コレステロール値、結局何が正しい? 低すぎ危険? 専門医が解説
LDLコレステロール値や中性脂肪値などが高い脂質異常症は、血管の老化を進め、心筋梗塞による突然死の原因となる病気だ。しかし、「LDLコレステロールが高め」と健康診断などで指摘されても「少しなので問題ないだろう」などと過信して放置している人は少なくない。あるいは「高齢者はむしろ高めのほうがいい」「高齢者は低いのはよくない」といった誤解も多いようだ。何が本当なのか。本特集では、コレステロールに関する誤解を解き、血管の老化と突然死を防ぐ方法を紹介する。
『コレステロールの大誤解』 特集の内容
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第1回
コレステロール値、結局何が正しい? 低すぎ危険? 専門医が解説←今回
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第2回
卵は1日何個食べてもコレステロールに影響しない?
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第3回
コレステロール対策 悪玉LDLを減らし善玉HDLを増やすには
LDLコレステロールが高いほど心筋梗塞のリスク増
健康診断の結果を見て、悪玉であるLDLコレステロールの値に一喜一憂する人は少なくない。でも、悪い数値にショックを受けたからといって、改善するためにすぐに行動するかと言うと、それはまた別の話。LDLコレステロール値が高くなっても、痛い、だるいなどの自覚症状はないため、そのまま様子見している人は多いようだ。
あなたも、「少し高いくらいなら心配ない」「年をとればLDLコレステロールが高いほうがいい」などと考え、放置していないだろうか。
「『LDLコレステロールが少し高いくらいなら心配ない』というのは一概には言えません」――そう指摘するのは、脂質異常症や動脈硬化に詳しい、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)理事長の山下静也氏だ。
「心配ないかどうかは内臓脂肪型肥満や高血圧、糖尿病、喫煙、年齢といった動脈硬化リスク因子の有無やそれぞれのリスクの程度などによって変わります。リスク因子がある場合はその分、動脈硬化の進行が早まるからです」と山下氏が言うようにケースバイケースであることは肝に銘じる必要がある。「LDLコレステロールが高くなっても特に自覚症状はありませんが、高い状態が続くと血管の壁に余分な脂質が蓄積して動脈硬化が進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳血管疾患などを起こして死亡するリスクが高まります」(山下氏)
「高齢者はLDLコレステロールが高いほうがいい」というのも間違いだと山下氏は強調する。「高いほうがいいということを示すデータはありません。高齢者でもLDLコレステロール値が高くなればなるほど、心筋梗塞など突然死の原因となる病気の発症リスクが上がることは、国内外の複数の研究で明らかになっています」と話す。
例えば、40~69歳の日本人8131人を16~28年間追跡調査した結果では、LDLコレステロール値が高いほど心筋梗塞の発症率が上昇した。LDLコレステロール値が140mg/dL以上の群の心筋梗塞発症リスクは、80mg/dL未満の群の3.8倍だった(図1)。
図1 LDLコレステロール値が高いほど心筋梗塞の発症リスクも増加
40~69歳の日本人8131人を16~28年追跡調査した結果。LDLコレステロール値が80mg/dL未満の人たちを1とすると、LDLコレステロールが20mg/dL上がるごとに心筋梗塞発症リスクが上昇した。(Prev Med. 2011 May;52(5):381-6.を基に作成)
70~100歳の高齢者もLDLコレステロールが高いと危険
この日本の研究は40~69歳の男女が対象だが、20~100歳のデンマーク人9万1131人を平均7.7年追跡したコペンハーゲン疫学研究でも、同じようにLDLコレステロール値が高くなるほど心筋梗塞の発症リスクが上がることが示されている。LDLコレステロール値が約39mg/dL上がるごとに全年齢で心筋梗塞発症リスクが上昇したが、特に70~100歳の人でその傾向が強かった(*1)。
コペンハーゲン疫学研究のデータを用いた分析では、心筋梗塞以外の死亡を含めても、LDLコレステロールが140mg/dLより高くなると死亡率が上がることが分かっている(*2)。脂質異常症の治療を受けている人のみのデータでは、LDLコレステロール89mg/dLの群で最も死亡率が低くなっていた。高齢者であっても、LDLコレステロールが高いほうがいいとは言えないわけだ。
コレステロールについては、減らしたいけど減らせないと悩んでいる人が多いせいか多くの情報が飛び交い、その分、誤解や思い込みによる誤った情報も少なくない。例えば、次に挙げたような情報だ。本記事ではこうした情報の一つ一つについて山下氏に“本当のところ”を解説いただく。
コレステロールに関するよくある誤解
- LDLコレステロール値が少し高いくらいなら心配ない
- 高齢者はLDLコレステロール値が高いほうがいい
- 高齢者はLDLコレステロール値を下げ過ぎないほうがいい
- コレステロールは体に有害な物質だ
- LDLコレステロール値が正常ならコレステロールの心配はない
- HDLコレステロール値は高ければ高いほうが良い
- 家族性高コレステロール血症は珍しい病気なので気にしなくていい
↑ これらぜんぶ正しくありません!
