老舗化粧品企業が都心で“AIアニメ”広告→「セーラームーンかと思った」勘違いが続出 発表では「類似性の確認を行っている」言及も
2026.05.05 07:00 山本晃平
老舗化粧品メーカーの株式会社ウテナが展開するロングセラー商品「ウテナ モイスチャー」を取り扱った広告キャンペーンが、SNS上で大きな話題となっている。
この広告は「変身ヒロイン風アニメ」をコンセプトに、5月1日からJR山手線駅・Osaka Metroの交通広告で展開されているもので、クリエイティブに生成AIを活用している点が特徴となっている。
交通広告とあわせて、公式YouTubeには全編AI生成のアニメーション動画『潤い戦士 モイスチャー』も公開。動画では自社商品を強大な敵に立ち向かうための“必殺技アイテム”として登場させ、愛用者の声とともに訴求した。
他社作品に類似するとの指摘多数、メーカーは「類似性の確認は行っている」
しかし、掲出が始まると緑髪の眼鏡少女キャラをはじめとする登場人物のデザインやビジュアルの構図が人気アニメ『美少女戦士セーラームーン』のを強く連想させるとして、ファンから「セーラームーン新作かと思った」「コラボじゃないの?」と勘違いする反応が続出。
また、コラボを期待したものの全編AI生成と判明し、失望するファンの投稿も広く拡散される形となった。
この広告について、メーカー側はキャンペーン発表リリースにおいて「本作は、特定の既存作品やキャラクターをAIに学習させたものではなく『変身ヒロイン』というジャンルをベースに、人の企画・演出とAIを活用して制作したPRアニメです」と紹介。
「制作後も人の監修のもと、類似性の確認を行いながら仕上げています」と、他社作品を想起して制作したものではないことに言及した。
それでも、AI生成であることが明らかになると「紛らわしい」「勘違いを誘発する」との指摘が相次いでいる。
ウテナ社はキャンペーンの背景として、自社商品を若年層向けに訴求したいと説明。「ロングセラーゆえにご愛用者の年齢層は60~70代の方が中心となっており、若い世代へのアプローチが課題でした」
訴求対象の商品同社はこれまでも昭和レトロを逆手に取った「違和感」広告で注目を集めていたが、今回もAIを活用することで制作時間を大幅に短縮しつつ「アニメ」のアプローチに転換することで、より広い世代へのリーチを狙っていた。
広告制作を劇的に効率化、AI活用の意義アピール
AI活用にあたっての座組としては、企画・構成などの部分はPRチームの人間が担いつつ「映像化のプロセスにおいて株式会社CrestLabのアニメーションDXサービスを活用しました」と紹介。
そのうえで「通常、1分のアニメ映像の制作には半年~1年要する場合もありますが、AIの活用により、数時間~半日程度で施策・検証が可能に。」
「従来のアニメ制作では不可能だった短期間でのトライアンドエラーが可能となり、細部までこだわり抜いた映像表現を実現しました」として、取り組みの意義を伝えていた。
しかしながら、ファン層の既視感とAI特有の不自然さ、議論がつつく権利問題の指摘が交錯し、賛否を呼ぶ結果となっている。
<東京> 掲載期間:2026年4月27日(月)~5月10日(日) 掲載場所:JR山手線 28駅 <大阪> 掲載期間:2026年5月1日(金)~5月31日(日)
掲載場所:Osaka Metro御堂筋線 梅田駅、心斎橋駅、なんば駅/四つ橋線 西梅田駅