NY市場サマリー(17日)ドル週間で下落、利回り上昇 株反発
<為替> ドルが週間ベースで、安全資産とされる円やスイスフランに対し下落する見通し。米中貿易摩擦を巡る懸念や一部米地銀の信用不安が背景にある。
また、米連邦政府機関一部閉鎖が17日突入し、経済指標の発表が停止される中、経済の現状を巡る不確実性も漂っている。
トランプ米大統領は17日、中国からの輸入品に100%の追加関税を課すという自身の提案は持続可能ではないとしつつも、中国がレアアース(希土類)輸出管理強化を打ち出したことが発端となった米中通商協議の新たな行き詰まりについては、中国側に責任があると非難した。
トランプ氏は同時に、中国の習近平国家主席と2週間後に韓国で会談するとも確認した。
終盤の取引で、ドル/スイスフランは0.08%安の0.7925フランと、約1カ月ぶりの安値を付けた。週間では6月以来最大の下げを記録する見通し。
ドル/円は横ばいの150.49円。週間では下落する見通し。日銀の植田和男総裁は16日、訪問先の米ワシントンで、29―30日の金融政策決定会合では、米国で収集した情報に加え、10月末にかけて出てくるデータや情報を加味した上で議論すると述べた。
ユーロ/ドルは0.17%安の1.16678ドル。ただ週間では、9週間ぶりに大幅な上昇となる見通し。
主要通貨に対するドル指数は0.17%高の98.43。週足では0.43%安となる見込み。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。トランプ米大統領の発言で米中通商問題が一段と悪化するとの懸念が和らぎ、安全資産と見なされる国債に売りが出たことが利回り上昇につながった。米地方銀行の信用力を巡る懸念が後退したことも寄与した。
終盤の取引で10年債利回りは2.3ベーシスポイント(bp)上昇の3.999%。一時は3.936%と、6週間半ぶりの低水準を付けていた。
30年債利回りは1.6bp上昇の4.599%
2年債利回りは3.1bp上昇の3.457%。一時は3.376%と、2022年8月26日以来の低水準を付けていた。2年債と10年債の利回り格差はプラス54bp。
米金融・債券市場:
<株式> 反発して取引を終えた。トランプ米大統領の米中通商摩擦を巡る発言に注目が集まる中、地銀の信用リスクに関する懸念が和らいだ。
ダコタ・ウェルスのシニア・ポートフォリオ・マネージャー、ロバート・パブリック氏は「市場はトランプ氏の発言をどう受け止めればいいのかよく分かっていない」とし、「中国や貿易関税など、あらゆる問題を巡る発言が行き交っているだけだ」と述べた。
S&P総合500種では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.6対1の比率で上回った。 米取引所の合算出来高は196億株。直近20営業日の平均は207億株。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物 相場は、リスク回避ムードの緩和を受けて利食い売りが台頭し、6営業日ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比91.30ドル(2.12%)安の1オンス=4213.30ドル。週間では5.32%上昇した。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ和平を巡る動向に注目が集まる中、4日ぶりに小反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.08ドル(0.1 4%)高の1バレル=57.54ドルだった。週間では、2.31%安だった。12月物は0.16ドル高の57.15ドル。
NYMEXエネルギー:
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