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- 危険な「脳卒中」から身を守る方法
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脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われている。予防のために私たちができることは何なのか。脳の血管を守る極意を見ていこう。
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- 頻尿、尿漏れ… 尿のお悩みは症状に合った適切なケアを!
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急に尿意が生じる、くしゃみをすると尿が漏れる…。尿のお悩みの中には、症状に合った適切な対策をとりさえすれば、わざわざ医療機関に行かずとも、生活習慣の見直しや体操などセルフケアで改善できるものが少なくありません。あきらめる前に試しにやってみましょう。
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- お酒を飲むと内臓脂肪が増える? 中年太りを解消する食事や運動は?
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「20代の頃はあんなにスリムだったのに…」――。こう言われて、秘かに心を痛めている人は少なくない。年を取ってくると気になってくるのは、やはりお腹周り。そのお腹にたまっているのは、生活習慣病の元凶となる「内臓脂肪」だ。内臓脂肪が増えてくると、どんな病気のリスクが出てくるのか。ぽっこりお腹は、お酒の飲み過ぎが原因なのか。そんな疑問に答えつつ、中年太りを解消するのに適した食事や運動も紹介する。
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山下静也(やました しずや)氏 りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)理事長
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歩く速さが遅くなった、階段を上るのがつらい──。それは、心肺機能の衰えによるものかもしれない。そればかりか、心肺機能が衰えると心血管疾患や糖尿病などの病気にもかかりやすくなる。年をとっても健康で充実した生活を送るためには、実は心肺機能が重要なのだ。幸い、心肺機能は衰えても取り戻すことができる。本特集では、世界中のアスリートが実践するタバタトレーニングを生み出した立命館大学スポーツ健康科学部特命教授田畑泉氏の話を基に、心肺機能が健康に与える影響について紹介する。
田畑泉(たばた いずみ)氏 立命館大学スポーツ健康科学部 特命教授
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健康のためには肥満に気を付けるのは当たり前――しかし、シニア期になるとこの常識は逆転し、「ちょっと太め」のほうが病気にかかりにくく死亡率も低くなる、という事実をご存じだろうか。知らず知らずのうちに進むシニア期の「低栄養」は、筋肉量の減少や全身の衰え、そして要介護状態を招いていく。自分の「今」、「将来」、あるいは親の「今」のために、常識をアップデートしていこう。
佐々木淳(ささき じゅん)氏 医療法人社団悠翔会理事長
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朝の過ごし方は人によってさまざまだ。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人もいる。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がある。本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説していく。
田原優(たはら ゆう)氏 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室 准教授
笹井浩行(ささい ひろゆき)氏 東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム 研究副部長
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朝の過ごし方は人によってさまざまだ。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人もいる。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がある。本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説。それに欠かせない「朝食や運動」についても詳しく言及していく。初回は、体の不調に直結する体内時計のメカニズムを解説しながら、朝時間の重要性を改めて考える。
「朝から元気で若々しい人」と「朝から気だるく不健康に見える人」
(写真はイメージ:PIXTA)
「1日の計は朝にあり」――。日本にはこんなことわざがあり、最近では「朝活」という言葉も定着した。読者の皆さんの周りにも、「どうして朝からそんなに元気なの?」と言われるような人はいないだろうか。朝から活動的な人は皆、元気で若々しい。
一方で、「朝が大事」と頭では分かっていても、気だるさが先立って、朝の時間を有効に使えていない人もいるのではないか。例えば、仕事をリタイアして、朝からテレビをつけて何となくぼーっと過ごしていないだろうか。仕事がある人なら、平日は朝食抜きでバタバタと出かけていないだろうか。
