逆風でも「スタイルを変えるつもりもない」日本代表初ゴールの塩貝健人は己を貫く

日本は11分に先制するも追いつかれると、1-1のまま拮抗状態が続いた。

83分にシャドーで投入された塩貝は一心不乱にゴールを目指した。ただ、「点が点が、となるとゴールしか見えなくなってしまう」と反省するように、パスできる場面でドリブルを選択してロストするなど、あふれる気持ちが裏目に出た。

「(コーチの)名波(浩)さんや長谷部(誠)さん、選手からも、『もっとシンプルにやってもいいんじゃない』と言ってもらえました」

アディショナルタイムの90+1分に待望の瞬間が訪れた。塩貝はFW上田綺世にパスを預けると、そのままゴール前に走り込んで受け直した。冷静なトラップから放たれたシュートはゴール右側に吸い込まれ、待望の代表初ゴールが決勝点となった。

「なかなか点を取れていないなかでも、サポートしてくれた日本のみなさんには感謝しかない」。試合後、塩貝は、抱えていた心情も明かした。

「W杯でもいろいろなことがあり、僕自身にいろいろなメッセージがきた。すごく悔しい想いでした」

その想いが表れたのだろうか。得点後、塩貝は口元に人差し指をあてるジェスチャーを見せた。意図について「あの1点で黙らせる…」と口にするも、すぐさま「黙らせるというか、そんな感じの意味でした」と言い直した。向上した“危機察知能力”で予防線を張りつつも、率直さという“らしさ”が見えるコメントを残した。

アシストした上田は「サッカーにおいてはピュア」とストライカーの後輩に笑みを向ける。

「もちろん彼はメディアでは強気なことを言ったり、振る舞いもそう見えたりするかもしれませんが、彼は頭もいいし、考えながらサッカーをやっている。何でも吸収して自分の力にしようというガムシャラな姿勢が、僕には伝わっています」

「彼はワントップをやりたいとか、いろいろな感情があると思うけど、ああやって結果を残すことで次につながると思う。自信になると思うし、伸びていくきっかけになると思う」

エゴイストやビッグマウスと呼ばれるタイプは、今や日本のサッカー界では稀有な存在だ。それゆえに思わぬ批判や注目を浴びてしまうこともあるだろう。しかし、上田は「海外の若手だと当たり前にギラギラしている選手もいる」と、塩貝のありのままの成長を期待する。

本人も己を貫く覚悟だ。

「僕のスタイル的に結果が出ないと批判が出るのは分かっていますが、それはトップ・トップに行くには必要だと思うし、このスタイルを変えるつもりもない。結果が出ているときに大きいことを言うのは誰にでもできると思う。結果が出ないときでも高い目標を持って、自分の思ったことを言い続けたい。そういう意味では1カ月くらい点が取れていない状況で、久しぶりに得点できて体もメンタル的にも軽くなった」

来年1月のAFCアジアカップ、そして4年後のW杯に向けた戦いが始まった。21歳は自分の言葉を曲げず、その言葉に見合う結果を追い続ける。ウルグアイ戦の代表初ゴールは、逆風の中で踏み出した新たな一歩となった。

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