鳩山元首相に聞く中国の軍事パレード出席の真意 専門家の見方は?
中国が9月上旬に行った「抗日戦争勝利80年」を記念した軍事パレードに、親中派として知られる鳩山由紀夫元首相が出席したことが物議を醸した。
とりわけ今回は中国、ロシア、北朝鮮のトップが一堂に会する異例の式典で、日本を含む西側諸国との対立が際立つ場となった。
鳩山氏はなぜ、訪中を断行したのか。
現在は政党で活動していない本人に真意を尋ねるとともに、こうした式典に「元首相」が出席したことの意味を専門家に読み解いてもらった。
<主な内容> ・SNSなどで物議 ・批判の声、どう受け止める? ・「中国とすれば脅威は米国」 ・「自分なりのメッセージ出し続けたい」 ・中国側は「肩書」を重視?
・専門家「フィードバックを」
SNSなどで物議
「人類は今日、再び平和か戦争か、対話か対抗か、共に勝利するか、一方が全て失うかという選択に直面している」
中国の習近平国家主席は演説でそう指摘し、「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権も念頭に、中国と歩調を合わせる国々による新たな国際秩序の必要性を強調した。
中国政府の発表によると、式典にはロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記ら26カ国の外国元首・首脳が出席した。
一方で、日米など主要7カ国(G7)の首脳・政府代表者の出席は見送られた。
<歴史認識や外交のバランスを考えたら、どんな意図があっても日本国内で波紋を呼ぶ。国の立場や国民感情も考えてほしい>
<日中や日韓の信頼関係が保たれているのは鳩山さんのような人がいるからだよ>
中国政府が鳩山氏の出席を明らかにした8月28日以降、交流サイト(SNS)ではそんな賛否の声が相次いだ。
鳩山氏の長男で国民民主党衆院議員の紀一郎氏は反対の立場で、自身のX(ツイッター)に<日本の元首相が中国政府の戦勝記念行事に出席する必要はありません>と投稿。父に出席取りやめを要請したことを明らかにした。
林芳正官房長官は「日本政府としては承知しておらず、コメントする立場にはない」と述べ、鳩山氏の「民間外交」と距離を置いた。
批判の声、どう受け止める?
訪中すれば批判が相次ぐことは予想されたはずだが、なぜ断行したのか。
毎日新聞のインタビューに応じた鳩山氏の主な一問一答は次の通りだ。
――どのような経緯で参加したのか。
◆6月3日に呉江浩・駐日中国大使が来られて、「外交部(外務省)からの招待でぜひ、抗日戦争および反ファシスト戦争勝利80周年の記念式典に来てほしい」と案内をいただいた。
簡単にお答えするわけにいかず、それなりに真剣に考えた。…