「朝から元気で若々しい人」と、「朝から気だるく不健康に見える人」の差は何か。それは、眠りから目覚め、朝食をとり、身支度をするまでの「朝時間」の使い方ではないか。「朝から体がだるい」「しっかり寝たのに疲れが取れない」「朝は頭がぼーっとしている」という人は、朝の過ごし方を改善しよう。
(原図:PIXTA)
体内時計が乱れると、さまざまな病気のリスクが上がる
「生活リズムの乱れは、軽い体調不良では済まなくなることもあり、軽視してはいけません」。こう指摘するのは、広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室准教授の田原優(たはらゆう)氏だ。田原氏は、体に備わる「体内時計」やそれを考慮した栄養学「時間栄養学」を専門とする研究者だ。
私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる1日のリズムを刻むメカニズムがある。「ある実験では、一般的なマウスの寿命は2~3年ですが、体内時計が乱れたマウスは1年あまりで死んでしまうという結果になりました。体内時計が乱れたマウスは、肥満や高血圧など、さまざまな病気になりやすく、寿命も短くなっています」と田原氏は話す。
これは動物実験の結果だが、大規模な疫学的調査においても、生活リズムが不規則で体内時計が乱れている人は、肥満になりやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが高いことが分かっている。つまり、体内時計の乱れは健康面で悪い影響を及ぼすため、放っておいてはいけないのだ。
体内時計の乱れがもたらす悪影響の例
(イラスト原図:PIXTA)
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2025年3月31日、日経Goodayは日経ビジネスLIVEと共同で「一生健康で飲むための『飲酒の科学』 リターンズ」と題するウェビナーを開催。肝臓専門医で書籍『なぜ酔っ払うと酒がうまいのか』『名医が教える飲酒の科学』の監修者である浅部伸一氏と、酒ジャーナリストで両書の同書の著者である葉石かおり氏が登壇し、飲酒にまつわる悩み、健康で飲むための飲み方のコツ、飲酒に起因する病気のリスクなどについて、トークを交えながら解説。その内容をお届けする。
(注)記事内の情報はウェビナーを開催した3月31日時点のものです。2ページ目でアーカイブ全編動画をご覧いただけます。
「酒は百薬の長」といわれていたのは昔の話。最新の科学研究では、アルコールが病気のリスクを高めることが明らかになっており、もはや「毒」だと認識を新たにするほうがいいかもしれない。なるべく健康を損なわずにお酒を飲むには、どうすればいいのか。自分の体質を把握すること、適量を知ること、たしなむ程度にとどめること――最新の研究成果を理解すれば、そのヒントが見えてくる。
肝臓専門医・浅部伸一氏(右)、酒ジャーナリスト・葉石かおり氏(写真:吉成大輔)
やっぱり冷やしたビールが好き?
鈴木陽子・日経Gooday編集長(以下、鈴木):まずは、皆さんに「どのような飲み方が好きか」について聞いてみたいと思います。「キンキンに冷えたラガービール」「苦味のきいた酒(IPAなど)」「常温で楽しむワイン・エールビール」「甘いカクテル」「熱燗(日本酒など)」の選択肢のうち、一番好きなものに投票してください。
キンキンに冷えたラガービールが、ウェビナー受講者の間では一番人気という結果だった。
葉石かおり・酒ジャーナリスト(以下、葉石氏):1位は「キンキンに冷えたラガービール」。これは習慣的なものが大きいと思います。「まず1杯目は…」とラガービールを選ぶことが多そうです。2位は「苦味のきいた酒(IPAなど)」ですね。
浅部伸一・肝臓専門医(以下、浅部氏):最近はビールだけでもバラエティーに富んでいますから、それぞれ好きなお酒を楽しまれているようですね。
葉石氏:3位は「常温で楽しむワイン・エールビール」。ワインやエールビールなど香りが魅力のお酒に関しては、常温で飲むと香気成分が上がりやすいので、よりおいしく飲めます。4位は「熱燗(日本酒など)」です。
浅部氏:ワインは常温で飲むだけでなく、日本では室温が高いので、冷やして飲むことを好む人が多いかもしれませんね。日本酒にもいろいろな飲み方があって、熱燗だと冷酒とは違った香りが楽しめますね。
葉石氏:日本酒は本当にさまざまな味の要素があります。特に生酛(きもと)や山廃酛(やまはいもと)といった昔ながらの作り方をしているお酒は骨太の味がしますので、温めて飲むとすごくおいしいんです。冷やして飲むと酸味が少しきつく感じるものは、温めると旨味成分が上がっておいしくなります。
次ページでアーカイブ全編動画をご覧いただけます。リポート記事の続きもお読みいただけます。
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脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われている。予防のために私たちができることは何なのか。脳の血管を守る極意を見ていこう。
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- 頻尿、尿漏れ… 尿のお悩みは症状に合った適切なケアを!
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急に尿意が生じる、くしゃみをすると尿が漏れる…。尿のお悩みの中には、症状に合った適切な対策をとりさえすれば、わざわざ医療機関に行かずとも、生活習慣の見直しや体操などセルフケアで改善できるものが少なくありません。あきらめる前に試しにやってみましょう。
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- お酒を飲むと内臓脂肪が増える? 中年太りを解消する食事や運動は?
