学的なアプローチから考える。うちの子に合った「ほめ言葉」を見つけると、トイトレがスムーズに進む【ママ泌尿器科医】(たまひよONLINE)

最近、特別支援教育に関心をもって勉強会に参加しているのですが、その中で出会ったのが「応用行動分析」の考え方。「これは、トイレトレーニング(以下、トイトレ)に役立つぞ…!」とひらめき、皆さんにもぜひ紹介したいと思いました。 今回から3回、勉強会の講師であり特別支援学校で教員をしている亀田准季先生との対談形式でお送りします。 岡田 亀田先生、よろしくお願いします。 亀田 お願いします。私は普段、特別支援学校で知的障害のある子どもの教育をしています。その中で、子どもの行動の背景を探ったり、新しい行動を身に着けさせたりする際に「応用行動分析」を使っています。 岡田 トイトレはまさに「新しい行動を身に着けさせる」ことですね。 亀田 はい。トイトレは一定期間をかけて取り組む“親子での挑戦”です。挑戦の前に、応用行動分析の考え方を使って、いくつかの“作戦”を立てることが大切です。 岡田 どうして事前に「作戦」が必要なのでしょうか。 亀田 お子さんは「トイレで排泄をする」という新しい習慣づくりに取り組むことになりますが、その動機は必ずしも「子ども自身がやりたいから」ではなく、大人側の都合がメインである場合も少なくありません。 そのため、子どもにとってはママやパパ、周囲の大人の励ましやほめ言葉がとても重要なモチベーションになります。思うように進まない時期や親があせったりイライラしてしまうようなタイミングでも「ほめ続け」るためには作戦が必要です。

亀田 そこで最初の作戦は「届くほめ言葉/ほめ方を考えよう」です。 岡田 「届くほめ言葉」というのは新鮮ですね。ただほめればいいというわけではないと。 亀田 「えらいね」とほめられるのがうれしい子もいれば、「かっこいい」というほめ言葉でやる気が出る子もいます。うちの子はどのような言葉をもらうとやる気が出るのだろうか…、ということを初めに考えてみてください。 岡田 そう言われてみると、わが家の場合「すごい」でほぼワンパターン化していることに気づきました。言い方に若干のバリエーションはあるものの、ほめ言葉の引き出しがあまりないので、もしかしたらもっと刺さるほめ言葉があるのかも。 亀田 私の長女は「お姉さんみたい」という言葉がヒットしました。また、好きなキャラクターを用いてほめることなんかもいいかもしれませんね。 岡田 なるほど。キャラクターのセリフをまねしてみたり、ぬいぐるみや人形を使って褒めるのも喜びそうですね。 亀田 言葉だけでなく、「なでる」「抱きしめる」「タッチ」といったスキンシップを伴うほめ方もいいですね。


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PROFILE 愛知県出身。これまで特別支援学校(肢体不自由、知的障害)を中心に、小学校特別支援学級や高校通級などで多様な特別支援ニーズのある子の教育に携わる。その中で得た知識や経験をもとに、特別支援教育について学ぶサークルを立ち上げ、多くの学校関係者等とともに、地域の特別支援教育の推進に努めている。専門は応用行動分析、ペアレントトレーニング。3児の父。 ●記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。 監修者 岡田百合香 先生 PROFILE:泌尿器科医/産業医。日本泌尿器科学会専門医。愛知県在住。総合病院の泌尿器科に勤務する傍ら、乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。現在7歳男児、3歳女児の子育て中。著書『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社)が発売中!

たまひよ ONLINE編集部

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