話題株ピックアップ【夕刊】(1):アイピーエス、ダイハツイン、ヤマトHD
アイピーエス <日足> 「株探」多機能チャートより
■ダイハツイン <6023> 2,639円 +398 円 (+17.8%) 一時ストップ高 本日終値
ダイハツインフィニアース<6023>が一時ストップ高の水準となる前営業日比500円高の2741円に買われ、上場来高値を更新した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比3.0%増の209億8000万円、経常利益は同18.0%減の14億8300万円となった。減益決算ながら経常利益の通期計画に対する進捗率は約30%に上ったほか、受注は好調で受注残高は過去最高の水準を確保しており、評価されたようだ。円高や人件費の増加が利益を圧迫する要因となったが、コンテナ船やタンカー向けの大口受注により、受注残高は全体で919億2300万円と前年同期比34.8%増となった。■ヤマトホールディングス <9064> 2,195円 +248.5 円 (+12.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ヤマトホールディングス<9064>は4日ぶり急反発し、年初来高値を更新した。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上高が4373億5200万円(前年同期比7.8%増)、営業損益が64億9400万円の赤字(前年同期は142億400万円の赤字)となった。営業赤字幅が縮小したことを評価した買いが膨らんでいる。4~6月期は小口法人・個人の顧客からの宅急便の取扱数量が拡大。大口法人の顧客に対するプライシングの適正化や、法人向けビジネスの拡大など収益構成の変革に向けた取り組みが奏功した。また、輸送領域のオペレーション見直しといったコストコントロールの効果も損失縮小に寄与した。■Lドリンク <2585> 2,249円 +218 円 (+10.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ライフドリンク カンパニー<2585>が大幅続伸。同社は30日取引終了後、中期経営計画を新たに策定したと発表。最終年度となる29年3月期の連結営業利益目標を120億円(25年3月期実績は47億4200万円)としていることが評価されたようだ。29年3月期の連結売上高目標は800億円(同445億3700万円)、生産数量目標は1億2500万箱(同7300万箱)に設定。自社グループ飲料工場の設備更新・改良による生産能力増強や人員増強によるフル生産化に加え、既存工場のライン増設や新工場建設、M&Aによる生産能力獲得を進め、売上高成長とそれを上回る利益成長を目指すとしている。■ノジマ <7419> 3,465円 +320 円 (+10.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
ノジマ<7419>は大幅高で上場来高値を更新した。この日朝方、26年3月期連結業績予想について売上高を9000億円から9300億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を500億円から560億円(同15.8%増)へ上方修正すると発表した。デジタル家電専門店運営事業、キャリアショップ運営事業の業績が堅調に推移しているため。これを好感した買いを呼び込んでいる。■京セラ <6971> 1,802円 +157 円 (+9.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
京セラ<6971>が急騰。同社は30日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比4.2%減の4780億3800万円、最終利益が同0.9%増の371億4300万円となった。最終利益の通期計画(705億円)に対する進捗率は約53%となっており、業績の上振れを期待した買いが優勢になっている。4~6月期は米ドルに対し円高が進行したことにより減収。シリコンダイオード・パワー半導体事業の譲渡契約締結に伴う一時損失約21億円を計上したものの、最終利益はKDDI<9433>株式の売却に伴う税額調整により、税負担が約40億円減ったため増益になった。通期業績予想は据え置き。想定為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円で変更はない。■南海電気鉄道 <9044> 2,437円 +202 円 (+9.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
南海電気鉄道<9044>はマドを開けて急伸した。30日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を2667億円から2712億円(前期比4.0%増)へ、営業利益を326億円から366億円(同5.6%増)へ上方修正すると発表。あわせて配当予想を40円から50円(前期40円)へ増額した。また、自社株買いの実施も明らかにしており、好感した買いが集まっている。インバウンドや大阪・関西万博の効果が想定を上回って好調に推移しているため。不動産事業における取得物件の収益寄与や物件売却益の上振れのほか、バス事業で燃料費が想定を下回っていることによる費用減なども見込む。自社株買いについては取得上限が600万株(自己株式を除く発行済み株数の5.29%)、または120億円。期間は7月31日~来年1月30日。このうち、31日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で316万5700株を取得した。■さくらインターネット <3778> 2,971円 +227 円 (+8.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
さくらインターネット<3778>が3日ぶり急反騰。独立系データセンター運営大手だが、自社のデータセンターを基幹としたクラウドサービスなどで収益を積み上げている。ただ、足もとではクラウドサービスの大型案件の剥落で、業績は会社側の計画を大きく下回る状況を強いられており、今週28日に26年3月期の業績予想を下方修正した。最終利益は従来見通しの24億円から2億円(前期比93%減)に大幅減額し、これを受けて同社株は29日に1本値でストップ安配分に売り込まれた。30日も大量の売り注文が残されていたことで大きく下値を探ったが、寄り後早々に商いが成立し2700円前後で目先の底値を確認した形となった。業績下方修正の発表で大量の売り注文に晒されたものの、市場では「その中には貸株市場を通じた仕掛け的な空売りが、かなり含まれていたことが想定される」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘があった。そうしたなか、日証金が30日付で貸株注意喚起を公表しており、きょうはこれが空売り筋の買い戻しを誘発する形で、短期的には踏み上げ相場の色彩を強めている。一方、買い戻し一巡後は上値が重くなる可能性があるため、逆張りで参戦している短期筋も慎重で、3000円台乗せからはやや伸び悩む傾向をみせている。■日本電気硝子 <5214> 4,055円 +281 円 (+7.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
日本電気硝子<5214>は急伸。4000円台に乗せて2018年2月以来、約7年5カ月ぶりの高値となった。同社は30日の取引終了後、25年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算にあわせ、25年12月期通期業績予想の修正を発表した。営業利益は従来予想の230億円から270億円(前期比4.4倍)に引き上げるなど利益予想を上方修正しており、これを好感した買いが集まっている。ディスプレイ事業での生産性改善が進んだことに加え、電子デバイス事業の売上高が増えたことなどにより予想を上回った。売上高は据え置いている。6月中間期の売上高は前年同期比0.6%減の1537億8800万円、営業利益は同5.8倍の166億6800万円だった。■ディスコ <6146> 45,550円 +3,030 円 (+7.1%) 本日終値
ディスコ<6146>は全市場ベースで群を抜く売買代金をこなし、株価も一時7.4%高の4万5700円と値を飛ばした。同社株は今月17日に開示した25年4~9月期の業績予想で営業利益が前年同期比11%減の677億円と2ケタ減益を予想し、中間配当についても前年同期実績から減配を発表するなどで、翌18日に失望売りを浴びた経緯がある。同日は終値で4000円を超える急落に見舞われ、その後も売り買いを交錯させる展開でもみ合っていたが、きょうはにわかに動きを一変させている。急落前日である17日の水準(始値で4万5660円)に肉薄する動きをみせた。市場では「米国で現地時間30日に発表されたメタ・プラットフォームズ<META>の決算が事前コンセンサスを大きく上回る内容でサプライズとなった。AIデータセンターへ積極投資する方針も発表しており、生成AI用半導体向け製造装置に注力するディスコを買い戻す動きにつながった」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。株式需給面では、機関投資家による貸株市場を通じた空売りの買い戻しが機能した可能性も指摘されている。 株探ニュース