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「20代の頃はあんなにスリムだったのに…」――。こう言われて、秘かに心を痛めている人は少なくない。年を取ってくると気になってくるのは、やはりお腹周り。そのお腹にたまっているのは、生活習慣病の元凶となる「内臓脂肪」だ。内臓脂肪が増えてくると、どんな病気のリスクが出てくるのか。ぽっこりお腹は、お酒の飲み過ぎが原因なのか。そんな疑問に答えつつ、中年太りを解消するのに適した食事や運動も紹介する。
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「超高周波」に関する問題
【問題】人間の耳には聞こえない「超高周波」は、心身にさまざまなプラスの効果をもたらすことが分かっています。この超高周波を豊富に発する楽器は、以下のうちどれでしょう?
- (1)ピアノ
- (2)ガムランで使われる楽器
- (3)チェンバロ(ピアノの祖先に当たる楽器)
- (4)バグパイプ
- (5)尺八
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脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われている。予防のために私たちができることは何なのか。脳の血管を守る極意を見ていこう。
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急に尿意が生じる、くしゃみをすると尿が漏れる…。尿のお悩みの中には、症状に合った適切な対策をとりさえすれば、わざわざ医療機関に行かずとも、生活習慣の見直しや体操などセルフケアで改善できるものが少なくありません。あきらめる前に試しにやってみましょう。
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- お酒を飲むと内臓脂肪が増える? 中年太りを解消する食事や運動は?
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「20代の頃はあんなにスリムだったのに…」――。こう言われて、秘かに心を痛めている人は少なくない。年を取ってくると気になってくるのは、やはりお腹周り。そのお腹にたまっているのは、生活習慣病の元凶となる「内臓脂肪」だ。内臓脂肪が増えてくると、どんな病気のリスクが出てくるのか。ぽっこりお腹は、お酒の飲み過ぎが原因なのか。そんな疑問に答えつつ、中年太りを解消するのに適した食事や運動も紹介する。
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「血管の老化」についての問題
【問題】高血圧、高血糖、高脂質(高LDLコレステロールなど)は、いずれも血管内皮細胞にダメージを与え、血管を老化させます。では、これらの要因の中で血管の老化に最も影響すると考えられるのは次のうちどれでしょう。
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「旅と脳との関係」に関する問題
【問題】休み日には騒がしい都会を離れ、自然を求めて旅行を予定している人も多いと思います。そういった旅や自然環境と脳との関係について、間違った認識は次のうちどれでしょう?
- (1)自然の中では脳の注意力が回復する
- (2)森の中には、気持ちを静める働きがあるとされる物質が放出されている
- (3)自然の風景の写真を見るだけでは脳は活性化しない
- (4)都会に住むことは生涯を通じて人の健康に悪影響を及ぼす可能性がある
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かつては日本人の死因第1位に君臨し、死亡率が減少した現在でも、後遺症で社会復帰が難しくなったり寝たきりを余儀なくされたりすることのある「脳卒中」。脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われている。予防のために私たちができることは何なのか。脳の血管を守る極意を見ていこう。
テーマ別特集「危険な『脳卒中』から身を守る方法」この記事の主な内容 死亡率は減ったが、後遺症の問題が残る「脳卒中」 脳梗塞の主な原因は「動脈硬化」と「心房細動」 動脈硬化からくる脳梗塞を予防するには 水分不足は禁物、だがカフェインやアルコールは要注意 脳出血を起こしやすいのはどんな人?死亡率は減ったが、後遺症の問題が残る「脳卒中」
ある日突然、脳の血管が詰まったり、破れたりして、脳の神経細胞が深刻なダメージを受ける脳卒中。治療が遅れると脳の機能に異変を来し、手足の麻痺や言葉の障害が残ることもある。「突然倒れて、そのまま亡くなってしまった」「命は助かったが後遺症が残って社会復帰ができなくなった」など、脳卒中の怖さについては皆さんも耳にしたことがあるだろう。脳卒中は全世界で25歳以上の成人の4人に1人が経験するとされるほど多く、決して珍しくない病気だ。
一昔前まで、脳卒中は国民病とも呼ばれ、日本人の死因第1位に君臨していた。現在は、脳卒中の死亡率は大幅に減少し、がんや心臓病、老衰に次ぐ第4位まで順位を下げている(下図)。一番の要因は、何と言っても治療技術の進歩だ。脳卒中を引き起こす高血圧などの予防のために、啓発活動に取り組んできた医療関係者の努力も大きいだろう。
日本における死因別死亡率の推移
脳卒中の死亡率は大幅に減少し、がんや心臓病、老衰に次ぐ第4位となっている。(令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況「主な死因別にみた死亡率(人口 10 万対)の年次推移」より)
だが、脳卒中の死亡率が減少したことを、単純に喜ぶわけにはいかない。救える命が増えたのは朗報だが、問題は後遺症だ。脳卒中を発症した人のうち、社会復帰できる人は半数程度にとどまるという。後遺症が残って社会復帰が難しい人、寝たきりになる人が少なくないのだ。
脳卒中は60代から急増するが、若くても発症する
脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れる「脳出血」、動脈にできたコブが破裂する「くも膜下出血」などがある。共通点は、どれも血管が破綻して発症すること、そして脳の機能が損なわれてしまうことだ。
脳卒中の3つのタイプ
(原図:PIXTA)
東京女子医科大学附属足立医療センター脳神経外科 教授・診療部長の久保田有一氏は、「脳卒中は60代くらいから急増しますが、若い人が発症することもまれではありません」と話す。20代、30代の若さでくも膜下出血を起こす人もいれば、血圧が高いわけではないのに脳梗塞を起こす人もいる。脳卒中は、突然死や寝たきりのもとになる病気であると同時に、誰がなってもおかしくない病気でもあるのだ。
では、脳卒中の予防は果たして可能なのだろうか?
「脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われています。日常生活で気をつけるべき予防のポイントや、受けておくべき検査があるので、ぜひ皆さんに知ってほしいです」(久保田氏)
【 ピックアップ記事 】 生きるか死ぬか…脳卒中の「分かれ道」を決める3つの重大サイン
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食の知識について「常識」だと思っていたものが、実は違っていたり誤解だったりすることがある。また新たな研究発表により、しばしば情報がアップデートされる。この連載では、生活に取り入れたい食の新常識について幅広く紹介する。
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健康のためには、野菜を食べることは大事…と分かっていても、日本人の野菜摂取量は年々減少傾向にある。野菜の摂取量が少ない人は、どんな野菜を優先して食べるべきだろうか。また、栄養を余すことなく得るには生で食べるのが一番かと思いきや、実は成分によってはそうとも限らない。奥深い野菜の栄養や食べ方について、野菜の栄養価の変動に詳しい女子栄養大学食物科学研究室准教授の日笠志津氏への取材を基に紹介する。
日本人の野菜摂取量は年々減少 全世代で300gを下回る
普段の食生活で、野菜をとることをどれだけ意識しているだろうか。物価上昇もあり、野菜を買い控えている人もいるかもしれない。コンビニエンスストアではおにぎりと飲み物だけを買って食事を簡単に済ませているケースも少なくないだろう。
だが、栄養面を鑑みると、ごはんや肉だけでなく、野菜もとりたいところだ。野菜をとらない生活を続けると、高血圧や動脈硬化、糖尿病やメタボリック・シンドロームなどの生活習慣病の発症リスクが高まってしまうからだ。
健康的な食事は、野菜なくしては成し得ない。健康維持に必要な栄養素の中には、野菜からの摂取割合が高いものも存在するからだ。その代表的なものが、食物繊維、カリウム、ビタミンC、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA(β-カロテンなど)(*1)だ。それぞれの栄養素を食品から摂取した場合、以下のような健康効果が期待される。
- 食物繊維お腹の調子を整える整腸作用。血糖値や血中コレステロール値の上昇を抑制する作用。
- カリウム血圧の上昇を抑制する作用。
- ビタミンC抗酸化作用。心血管疾患の予防効果や、動脈硬化の予防。
- ビタミンA視覚作用。抗酸化作用。皮膚や粘膜の健康維持。免疫力アップ。
4つのいずれも、食事から摂取すべきエネルギー・栄養素の1日当たりの量を示す「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で、ある集団のほとんどの者(97~98%)が必要量を満たすとされる「推奨量」が示されており、中でも食物繊維とカリウムに関しては、生活習慣病の発症予防を目的とした「目標量」が定められている。その量を満たすには、それらが多く含まれる野菜の摂取が欠かせない。実際、カリウム、ビタミンC、ビタミンAは野菜からの摂取が最も多く、食物繊維の摂取源においても野菜は高い割合を占めている。
表1 各栄養素の目標量・推奨量
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、カリウムと食物繊維は、生活習慣病の発症予防を目的とした「目標量」が定められている(カリウムには目標量とは別に、一定の栄養状態を維持するのに十分な量として示された目安量も設定されている)。ビタミンCとビタミンAは、ある集団のほとんどの者(97~98%)が必要量を満たすとされる「推奨量」を示す。
しかし、日本人の野菜摂取量は減少傾向にある。2023年の「国民健康・栄養調査」では、日本人の野菜の摂取量は256gだった。男女別に見ると、男性は2013年以降、女性は2015年以降有意に減少している。以前はシニア層の野菜の平均摂取量は300gを超えていた年もあったが、近年はシニア層における野菜の摂取量も減少し、全世代で300gを下回る結果となった。背景には、野菜の値上がりや、外食、弁当・総菜の利用が増えていることが考えられる。
一方で、厚生労働省の「健康日本21」において、20歳以上の人の1日当たりの野菜摂取量の目標は、「350g以上」とされている。これは、「健康日本21」が立ち上がった2000年当時、カリウム、食物繊維、ビタミンCを十分に確保できる野菜の摂取量を解析した結果が約350gだったことに基づいており、今もその値は据え置きで使用されている。おおよそ、摂取量と目標量のギャップは100g弱あることになる。100g弱のギャップを埋めるには、まず普段の食事にプラス1皿を意識するとよさそうだ。
しかし、例えば1つの野菜だけを1日350gとっていればいいかというとそういうわけではない。野菜ごとに豊富な栄養素は異なるため、1種類だけを食べ続けると偏りが生じてしまうからだ。そういう観点においては、350gという値に意味はない。本当の意味で野菜をとったと言うためには、様々な野菜から偏りが生じないように栄養をとる必要がある。
*1 β-カロテンなどの体内でビタミンAに変換されるものをプロビタミンAと呼ぶ。野菜に含まれるのは、プロビタミンAである。「日本人の食事摂取基準」では、プロビタミンAも考慮してビタミンAの推奨量を求めている。
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LDLコレステロール値や中性脂肪値などが高い脂質異常症は、血管の老化を進め、心筋梗塞による突然死の原因となる病気だ。しかし、「LDLコレステロールが高め」と健康診断などで指摘されても「少しなので問題ないだろう」などと過信して放置している人は少なくない。あるいは「高齢者はむしろ高めのほうがいい」「高齢者は低いのはよくない」といった誤解も多いようだ。何が本当なのか。本特集では、コレステロールに関する誤解を解き、血管の老化と突然死を防ぐ方法を紹介する。
『コレステロールの大誤解』 特集の内容
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第1回
コレステロール値、結局何が正しい? 低すぎ危険? 専門医が解説←今回
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第2回
卵は1日何個食べてもコレステロールに影響しない?
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第3回
コレステロール対策 悪玉LDLを減らし善玉HDLを増やすには
LDLコレステロールが高いほど心筋梗塞のリスク増
健康診断の結果を見て、悪玉であるLDLコレステロールの値に一喜一憂する人は少なくない。でも、悪い数値にショックを受けたからといって、改善するためにすぐに行動するかと言うと、それはまた別の話。LDLコレステロール値が高くなっても、痛い、だるいなどの自覚症状はないため、そのまま様子見している人は多いようだ。
あなたも、「少し高いくらいなら心配ない」「年をとればLDLコレステロールが高いほうがいい」などと考え、放置していないだろうか。
「『LDLコレステロールが少し高いくらいなら心配ない』というのは一概には言えません」――そう指摘するのは、脂質異常症や動脈硬化に詳しい、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)理事長の山下静也氏だ。
「心配ないかどうかは内臓脂肪型肥満や高血圧、糖尿病、喫煙、年齢といった動脈硬化リスク因子の有無やそれぞれのリスクの程度などによって変わります。リスク因子がある場合はその分、動脈硬化の進行が早まるからです」と山下氏が言うようにケースバイケースであることは肝に銘じる必要がある。「LDLコレステロールが高くなっても特に自覚症状はありませんが、高い状態が続くと血管の壁に余分な脂質が蓄積して動脈硬化が進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳血管疾患などを起こして死亡するリスクが高まります」(山下氏)
「高齢者はLDLコレステロールが高いほうがいい」というのも間違いだと山下氏は強調する。「高いほうがいいということを示すデータはありません。高齢者でもLDLコレステロール値が高くなればなるほど、心筋梗塞など突然死の原因となる病気の発症リスクが上がることは、国内外の複数の研究で明らかになっています」と話す。
例えば、40~69歳の日本人8131人を16~28年間追跡調査した結果では、LDLコレステロール値が高いほど心筋梗塞の発症率が上昇した。LDLコレステロール値が140mg/dL以上の群の心筋梗塞発症リスクは、80mg/dL未満の群の3.8倍だった(図1)。
図1 LDLコレステロール値が高いほど心筋梗塞の発症リスクも増加
40~69歳の日本人8131人を16~28年追跡調査した結果。LDLコレステロール値が80mg/dL未満の人たちを1とすると、LDLコレステロールが20mg/dL上がるごとに心筋梗塞発症リスクが上昇した。(Prev Med. 2011 May;52(5):381-6.を基に作成)
70~100歳の高齢者もLDLコレステロールが高いと危険
この日本の研究は40~69歳の男女が対象だが、20~100歳のデンマーク人9万1131人を平均7.7年追跡したコペンハーゲン疫学研究でも、同じようにLDLコレステロール値が高くなるほど心筋梗塞の発症リスクが上がることが示されている。LDLコレステロール値が約39mg/dL上がるごとに全年齢で心筋梗塞発症リスクが上昇したが、特に70~100歳の人でその傾向が強かった(*1)。
コペンハーゲン疫学研究のデータを用いた分析では、心筋梗塞以外の死亡を含めても、LDLコレステロールが140mg/dLより高くなると死亡率が上がることが分かっている(*2)。脂質異常症の治療を受けている人のみのデータでは、LDLコレステロール89mg/dLの群で最も死亡率が低くなっていた。高齢者であっても、LDLコレステロールが高いほうがいいとは言えないわけだ。
コレステロールについては、減らしたいけど減らせないと悩んでいる人が多いせいか多くの情報が飛び交い、その分、誤解や思い込みによる誤った情報も少なくない。例えば、次に挙げたような情報だ。本記事ではこうした情報の一つ一つについて山下氏に“本当のところ”を解説いただく。
コレステロールに関するよくある誤解
- LDLコレステロール値が少し高いくらいなら心配ない
- 高齢者はLDLコレステロール値が高いほうがいい
- 高齢者はLDLコレステロール値を下げ過ぎないほうがいい
- コレステロールは体に有害な物質だ
- LDLコレステロール値が正常ならコレステロールの心配はない
- HDLコレステロール値は高ければ高いほうが良い
- 家族性高コレステロール血症は珍しい病気なので気にしなくていい
↑ これらぜんぶ正しくありません!
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- 危険な「脳卒中」から身を守る方法
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脳卒中は突然起こる病気でありながら、実は8割が予防できる病気でもあると言われている。予防のために私たちができることは何なのか。脳の血管を守る極意を見ていこう。
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- 頻尿、尿漏れ… 尿のお悩みは症状に合った適切なケアを!
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急に尿意が生じる、くしゃみをすると尿が漏れる…。尿のお悩みの中には、症状に合った適切な対策をとりさえすれば、わざわざ医療機関に行かずとも、生活習慣の見直しや体操などセルフケアで改善できるものが少なくありません。あきらめる前に試しにやってみましょう。
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- お酒を飲むと内臓脂肪が増える? 中年太りを解消する食事や運動は?
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「20代の頃はあんなにスリムだったのに…」――。こう言われて、秘かに心を痛めている人は少なくない。年を取ってくると気になってくるのは、やはりお腹周り。そのお腹にたまっているのは、生活習慣病の元凶となる「内臓脂肪」だ。内臓脂肪が増えてくると、どんな病気のリスクが出てくるのか。ぽっこりお腹は、お酒の飲み過ぎが原因なのか。そんな疑問に答えつつ、中年太りを解消するのに適した食事や運動も紹介する。
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心肺機能の衰えは、健康に大きな影響を与える。ただ単に疲れやすくなるだけではなく、心血管疾患や糖尿病になりやすくなるのだ。放置すれば衰えていく一方だが、トレーニングすることで取り戻すことができるというありがたい特性もある。特集第3回は実践編として、心肺機能を効率的に取り戻すタバタトレーニングの具体的なやり方について紹介する。
心肺機能をしっかりと上げる「有酸素性運動」
本特集ではこれまで、心肺機能の衰えがもたらす体への悪影響、自分の心肺機能の状態の確認方法、そして、心肺機能を取り戻すための体の動かし方について解説してきた。
心肺機能を取り戻すには、運動することが大切だ。とはいえ、「いきなり運動するのはちょっとハードルが高い」という人は、まずは日々の生活の中で体を動かすことから始めるといい(詳しくは第2回)。そして、体を動かすことに慣れてきたら、心肺機能を効率的に取り戻せる本格的なトレーニングにステップアップしよう。
では、どんなトレーニングをするとよいのか。ジョギングやペダルをこいで運動負荷をかける自転車(エルゴメーター)のような有酸素性運動は、心肺機能を向上させることが、よく知られている。
例えば、多くの論文を解析して調べた海外の研究では、運動トレーニングが心肺機能を上げ、心血管系の病気に関するバイオマーカーが改善することが示唆されている(*1)。また、12週間の持久トレーニングの結果、若者だけでなく高齢者においても最大酸素摂取量の増加が認められたという報告もある(*2)。
ただ、例えば「週に3回、1回1時間、ジョギングをしましょう」と言われても、続けるのは難しいと思う人もいるだろう。そこでいま注目されているのが、短時間の強い運動と休憩を何度か繰り返す「HIIT」(ヒート:high-intensity intermittent training)という方法だ。今回紹介する「タバタトレーニング」もHIITの一種で、20秒の運動と10秒の休憩を4分間(計8セット)繰り返すもの。果たして、たった4分間のトレーニングで、本当に心肺機能を上げられるのだろうか。
短時間のトレーニングで心肺機能を取り戻す
一般に、運動と言えば、ウォーキングやジョギングのように長時間体を動かす有酸素性運動と筋トレのような短時間で強い力を出す無酸素性運動があるというイメージを持つ人が多いだろう。私たちが体を動かすにはエネルギーが必要だ。エネルギーを得る体内システムとして、酸素を利用する有酸素性エネルギー供給機構と、酸素を必要としない無酸素性エネルギー供給機構が備わっている。
心肺機能に詳しい立命館大学スポーツ健康科学部特命教授の田畑泉氏は「有酸素性運動は有酸素性エネルギー供給機構を使った運動、無酸素性運動は無酸素性エネルギー供給機構を使った運動というイメージがありますが、実際には、どちらか一方だけが働くことはなく、常に両方が使われていて、割合が異なるだけです。例えばウォーキングでは有酸素性エネルギー供給機構が主ですが、無酸素性エネルギー供給機構も使われているのです。そのため、有酸素運動・無酸素運動ではなく、有酸素性運動・無酸素性運動と呼んでいます」と説明する。
HIITは、比較的強い運動を短時間繰り返す。このような運動は一見すると無酸素性運動のように見えるが、短時間でも休憩を入れながら繰り返すことで有酸素性エネルギー供給機構にも大きな負荷がかかる。
*1 J Am Heart Assoc. 2015 Jun 26; 4(7): e002014. *2 J Appl Physiol(1985). 2010 Mar; 108(3): 621-7.
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歩く速さが遅くなった、階段を上るのがつらい──。それは、心肺機能の衰えによるものかもしれない。そればかりか、心肺機能が衰えると心血管疾患や糖尿病などの病気にもかかりやすくなる。年をとっても健康で充実した生活を送るためには、実は心肺機能が重要なのだ。幸い、心肺機能は衰えても取り戻すことができる。本特集では、世界中のアスリートが実践するタバタトレーニングを生み出した立命館大学スポーツ健康科学部特命教授田畑泉氏の話を基に、心肺機能が健康に与える影響について紹介する。
田畑泉(たばた いずみ)氏 立命館大学スポーツ健康科学部 特命教授
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歩く速さが遅くなった、階段を上るのがつらい──。それは、心肺機能の衰えによるものかもしれない。そればかりか、衰えると心血管疾患や2型糖尿病などの発症リスクも上がる。しかし、幸いにも心肺機能は衰えても取り戻すことができる。自分の心肺機能はどのくらいで、取り戻す方法は何か。本特集では、世界中のアスリートが実践するタバタトレーニングを生み出した立命館大学スポーツ健康科学部特命教授田畑泉氏への取材を基に、心肺機能が健康に与える影響や取り戻し方について紹介する。
(イラスト:Talaj/stock.adobe.com)
心肺機能の維持・向上は、健康長寿に必須
心肺機能という言葉から想像するのは、心臓と肺だろう。肺から取り込まれた酸素は血液中の赤血球と結びつき、その血液は心臓の力によって押し出されて、全身の細胞に酸素を届ける。心肺機能に詳しい立命館大学スポーツ健康科学部特命教授の田畑泉氏は、「心肺機能とは、このような酸素を全身に供給する循環器系の能力です。ずっと酸素が届かなければ、細胞は死んでしまいます。人間が生きていく上で、とても大事な機能なのです」と説明する。
日常的な活動はもちろんだが、特にウォーキングやジョギングなど、長時間継続する有酸素性運動では、それを行うためのエネルギーがたくさんいる。その際、糖質や脂質をエネルギーに変えるために欠かせない酸素が必要となる。
心肺機能が十分に高ければ全身に酸素が行き渡り、エネルギーを得られるため問題ないが、心肺機能が低下した場合は注意が必要だ。酸素が全身に十分に届かず、エネルギーが得られない状況になると、有酸素性運動は難しくなり、その他の身体活動にも影響が出始める。
心肺機能が衰えると体を動かすのがつらくなるが、実は衰えの影響はそれだけにとどまらない。心肺機能の低下は2型糖尿病や心血管疾患の発症リスクを高めることが明らかになっている。さらに、がんとの関連を示す研究結果もある。心肺機能の維持は、健康長寿のカギなのだ。
ここまで読んで、「そう言われたら、最近、階段の上り下りがつらい。自分の心肺機能はもう衰えているかも…」と悲観した人もいるだろう。そんな人に朗報だ。心肺機能は、何歳になっても取り戻すことができるのだ。
では、どうしたら心肺機能を取り戻せるのか。本特集では、心肺機能が健康に与える影響や自分の心肺機能の推定方法、心肺機能を取り戻す方法について、田畑氏への取材を基に紹介していく。第1回となる今回は、心肺機能が健康に与える影響や心肺機能が衰える生活習慣について紹介する。
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